ぺちSS板
つくしんぼハルナ(f/m)
「じゃあ陽くん、覚悟はいいわね?」
「ま、待って。待ってよ!」
「こら、暴れない!」

 春奈ちゃんがとんでもない事をしようとしてくる。必死で暴れて逃れようとするけど、小柄なこんな僕じゃ女の子の春奈ちゃんにも適わない。
 寝巻きの袖を掴まれて引っ張られ、お布団の上に正座した春奈ちゃんの膝にあっという間に乗せられる。そのままイヤイヤする背中をあっさり押さえられて、僕は子どもがじたばたするくらいの抵抗しかできなくなる。
 ずっとお隣さんでケンカしたことも無かったから‥‥知らなかったけど、僕と春奈ちゃんでこんなに力の差があるなんて。お尻を叩かれるなんてお仕置きをされる自分が惨めで情けなくなってきた。

「やめてよ、こんなの‥‥」
「あら、寒いから温めてほしいって言ったの陽くんでしょ? たっぷり温めてあげるから、覚悟してね」
「‥‥ごめんなさい。もう変なこと言わないから」

 うぅ、こんなことになっちゃったのは僕のお願いが原因。
 僕はもともと喘息持ちで、親から運動を止められてるから体は病弱そのもので。それで今日も学校を休んだ僕を心配して、お見舞いに来てくれた春奈ちゃんが「今日は陽くんが元気になるまで何でもしてあげる」って言ってくれた。
 それで‥嬉しくて僕はつい‥‥調子に乗りすぎちゃったみたい。

「変なこと? 陽くん、どのセリフが変だったと思うの? 私に添い寝してほしいって言ったこと? それとも私の胸の中で寝たいってこと? それとも‥」
「あぁっ、言わないで! ごめんなさい!」
 恥ずかしすぎてもう聞けないよ。わざわざ小言みたいに聞かせるなんて、春奈ちゃん意地悪。

 ただ僕は、春奈ちゃんが何でもしてくれるって言ったから、色々お願いしてみただけなのに‥‥。
 まず最初のお願いは『手を握って』。言うとおりにしてくれたから、次は『髪撫でて』。『おでこくっつけて熱計って』。そんな風にお願いしてたら次第に要求が大胆になってきちゃって。『ほっぺにキスして』とか『お薬、口移しで飲ませて』とか‥‥。最後に『人肌で温めて』なんて言った瞬間、「いい加減にしなさい!!」って春奈ちゃんが急に鬼になってお尻ぺんぺんを宣告されて、いつの間にかこんなことになっちゃった。


「うぅ‥‥やめて、お尻なんてやめて」
「もう、やめてばっかり。陽くん、全然反省してないでしょ」
「したよっ! もう言わないよ。だからいいでしょ」
「だめ。反省の色が見えない。お尻出して叩こうか」
「あっ!」
 春奈ちゃんの手がパジャマのズボンにかかって、そのまま下着ごと一気に膝下までずり下ろされる。
 驚いて止める間もなく、一瞬でお尻を丸出しにされた。
 ひんやりする僕のお尻。春奈ちゃんに見られたと思うと顔と胸がカァーッと熱くなってきちゃう。

「あぁぁ、やだあ! 恥ずかしいよ〜!」
 ばたばた脚でお布団を叩く僕。お尻も手で隠そうとしたけど、「こらっ」って手を叩かれて無理やり前に戻されちゃって。代わりに春奈ちゃんの手がお尻に乗せられて、ますます恥ずかしくてお風呂でのぼせたみたいに顔が熱くなってきちゃった。
「うぅぅ、春奈ちゃぁん‥‥僕、恥ずかしい‥」
「陽くんが悪いんだから仕方ないでしょ。私にあんなことさせておいて、自分は恥ずかしいなんて言うの?」
「あぅ‥‥だって‥」
「陽くんが反省するまでやめないから」
 うぅ‥‥反省するって「ごめんなさい」って言うことじゃないの? 何で許してくれないの‥‥?
 もう何を言っても余計酷いことになるってわかって、僕は涙ぐむしかできなくなる。


