あねとぺち(F/m)
お茶Kさん作
「ゆっくん、そろそろ反省した?」
「‥‥っ‥し、知らないっ!」
ぱっちぃん!
「ぁぅぅっ‥‥!」
姉ちゃんがまたお尻ぶってきた。い、痛‥‥くないっ! 手でお尻をかばいそうになったけど、姉ちゃんの着物をぎゅっとつかんで我慢する。こんなの、お尻なんか叩かれたってぜんぜん痛くなんか‥!
「はぁ、何でそんなに強情っぱりなの、この子は。
少し痛くしたんだけど‥‥次はもっと痛くするわよ。まだお尻足りないの?」
「うぅ〜‥‥好きにすればいいだろっ、姉ちゃんのばかぁっ!」
「ふぅ‥‥まったくもう、悪い子っ」
ぱしん! ぺちん! ぱちぃんっ!
「ひぅっ、うぅっ、あぁぁっ!」
左のお尻を三回も連続で叩かれる。さっきよりお尻を叩く力が強くて、涙が出そうになるのを慌てて顔ごと腕にうずめてごまかした。
うぅ‥‥泣くもんか。泣いたら姉ちゃんに泣かされたみたいで絶対イヤだ。お尻ぎゅっと堅くして我慢してると、姉ちゃんは「痛いよね」って叩いたところを優しくさすってくる。なんだよっ、自分で叩いたくせに、何でお尻なでたりするんだよ姉ちゃんのバカ!
「見なさいよ、ゆっくんのお尻ピンクになっちゃって。早く謝ってあげないとお尻が可愛そうでしょ」
「うぅー‥‥ね、姉ちゃんがやってるくせにっ」
「ゆっくんがお尻叩かれるようなイタズラしたからでしょう。
私の分も全部食べてくれちゃって。お餅、楽しみにしてたのよ?」
「姉ちゃんが叩いたせいだろっ、バカっ!」
目の前にある姉ちゃんのふとももをちょっとつねって仕返しする。「い、いたた‥‥」って姉ちゃんが困ってるけど知らないっ。姉ちゃんの方から先にお尻叩いたくせに、謝っても許してくれなかったくせに! 姉ちゃんなんて、ミカンもお餅も食べられないお正月になってしまえばいいんだっ!
「こら、ゆっくん! お尻叩いたのは悪かったけど‥‥ゆっくんもお菓子とおミカン全部食べちゃったんだから仕方ないでしょう」
「謝ったじゃないか、なのにっ、姉ちゃんのバカバカっ」
「そうじゃないの。他は食べていいから、3つだけ私にも残しておいてね、って約束したじゃない。なのにお約束破ったから私は怒ってるの!」
「うぅ‥‥し、知らないっ‥‥」
姉ちゃんの顔が見れなくてそっぽを向く。「ほら、また『知らない』って‥‥」って姉ちゃんが叱ってきてまたお尻叩いてくる。うぅ‥‥だって‥っ、謝ってるのに叩いた姉ちゃんが全部悪いんじゃないか!
お正月で姉ちゃんがお菓子いっぱい用意してくれたからつい食べ過ぎちゃって‥‥。全部なくなってから姉ちゃんの分も食べてしまったのに気付いたけど、そんなの、もうどうしようもないのに姉ちゃんは許してくれなかった。わざとじゃないのに、「罰よ、お尻出しなさい」って。「ごめん」って謝ったのに、ぱんつ脱がされて一発バチンって!
腹が立ったから、姉ちゃんがいっつもお正月にお供えしてる綺麗なお餅も食べてしまえって思った。悪いことだって分かってたけど、姉ちゃんのせいだって思って全部食べた。「なんてことするの!」って買い物から帰ってきた姉ちゃんにすごく怒られたけど、二度と謝ってあげるもんかって思って無視したら「もう一度お尻出しなさい!」って今度はお膝に載せられて、一回なんかじゃ許してもらえないお仕置きになっちゃった。
「まったく、大事な鏡餅食べてしまうなんて。年神様が泣いてるわよ?」
ばちんばちん ぱんっぱんっ ばちんっ!
「うぅっ、知らないっ、バカっ、姉ちゃんのバカっ‥‥」
姉ちゃんが説教といっしょに何度もお尻叩いてくる。痛くない!って我慢しててもやっぱり痛くって、お尻も逃げるように動いてしまう。
「みんな鏡開き楽しみにしてたのよ。謝りなさい、ゆっくん」
ぱぁんっ ぱぁん ぺしん ぺちん ぺちぃんっ!
「あぁっ、やぁっ、いたぃっ‥! いたっ、やだっ、やだぁっ‥!」
でも逃げたお尻もすぐ戻されるから、お尻休ませてももらえずに叩かれて、我慢できずに手とか脚とかじたばたして姉ちゃんに抵抗する。
「暴れないの。ほら、いい加減謝りなさい」
ぱしんっ ぱちんっ ぱんっ
「い‥‥いやだっ‥‥えぐっ‥‥」
ぺんっ ぺちんぺちん ぺしんっ
「泣くくらいなら、どうしてこんなイタズラするの」
ぱんっぱんっ ぱちんぱちんっ
「な、泣いてなんかっ‥‥ひぐっ‥‥うぇぇ‥‥」
うぅっ‥‥泣いてないのにっ、泣きたくなんかないのにっ。でもっ、目が潤んでしゃっくりが止まらない。お尻が焼けるみたいに痛くて、もう逃げたくっても姉ちゃんが抑えてきて許してくれない。
もうやだっ、お尻やだっ! 涙がどんどん溢れてきて、もう泣き声も我慢できなくて止まらなくなってきた。
「ふえっ‥‥やだ‥‥っ! 姉ちゃん、もうやめて、やだぁぁ‥‥っ!」
ぱしんっ ぱしんっ ぱちんっ!
