セルフスパ中はご用心(F/m) |
梅雨入りとなり、雨がしとしと降り続き、まだ日も暮れてないのに暗く感じる外の景色を見ながら、平助(へいすけ)は途方に暮れていた。1階の自分の部屋の学習机に向かい、一応宿題をしようと鉛筆を持っているのだが、どうも集中できないようであり、 「団馬(とんま)くん・・・かわいそうだったな。」 こんな風にポツリポツリと一人の友達の名前を繰り返し呟いていた。 団馬は、4月から小学4年生になった平助のクラスにやってきた転校生で、ここ数年空家となっていた平助の家の隣に引っ越してきた少年である。 活発で明るすぎるといっていいくらいの性格の団馬に、最初は戸惑いを見せた平助であったが、すぐに仲良くなり、今ではほぼ毎日、学校に行くのも帰るのも一緒である。おとなしい性格の平助にとって、今まで同じようなタイプが周りにいなかったせいか、団馬の存在は新鮮であった。 運動神経は抜群であるが、勉強はイマイチ。そして何よりイタズラが大好きであり、女子にスカートめくり、クラスメイト(平助や先生も含む)の背中に張り紙、そして教室入口に黒板消しを仕込んで先生の頭の上に落とすなど、最近では誰もやらないような事を楽しそうにやっていた。 そのため、月一ペースで団馬の親が学校に呼び出されて注意を受けており、その度にきつく小言を言われてうなだれている団馬を平助は何回か見てきたが、しばらくすると怒られたことを忘れたかの如く、また元に戻る団馬に対して周囲は呆れているものの、平助は半ば尊敬する感じで彼と接していたのだった。 そして、そんな平助に団馬の母親である舞子(まいこ)はすごく感謝している。 背が高く、均整のとれたプロポーションと肌のツヤはとても30代の女性には見えない専業主婦であり、引っ越した直後の挨拶回りでは、礼儀正しく、団馬も受継がれたのであろう明るい性格に近所に住む老若男女とすぐに打ち解けた。 さらに、平助の母親がゴールデンウィークに単身赴任地から帰省した時も挨拶に訪れ、同い年で話題も合ったのか意気投合し、今では良きメル友仲間である。よって、団馬と平助の知らないところで何かと母親同士で情報交換されていることもあり、舞子は平助に対してはよりフレンドリーに接し、平助もまた、色んなお世話をしてくれる舞子の優しさにすっかり心を許し、彼女を「舞子おばさん」と呼び慕うのだった。 こうして、短期間に親友となった団馬と平助、そしてそれを温かく見守る舞子。 しかし、そんな団馬に対し、ついに舞子の堪忍袋の緒が切れてしまう。 それはつい数時間前のことだった。 学校から帰る道中で、団馬と平助は田んぼの周辺にいるたくさんのカエルを見つける。あまりの多さに二人は珍しがりながらも、小雨の降る中、これでもかという勢いで数十匹のカエルを捕まえてビニール袋に入れた。 「団馬くーん。ほら、こんなにとっちゃった!」 「俺も!」 そう二人で捕ったカエルの見せあいっこをして楽しんでいた。すると、平助はふと思う。 「でも、こんなに捕まえてもしょうがないよね。水槽に入れても狭くてカエルが嫌がるだろうし・・・。」 「うーん、そう言われリゃそうだけど・・・。」 「逃がしてやろうよ、団馬くん。」 平助はそう団馬に呼びかける。すると、 「いや、待て待て平ちゃん。それだったら全部俺にくれよ。」 「え?」 「大丈夫。最後にはちゃんと逃がすからさ。」 「それだったらいいけど、一体何するの?」 「えへへ、それはまだ内緒。じゃ、俺んち行こう!」 そう言って団馬は平助からカエルを全てもらうと、傘もささずに走り出す。 「わー!待ってよ、団馬くんってばー。」 平助は後を追った。 「ハア、ハア、ハア・・・。」 平助は息を切らしながらも、ようやく団馬の家の前に着くと、団馬は傘をさしながら仁王立ちして待っていた。 「遅いぞ、平ちゃん。」 「団馬くんが速いんだよ。もう、なんなのさ。」 「まあまあ、今準備ができたところさ。」 「準備?」 「うん、ま、見ててよ。これから母ちゃん呼ぶから。」 「へ?舞子おばさん?」 平助が首を傾げる中、団馬は玄関のドアを開けると、 「母ちゃーん!ちょっと外に来てー!」 玄関から団馬が大きな声で舞子を呼ぶと、舞子の返事を待たずにそのままドアを閉める。 「へへへ、これでよし。」 「ねえ、そろそろ教えてよ。カエルはどこにやったの?もう逃がしたの?」 「ううん、これから逃がすのさ。」 「???」 