 剥き出しになった僕のお尻を優しくなでさすってくる春奈ちゃん。円を描くみたいにすりすりって、まるでお尻いい子いい子されてるみたい‥‥。恥ずかしくてそんなこと思ってたら、「本当、悪いお尻なんだから‥‥」って、悪い子扱いされちゃった‥‥。
 あぁ‥‥これからお尻叩かれちゃう‥‥っ。なでなでする春奈ちゃんの手が「覚悟しなさい」ってお尻に言い聞かせてきてるみたいで、怖くて肩からお尻までふるふると震えてきちゃう。
 恥ずかしさと怖さがぐるぐる回って押し潰されそうになって‥‥。目をつむってそれに必死に耐えようとしていたところで、ぺちんと軽くお尻を叩かれてハッと我に帰った。同時に春奈ちゃんの声が上から降ってくる。

「それじゃ陽くん、これからさっきのお仕置きとしてお尻ぺんぺんします。お尻丸出しだから‥‥多分すっごく痛くて泣いちゃうと思うけど、ちゃんと最後までお尻突き出して我慢すること、いい?」
 そんなのやだ、って思ったけど、お尻なでてる手が怖くて頷くしかできない僕。
「‥そんなに痛くしないで‥‥。ちゃんと我慢するから‥‥」
「だめ。とびっきり痛くするから。お尻痛いの我慢して、よ〜く反省しなさい」
 そう言って、お尻から春奈ちゃんの手が離れていく。
 手の温もりがなくなったお尻はスースーして、何だか寂しくなってきて‥‥。お尻ごと身体をもじもじしちゃった瞬間、何かがすごい勢いで僕のお尻にぶつかってきた。

 ぱぁっちぃーん!!

「〜〜っ!!?」
 思いっきり身体がはねそうになるのを、背中に手を置いている春奈ちゃんに無理やり押さえつけられた。
 何‥‥っ、今の‥‥? これがお尻ぺんぺんなの‥‥?
 すごく痛くて‥‥‥叩かれたところがじんじんして‥‥「痛い」って声も出せなくて、代わりに喉が震えて涙がじわっと目にたまってきた。

「陽くん‥‥言っておくけど、お尻逃げようとしたらひどいからね。ちゃんとお尻は突き出しなさい」
 ちょっとお尻もじもじしちゃっただけなのに、すっごく怖い声で叱られる。
 そんな‥‥逃げるどころか、お尻動かしちゃうのもダメってこと‥‥?
 怖くて身体をビクビクさせる僕に、お尻を軽くぺちぺちして「早くしなさい」ってまた叱りつける春奈ちゃん。何のことかわからなくて黙っていたら、無防備なお尻に次の矢が飛んできた。

 ぺっちぃーん!!

「ひくぅぅっ!?」
 今度は左のお尻にさっきのすごく痛いのが襲ってくる。身体を押さえられたままお布団の上で脚だけがはねて、お尻が後からヒリヒリ痛んできちゃう。
 こんなの絶対耐えられない。お尻が痛いし熱いしジーンって痺れちゃってるし、もう両方のお尻がそんなだし。これで次叩かれたら‥‥。
 つーっと何かがほっぺたを伝っていくのを感じて、怖くなって自分が泣いちゃってることに気づいた。

「早くお尻を元の場所に戻しなさいって言ってるの。さっきもじもじした時、お尻ちょっと横に向けたでしょ」
「えっ‥‥知らない‥‥‥やっ、ひあぁぅっ!!」
「知らない、じゃないの! 戻さないならお尻無理やり突き出させてあげようか!?」
 すっごく怖い声と一緒にお尻叩きがバチーンバチーンと連続で降ってくる。あぁ、痛いっ‥‥痛いぃっ! 痛みが引く前にお尻ぺんされるのを繰り返されて、痛くて我慢できなくて背中を仰け反らせて悲鳴をあげてしまう。
 こんなに痛いなんて‥‥っ!! 叩かれるたびにお尻が熱く焼かれてるみたいで、「あぁっ、やぁっ!」って勝手に変な声が漏れてきちゃう!