「じゃあ、なんて言うの?」
ばちんっ ばちんっ ぺんっぺんっ
「うぅっ‥‥やだっ‥‥言いたく‥‥ないっ‥‥」
ばちぃんっ! ばっちぃん!
「だめ、言いなさい!」
ぺちぃんぺちぃん ばんばんばしんっ!!
「やっ、やあぁぁっ!!」
お尻いたいいたいいたいぃぃっ‥‥‥!! お尻にすごく痛いのが連続で降ってきて大声をあげて暴れてしまう。
もう許してほしい、でも謝りたくないっ! でももうお尻我慢できない、やだやだもうやだぁっ!
「もう、どうして謝れないの。ゆっくんったら!」
「ふえぇぇっ‥‥ひっく‥‥」
泣いてたら突然お尻を叩く手が止まって、代わりに可愛がるみたいになでられる。頭も優しくなでられて、何が何だか分からなくなる。
「ほら、頑張って謝って。お尻真っ赤になって可愛そうでしょ?
これ以上ゆっくんのお尻叩かせないで」
だんだん姉ちゃんの声が悲しそうになってくる。
「私が悪かったわ。ひどいことしてごめんね。
でも、ゆっくんが謝ってくれないと、お仕置きやめるわけにはいかないの。
お願い、謝ってゆっくん」
なんで‥‥? 姉ちゃんなんかキライって思ってたのに、何だか姉ちゃんに泣いてほしくないって気持ちでいっぱいになる。謝らないって決めてたのに、早く謝らないとダメって思ってしまう。
「ゆっくん‥っ、ごめんね‥‥っ‥‥」
あぁ‥‥泣かないで、姉ちゃん。ごめんなさい。
胸が苦しくて、泣きたくなって、気付いたら姉ちゃんに謝りたくて力いっぱい叫んでた。
「ご、ご、ごめんなさぁぁいっ!! 姉ちゃ‥、悪い、こと、してっ、ごめんなさぁいっ!!」
もう何でも良かった。これ以上姉ちゃんを困らせたくなかった。目を瞑って、姉ちゃんの着物にしがみついて謝ってた。
「ふふっ、やっと言えたわね。よしよし、ごめんね、お尻痛かったね」
気付いたら抱き上げられて、姉ちゃんの胸に抱かれてた。強く抱きしめられて、頭もさすさすとなでられてた。
「うぅっ‥‥ごめん‥‥なさい‥‥ぐすっ」
「いいのよ、もう怒ってないからね。よしよし」
泣いてた姉ちゃんの声は明るくて、何だかよくわからなかったけど、「よしよし」ってされるとただ泣きたくてたまらなくなって。何でもいい、姉ちゃんに甘えたくって、ずっとそのまま姉ちゃんの胸で泣き続けてた。
***
「うぅ〜〜っ‥‥姉ちゃんのバカぁ‥‥」
「よしよし、ごめんねゆっくん。痛かったね、なでなで」
「姉ちゃんなんか嫌い、キライ、大きらいっ」
「はいはい、ごめんね〜。よしよし」
姉ちゃんが機嫌を取ろうと頭なでてくるけど、そんなの知らない! お尻だってまだ痛いし、最後はあんなに泣かされたのに姉ちゃんは嘘泣きだったし。ひどいよ!
ごめんなさい、もうしないって何度も謝って、やっとぱんつも履かせてもらえたのに、姉ちゃんは笑顔で「私も嘘泣きなんかしてごめんね、許してね?」って。こんな姉ちゃん最低だよ、やっぱり姉ちゃんなんかキライだ!
「ごめんね、ゆっくんああでもしないと謝ってくれそうになかったから」
「うぅっ、ずるいよっ、姉ちゃんのバカバカっ」
「よしよし、抱っこしてあげるから許してね」
後ろから抱きついてきてギューって抱きしめられる。もう、姉ちゃんのバカっ、こんなことされたら怒れないじゃないか、ばかばかっ。
「うぅ‥‥姉ちゃんなんか知らない」
「はいはい、ごめんね。今から一緒に遊んであげるから、機嫌直してくれる?」
「え、やだっ‥‥今離れたら怒るから」
姉ちゃんが離れようとしたから、ギュッと腕に抱きついて引き留めた。自分から抱っこしてきたくせに、勝手に離れるなんて許せない。逃がすもんかって、姉ちゃんに意地でもくっついた。
「あらあら‥‥ごめんね、ゆっくんは抱っこの方が嬉しかったみたいね」
「し、知らないっ!」
「はいはい、よしよし」