ますます訳がわからなくなる平助。すると、 ガチャ 「なあに、どうしたの団馬?こんな雨の中で二人で何やってるの?」 そう言いながら、ベージュのブラウスにロングスカートさらにピンクのエプロンをつけた舞子は玄関のドアを開ける。そして、手にしていた花柄模様の傘を開いた。 バサッ、ボタボタボタッ 「キ、キャー!キャー!!キャーッ!!!」 舞子の目の前に、カエルが傘の中からポトポトと落ちてくる。おそらく30匹以上はいるのではないか。その中の数匹は逃げ、数匹は舞子の頭や体にくっついてくる。 「キャー!取ってー!取ってー!!」 「もう、何やってんだよ!団馬くん!」 「やったね、大成功。母ちゃんはカエルが大の苦手だからね。昨日、俺に無理やり嫌いなピーマンを食わせたお返しさ。」 満足げな表情をする団馬とは対照的に怯える舞子の周辺にいるカエルを必死で捕まえ、遠くに逃がす平助。それから数分後、ようやく全てのカエルがいなくなり、玄関前でへたりこむ舞子と平助。 「ハアハア、これでもういないかな?」 「フゥ、あ、ありがとう、平助くん。おばさん、本当にカエルだけは駄目なのよ。」 「ハハハ、情けない母ちゃん。」 「団馬くん!これはちょっとやりすぎ・・・。」 団馬のイタズラにさすがの平助も憤りを感じ、団馬に詰寄ろうと立ち上がろうとした。ところが、 「とーんーまー!」 「い、いてててー!!」 その平助よりも、さらに早く立ち上がった舞子は団馬の目の前に立ち、団馬が逃げようとした瞬間にすばやく団馬のほっぺたをつねりあげる。一方、平助は今まで見たことない舞子のすごい剣幕に言葉がでない。 「今日という今日は絶対許さないからね!さっ、来るのよ!」 「いてー、いてー、ふぁ、ふぁなしてくれおー!」 そう言うと、舞子は足早に団馬のほっぺたを引張りながら、家の中に入ろうとする。そして、 「平助くん、今日はもう団馬は遊べないから、また明日遊んであげてね。」 そう最後に舞子は平助に優しい言葉を掛けてやると、そのまま玄関のドアを閉めた。 しばらくの間、ぼう然とその場に立ち尽くす平助。 「団馬くん・・・どうなっちゃうのかな。」 今度は団馬の方を心配し、平助はなんとなしに団馬の家のまわりをウロウロする。すると、閉まっているカーテンの隙間から、衝撃的な光景を目にした。そして音もかすかに聞こえてくる。 バシッ!バシッ!バシッ! 「えーん、痛いよー!」 平助も何度か入ったことがあるリビングの中、椅子に座る舞子の膝の上に、お尻だけ出された団馬がうつ伏せにされ、そのお尻めがけて舞子は何度も平手を振り下ろす。 「団馬くん・・・お尻ペンペンされてるんだ。」 平助は消え入る声でそう言うと、ゴクリと唾を飲み込んだ。 「団馬!転校したばかりで、まだ色々慣れてないと思ったから多少のイタズラには目をつぶってきたけど・・・今日のイタズラは度が過ぎてるわ!母ちゃんだったからまだいいけど、同じ事を他の人にやってごらんなさい!その時はこんなもんじゃすまないからねっ!!」 バシッ!バシッ!バシッ! バシッ!バシッ!バシッ! バシッ!バシッ!バシッ! 「あーん、もうしないからー!勘弁してぇー!」 「駄目!まだまだ許しません!」 団馬のお尻はすでに真っ赤になり、痛々しいかぎりであったが、舞子はまだ手を止めない。それどころか、ここでさらに力をこめてお尻を叩き続ける。 バシッ!バシン!バチーン! バチン!バチッ!バシーン! 「ぎえぇぇー!!」 断末魔の叫びとは言い過ぎであるが、それに近い団馬の叫びに平助は驚き、その場を逃げるように立ち去るのだった。 そして、今、平助はあの光景を何とか忘れようとして宿題を始めたわけだが、さすがに無理があるようで、もはや脳裏からすぐには離れそうにない。すると、時間がたつにつれて逆に思い出してしまっていた。 「団馬くんて、引っ越してくる前はああやって舞子おばさんにお尻ペンペンされてたんだ・・・舞子おばさんの顔、怖かったなぁ。あれじゃ、当分イタズラはしたくなくなるよね。」 そう呟くと、今度は団馬の真っ赤なお尻が平助の頭の中に思い浮かんでくる。 「あんなにお尻叩かれると痛いだろうな、すっごく赤くなってたし。それでも舞子おばさん思いっきり叩いてたもんなぁ・・・。」 さらに、その団馬のお尻を叩く舞子の姿が重なる。 「あれだけ団馬くんが泣き叫んでも、舞子おばさんは容赦ないね。押さえつけられたら、ビクともしないんだもん。