「痛いっ痛いよ痛いよぉ!! やだぁぁ、痛いってば春奈ちゃぁんっ!!」
「痛いじゃないでしょ! 言うこと聞けないの!?」
 お尻逃げたから怒られてる‥‥! お尻ぺんぺんの嵐の中、春奈ちゃんの一喝で何とかそれだけは解って、お尻の痛みから逃れたくて必死にお尻を戻そうとする。
 でも、でも元の場所がどこだったかなんて覚えてなくって‥‥! 何とか思い出そうとしてるうちにも容赦なくお尻に平手が降ってきて、もうだんだんお尻が今どこにあるのかもわからなくなってきて‥‥。
 あぁ、痛くて何も考えられない!

「うわぁん! 痛い痛いお尻痛いぃ!! もうやだお願い許してー!!」
「じゃあ早くお尻を戻しなさい!」
「痛ぁぃ! どこかっ‥全然、わかんないよぉ!! 助けて春奈ちゃぁん!!」
「‥もう、手がかかるんだから‥‥」
 大声で泣き叫んで何度も何度もお願いして、やっと春奈ちゃんは手を止めてくれた。

 あぁぁ、痛いよぉ‥‥。ぺんぺん地獄から逃れたお尻はズキズキじんじんしてひどく痛んでて、自分のお尻じゃないみたいに熱くなってて。
 涙はぽろぽろと後から後からこぼれてきて、しゃっくりをあげながらすすり泣くしかできなくて。
 これでまだ終わりじゃないなんて、気が遠くて頭がおかしくなっちゃいそう。

「ひぐっ、えぐっ‥‥あっ‥やぁぁっ‥‥」
 でも、春奈ちゃんはゆっくり泣く暇も与えてくれない。いきなり腰辺りを抱えられて、そのまま身体がぐいって春奈ちゃんの方へ引き寄せられちゃう。
 お尻を元の場所に戻そうとしてるみたい。ちょっとお尻を前に押されて、ちょうどお尻がお膝の真上に来るように移動させられる。お腹が寝そべってるお布団にくっつくくらい前に動かされて、最初に載せられた時みたいに嫌でもお尻を高く突き出す姿勢にされちゃった。

「んしょ‥っと。うん、これで良し。陽くん、いい? お仕置きの時のお尻はここ。次からは言われなくても自分で戻しなさい」
「ひっ‥ぐっ‥ふぇっ‥‥」
「ほら、お返事は?」
「ひくっ‥‥はい‥‥っ」
 パチンとお尻を叩いて叱られて、涙ながらに返事を返す僕。うぅ、恥ずかしい。それだけで、痛くてどっかに飛んでた恥ずかしさがまたじわじわこみ上げてきた。

 同い年の春奈ちゃんに無理やりお膝に乗せられ、お尻を丸出しにされて。
 裸のお尻をイヤってくらいなでられた後に、バチバチ叩かれてみっともなく泣かされちゃって。
 その上お仕置きの姿勢を細かく言われて怒られて、泣く泣く言うとおりにするしかないなんて。

 自分があまりにも情けなくて、もう恥ずかしくて死んじゃいたくなる。ぺちんぺちんって、再開されるお尻叩きの痛みも合わさって、「ふえぇ‥‥」って変な声があがって止まらなくなっちゃった。

「うっ‥うっ‥ひぐっ‥‥ふえぇぇ‥‥っ‥‥」
「陽くん‥もう泣いちゃったの? でもダメ、お仕置きはこれからなんだから。泣いたって、許してなんかあげないから」
「ふぇっ、痛いっ‥‥もっ‥やだ‥ぁっ‥‥!」
「お尻叩かれるようなことしたのは誰なの? ヤダヤダばっかり言って、反省もしないからお尻叩かれてるんでしょ!」
「いたぁぁぃっ!! えぅっ‥‥うぅ〜‥‥ふぇぇっ‥」
 怖い声できっぱりと返される。お尻にも一発強いのが飛んできちゃって、引いていた涙がまた滲んできちゃう。

 うぅぅ、反省って言われても、どうしたらいいのかなんて解らないよぉ。だって‥‥今までだって春奈ちゃんに怒られることはあったけど、ちゃんと謝ったら「もう、しょうがないなぁ」って言って許してもらえたのにっ。だから今も許してほしくて、たくさんたくさん謝ってるのに、今日は全然許してくれないなんて。
 お尻叩かれたくない、だから反省したいのに‥‥‥許してほしいのに‥‥‥うぅ、どうすれば反省できるの?
 何も解らなくて、お尻痛いのも恥ずかしいのも我慢して、すんすんとお膝の上で泣くだけしかできない僕。


 一定のリズムで左右のお尻を交互に叩かれて、最初ほど力は強くないけど火照ったお尻にはやっぱり痛くって。お尻が弾けるのに合わせて身体もくねくねさせてしまう。
 それでもお尻逃げちゃわないように、逃げてもすぐ戻すように頑張ってたから、さっきみたいに春奈ちゃんに叱られることはなくなって、代わりに時々お尻を優しくさすってくれるようになった。

「うん‥‥大分お尻も素直になってきたみたいね。陽くん、反省できた?」
 すっごい連打をされて、一際強く泣かされた後の休憩タイム。泣きじゃくる僕のお尻をなでなでしながら、春奈ちゃんは優しく問いかけてきてくれる。
 熱〜い焼き卵みたいにされたお尻をなでられるのはすごく気持ちよくて。「ん‥‥」ってお尻もぞもぞしながら、ついお膝に甘えちゃう。ずーっとなでてほしい感じ。
「ほら、陽くん。甘えたいのはわかるけど、お返事しないと」
「ふぁっ! ご、ごめんなさい‥‥」
 また軽くぺちんして叱られる。なでなでが止まって、心地よかった時間が消えてっちゃう。
「‥あっ‥‥春奈ちゃん、お尻なでるのやめないで‥‥」
「もう‥‥まだお仕置きは終わってないよ。甘えるのは後。ほら、反省はできたの?」
「う、うん‥‥」
 できてない、って答えたらまたぺんぺんされちゃいそうで、素直に頷く僕。春奈ちゃんは「そう」って一言だけ言って、またお尻なでなでしてくれる。うん‥‥お尻落ち着いてくる‥‥。もっと‥‥。

「それじゃ、何を反省したのかちゃんと言えるよね? 言ってごらん」
「‥えっ?」
 しばらくそうやってお尻の感触に浸っていたら、突然そんなこと言われた。
 何のことかわかんなくて思わず春奈ちゃんの方を振り返る僕。目が合った春奈ちゃんはまだ少し厳しい顔をしてて、ちょっとビクッとしちゃう。
「『えっ?』じゃないでしょ。反省したんでしょ? だから、何を反省したのか教えなさいって言ってるの」
「何を‥‥反省‥‥?」
「まさか、何もわからないのに反省したなんて言ったんじゃないよね」
 答えに詰まる僕を見て、春奈ちゃんの表情が険しくなる。同時にお尻をさする手も止まる。
「あ‥‥あぅ‥‥えと‥‥」
 焦って何か言おうとするけど、何も思いつかなくてお布団の上であたふたする僕。
 「何を」って何? 「反省」って、何かをするものなの? 
 わかんない‥‥どうしよう‥‥どうしよう‥‥えと、えとえとえと‥‥。

 ぱっちーん!

「いたぁぁい!」
 特大のぺちんで、ぐるぐるしてた頭の中が一気に弾けた。

「そう。何も反省してないの。お尻真っ赤になったのに、これくらいじゃ反省できないのね、陽くんのお尻は」
「やっ‥‥違う、違うのっ! 僕、そのっ、反省ってよくわかんなくて‥‥っ!」
「わからないのに、お尻ぺんされるのがイヤで、反省したなんて嘘ついたんだ?」
 春奈ちゃんの声が怖くなってくる。や、やだ‥‥もうお尻やだぁ!
「ご、ごめんなさい! ごめんなさいっ!」
 これ以上お尻叩かれたくなくて、泣いてごめんなさいする僕。でも春奈ちゃんはそんなのちっとも聞いてくれなくて、
「それじゃ、反省できるように次のお尻ぺんぺんは厳しく行こっか」
 なんて言われて、今からお尻がもっとひどい目に遭うことになっちゃった。


「あぁっ、やだぁ!」
 ギュッって腰を左腕で強く抱え込まれて、逃げられないように身体を春奈ちゃんのお腹あたりにくっつけられる。そばにあった枕をお膝と僕の腰の間に差し込まれて、無理やりお尻をもっと上に突き出す姿勢にされちゃう。
 なっ、何するの? 怖いよやめて春奈ちゃん‥‥っ!
 じたばたしても春奈ちゃんの腕からは抜け出せなくて。しっかり僕を押さえつけて、右手に「はぁ〜」って息を吹きかける春奈ちゃん。そのまま散々叩かれて弱りきったお尻に、息も止まるような連続ぺんぺんが襲ってきた。

 ばちんばちん! べちんべちんっ! ばしん ばちん ぱちん ぺちぃん!!