さすがの団馬くんも大人の力には勝てないんだな。」 ここで、あの光景が平助の頭の中で完全に思い出された形となったわけだが、平助はさらに頭をひねる。 「もし、あのイタズラをしたのが僕だったら、同じように舞子おばさんは僕にお尻ペンペンしたのかな?」 あまりに唐突であるが、これまで親や大人の人にお尻ペンペンされたことがなく、他人がされるのを見たのも今回が初めてである平助にとって、何かしら興味を持ってしまったという表われと言えよう。 すると、頭の中に浮かんでいた光景で、団馬の姿がそのまま平助に入れ替わる。団馬より少し体が小さいため、より真っ赤なお尻が痛々しい。そう、今度は自分が舞子にお尻ペンペンされている姿を想像してしまったのだ。 ブルブルッ 思わず身震いする平助であるが、その光景は頭から消えない。そして、今度は体も動いてしまう。 押入れの中から座布団を3枚ほど持ってきて椅子の上に敷き、椅子の高さも最高にする。そしていきなり平助は、そこにうつ伏せになった。胸に描かれた白いプリントTシャツの柄が、座布団でほとんど隠れてしまう。 「高さはこんなもんかな?」 座布団の高さは恐らく椅子に座る舞子の膝の高さを想定してのことだろう。平助は自分で納得すると、 「えい!」 ズルッ 今度は、はいていたグレーの半ズボンとブリーフを一気に太腿のあたりまで下げて、自らお尻を丸出しにした。 「フフッ、なんだか緊張する・・・。」 そう言いながら、平助はついに自分の右手をうつ伏せの状態のままゆっくりと振り上げる。間違いない。この体勢は自分で自分をお尻ペンペンするセルフスパンキング。いわゆるセルフスパであった。 「それ!」 ぺシ 「やー!」 ペチ 「たー!」 パシ 平助は気合を入れて自分のお尻を叩く。しかし、当然のようにあまり痛くはない。うつ伏せで力が入らない、無意識に手加減する、何より子供だから非力などの理由があり、予想の範囲内である。しかし、この状況の中で平助は何とか自分がお尻ペンペンされて怒られているという雰囲気をつくろうと色々と考えてみるのだった。 「こら、平助!こんなイタズラしてっ!」 パシッ 「いつになったら、言うことを聞くの!」 パチン 「泣いても駄目!まだまだ許しませんよ!」 ペチッ これまでに、そしてさっき団馬にした舞子のお小言やお尻ペンペン中の叱責を思い出しながら、力を入れて自分のお尻を叩く。さらには、 ペシッ 「痛いよー!」 パシン 「ごめんなさーい!」 パチッ 「もう許してぇー!」 団馬の叫び声もまた再現し、1人2役を試みた。しかし、 「だいぶ感じが出てきたけど・・・それでも泣くほど痛くないな。」 平助のお尻は、ほんのり赤く染まってきているが見た目以上に痛みはない。さすがに子供1人ではこれが限界である。とはいえ大人がセルフスパしても道具でも使わない限り、泣くほどの痛みは自らに与えることはできないであろうから無理もない。 「ふぅ、せめて目薬でも持って来るかな。」 平助があきらめたようにポツリと一言言う。するとその直後、事態は劇的に急変する事に・・・。 ガチャリ 「平助くん、入るわよ。」 部屋のドアが開き、そこから何と舞子が現れた。 「いっ!!」 「えっ!!」 この瞬間、二人の時は5秒ほど止まる。というより、5秒間そのまま動かなくなる。舞子は両手に鍋を持って立ち止まり、平助は椅子の上にうつ伏せになってお尻を出した体勢のままであった。 「あわわわー!!」 平助は我に返ると、高速で椅子から下り、ブリーフと半ズボンをはく。そして何とかごまかそうとただただ舞子に引きつった笑顔を見せる。 「ご、ごめんなさい。チャイム鳴らしたんだけど鳴らないし、玄関の鍵は開いていたし、何度も呼んだんだけど返事がないから、失礼だけど上がらせてもらったの。そしたら、平助くんの部屋から物音がして、ドアをノックしたけど、そこでも返事がないもんだから・・・。」 舞子は戸惑いながら経緯を説明すると、 (し、しまったぁー。チャイムは電池切れでパパが電池をまだ替えてないし、鍵はあの時のショックでかけ忘れてたし、舞子おばさんの声もノックも全然気付かなかったよー。) そう心の中で思いながら自分を責める平助。 「あ、あのね、夕食にシチューを作ったからおすそ分けに持ってきたの。平助くんのパパと一緒に食べてもらおうと思って・・・。」 「え、あ、ありがとう、です。で、でも、パパは今日お仕事でお泊りだから・・・。」 