「あっ、あぁっ! 痛っ‥‥痛ぃ痛いいたぃぃぃぃぃっ! やだぁぁ痛いよ〜〜っ!!」
「こら! 陽くん、お尻戻しなさい!」
 痛くて痛くてすぐ我慢できなくなって、大きな声で泣き叫びながらじたばた暴れ出しちゃう。
 あぁ、このお尻ぺんぺんやだぁ! 痛いのが止まらないぃ!
 どれだけお尻をギュッて硬くしても痛みはどんどん降り積もってきて、すぐに耐えられなくなっちゃう。お尻戻さないといけないってわかってるのに、叩かれたくなくて逆にお尻を逃げる結果になるだけだった。

「お尻っ、戻しなさいって、言ってるの、わからないのっ!?」
 ばちぃん! ばしぃっ! ばしぃん! べちぃぃん!
「ひっ、あっ、あぅっ! うえぇぇっ‥‥うわぁぁんっ!!」

 身体が震え上がっちゃうほど強く叱られて、お尻を叩く手がどんどん強くなってきて‥!!
 痛い痛い死んじゃう〜〜っ! 怒らせたくないけどお尻勝手に逃げちゃうぅぅ!
 必死でお尻を手でかばおうとするけど、春奈ちゃんの腕に邪魔されて届かなくて。脚もバタバタして何とかお尻を守りたいけど、お尻の位置が高くて上から降ってくる手の軌道は止められなくて。
 お尻だけでも精一杯振って逃がそうと思っても、どこに逃げても春奈ちゃんの手は追いかけてきて的確に僕のお尻を捉えてきた。

 ばちぃぃっ! ばぁぁん! ぱちん ぱちん ぱぁん ぱぁん ぱちぃぃん!!

「ひぎぃぃぃっ!! うっ、ふぇっ、ひっ、わぁぁぁん!! ごっ、ごめんなさぁぃ!! ごめんなさぁぁぁぃ!!」
 もう何が何だか解らなくなってきて、目一杯布団のシーツを握り締めて、狂ったように泣き叫んだ。
 暴れるお尻は自然と大人しくなっていって、ふるふる震えるしかなくなって。無抵抗になったお尻を無理やり戻されてももう逃げることもできなくて、ただ黙ってお尻を叩かれるしかなくて。
 喉が枯れて次第に泣き叫ぶこともできなくなって、小刻みに息を吸うことだけで精一杯になって。
 もう許してほしくて、やめてほしくて、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら謝り続けることしかできなかった。


「陽くんっ、私が、何で怒ってるか、全然、わかって、ないんでしょ!?」
 ばしっ ぴしゃんぴしゃんっ ぱんっぱんっ べちっ ぺちんぺちんぺちぃぃん!
「ひぐっ‥ごっ‥ごめっ‥なさっ‥ごめんっ‥なさ‥いっ」
 だんだんお尻がなくなっていくような感じがする。涙で前が全然見えない。

「陽くんのっ、バカっ! 何でっ、何でっ、わから、ないのっ!」
 ぱちんっ ぱちんっ ぱぁんぱぁん ばちん ぱちぃん!
「えっ‥えくっ‥ごめっ‥なさ‥ひくっ‥ひぐっ‥」
 ずっと遠くから春奈ちゃんの声が聞こえてくる気がする。なんだか、春奈ちゃん、泣いてる。

「陽くんっ、私、お見舞いに、来たのよっ!?」
 ‥ぁ‥なんだか‥胸が‥苦しく‥なってく‥。
「陽くんに、元気に、なって、ほしい、からっ!」
 ‥ぁ‥ぁ‥ごめん‥なさい‥僕‥僕‥。
「恥ずかしい、のもっ、我慢、してた、のにっ!!」
 ‥‥うぅっ‥僕っ‥それを面白がって‥‥。
「なのにっ、陽くん、ったらっ、エッチな、ことっ、ばっかり!」
 ‥ごめん、ごめんなさいっ、春奈ちゃん‥‥っ。
「陽、くんの、バカっ!! ちょっとは、反省、なさいっ!!」

 ぱちぃん! ぱちぃん! ばちんばちん ぴしゃん ぱちぃぃぃーんっ!!

「ごめっ、ごめんなさぁぁぁいっ! ひぐっ、春奈、ちゃんっ、僕っ、ごめんっなさぁぁぃっ!!」
 枯れた喉から精一杯声を絞り出して、色んなごめんなさいの気持ちを込めて、力一杯泣き叫んだ。もうどうなってもいい、ただごめんなさいって伝えたくて、喉が焼け付くくらいに謝り続けた。



「ひっ‥くっ‥ひぐっ‥ひぐっ‥」
 どれだけ謝ったのかわかんなくて、声も出なくなって、めそめそ泣くだけになったけれど‥‥もうお尻に手は飛んでこない。
 腰が下がって、身体が引っ張られる感じがするけど‥‥涙で何にも見えなくて、どうなってるのかもわからない。‥‥でも、もう泣く必要はなくなったんだってわかる。
 遠くで、痺れて何も感じられなくなったお尻に、ほんの少しだけ温もりが加わったような気がした。

「陽くん‥‥痛かった? ごめんね‥‥。もう、我慢しなくていいよ‥‥ごめんね‥‥」
 すごく落ち着く声が聞こえる。頭にやわらかいものが載せられて、さわさわとなでられる感触がする。
 優しくて‥‥あったかくて‥‥眠っちゃいそうなほど気持ちいい。
「ひくっ‥‥ひくっ‥‥」
 春奈ちゃん‥‥ごめんなさい‥‥。何にも気付かなくって‥‥怒らせちゃって、ごめんなさい‥‥。
 なでられながら、胸の中でたくさん謝ってると‥‥悪いことしたって気持ちがどんどん溶けちゃっていくようで。もう許してもらえたんだって、満たされた気持ちでいっぱいになってく。
「陽くん‥‥いい子‥‥」
「‥‥ひっく‥‥ひっく‥‥」
 あぁ‥‥もっとなでてほしい。もう‥‥ずっとこのままでいたい。
 そうして僕は大好きな春奈ちゃんにあやされながら、ずーっとこの時間が終わらないで続いてくようにと願って、ゆっくりと眼を閉じて幸せな夢の世界へと落ちていった。
お茶K
2010年03月07日(日) 15時05分54秒 公開
■この作品の著作権はお茶Kさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
すみません、新作完成までもう少しかかるため、完成までのつなぎにこちらの投稿を。
前作よりスパシーン重視、いや完全にスパのみSSですが、それだけにスパ描写には気合を入れています。
えふえむと言えばお母さん・お姉さん/男の子ですが、たまには同い年カーさんも良いですよね。

この作品の感想をお寄せください。
>通りすがり さん
感想感謝です♪
今作では春奈ちゃんのお怒りもあり、ほのぼのムードでちょっぴり厳し目のお仕置きを演出してみました。次作ではもう少し厳しいスパになるので良ければどうぞ。
OKサインが出たということは‥‥構想完了で現在書き起しに入っている次回作も、翌週までには投稿してもOKと勝手に解釈させていただきます(えぇ
お茶K(復旧コメント) ■2010-09-15 14:49:14
素晴らしい。
個人的にはほのぼのスパより厳しいスパが好みですがこれはOK。
次作もワクワクして待ってます。もうすぐなのかな?
通りすがり(復旧コメント) ■2010-09-15 14:48:58
ウィツさん
感想ありがとうございます♪
春奈ちゃんは病弱な陽くんのお世話役ということで、面倒見が良いお姉さんタイプになっちゃったご様子。
ほのぼのなスパと可愛らしい表現はお茶Kの趣味なので楽しんでもらえたら幸いですw
ではっ!
お茶K(復旧コメント) ■2010-09-15 14:48:37
同い年シチュですがカーさんがしっかりしてておねーさんぽいですなっ!!
あまあまだったり厳しかったりの飴と鞭がグッドですっ!!
表現も可愛くて大好きですーっ!!
ウィツ(復旧コメント) ■2010-09-15 14:48:24