双方ともかなり気まずいのか、会話がかなりギクシャクしているのがわかる。 「そ、そう。じゃあ、これ台所に置いておくわ。ガスは十分注意してね。それじゃ、おじゃましました。」 そう言いながら、舞子は急いで部屋から出ようとする。すると、 「ま、待って!」 平助の言葉に舞子は足を止める。平助もなぜ舞子を引きとめたのか自分でもわからない。舞子はいつもの平助とは違う様子を感じたのか、真剣な眼差しで平助を見つめる。そして、その舞子の顔を見て、平助の口から自然とこの言葉が出た。 「ご、ごめんなさい!!」 舞子は一瞬あ然とするが、すぐに笑みを浮かべ、 「フフフ、どうしたの?急に謝ったりして。」 優しく平助に尋ねる。 「だ、だって、さっき舞子おばさんにカエルで怖がらせたから・・・。」 「え?でもそれは全部、団馬の仕業でしょ。団馬、泣きながら言ってたわよ。一緒にカエル捕まえて、平ちゃんは逃がそうって言ってたのに、それじゃ面白くないからああやって母ちゃんを驚かせたかったってね。」 「うん。確かにそうだけど、でも・・・最初にカエル捕まえようって言ったの僕だから、僕が言わなきゃ団馬くんはあんなイタズラもしなかったし。」 「こーら、平助くん自分に厳しすぎよ。そんなこと言ってたら、どんなイタズラでもちょっとでも関わった人誰もが悪くなっちゃうわ。」 「それに・・・お尻ペンペンもされなかったし。」 「えっ!!」 (し、しまった。言っちゃった。) 平助は話の流れで思わず口を滑らした。それを聞き、舞子は再び真顔になる。 「平助くん。おばさんが団馬をお仕置きするところを見てたの?」 もう平助は正直に答えるしかなかった。 「う、うん。舞子おばさんがすごく怒ってたから、団馬くんが心配になって・・・そしたら・・・あの、窓の隙間から、えっと。」 段々としどろもどろになっていく平助を見て、舞子はフーッと息を吐き、持っていた鍋を机の上に置くと、長い黒髪を手でかき上げながら、ゆっくりと平助に近づいた。そして、 ガバッ 舞子は赤ん坊のように平助を軽々と抱き上げると、そのまま平助の後ろ頭を優しく撫でる。そうすると、平助は無意識に舞子の首から肩付近にしっかりと抱きついた。舞子の大きくて柔らかい胸がちょうど平助の胸にあたり、平助の心臓の鼓動が徐々に激しくなるのを舞子は感じている。 「平助くん、君はとてもいい子です。もう頭が下がるくらいにね。だから、自分を責めるのはやめなさい。」 「・・・・。」 「これで、さっき平助くんがお部屋で何をしていたのかがわかったわ。平助くんは自分のお尻を叩いて自分にお仕置きをしてたのね?」 「・・・・。」 舞子の言葉に平助は無言であったが、コクリと小さくうなづいた。 「それで、一応反省はできたのかなー?」 さらに舞子は尋ねると、 「・・・まだ途中だったから。」 平助はポツリともらす。そしてそれを聞いた舞子は、 「じゃ、最後にもう一つだけ。平助くんは誰にお仕置きされてると想定してこんな事をしたの?ただお尻を叩くだけなら、わざわざ椅子の上でなんて安定しにくい場所でやらないわよね。」 そう最後に質問すると、平助は恥ずかしながらも即答する。 「・・・舞子おばさん。」 自分の名前が平助の口から出たところで、舞子はすぐさま平助にこう言い放つ。 「はい、わかったわ。それじゃ少し整理するわね。確かに平助くんがカエルを捕まえようと言ったことで、団馬がひどいイタズラをしました。だけどこれは、平助くんのせいじゃないわ。本当に悪いのはやっぱり団馬だからね。だから、平助くんが自分にお仕置きする必要はないの。でも、あえて言うならね、いくら友達が心配だからって断りもなしによその家をこっそり覗くのはどうかな?まあこれも団馬のイタズラがなければ、平助くんはこんな事をしなかったと思う・・・だけど、おばさんは心を鬼にします。よって、これからおばさんが平助くんにお尻ペンペンのお仕置きをしてあげる!」 「・・・・!!」 舞子の通告に平助はさらに胸の鼓動が激しくなり、舞子に抱きつく力も強くなる。そして舞子の表情も、ついさっき息子をお仕置きしていたときの厳しい表情に徐々に近づいていく。 「さっ、来なさい。」 そう言って舞子は平助を抱き上げたまま椅子の前に立ち、座布団を全て床に置いてからゆっくりと椅子に腰掛ける。そして、今度は自分の膝の上に平助をうつ伏せにすると、膝から落ちないように左手で平助の背中を押さえた。 「・・・・。」 平助は、ここまで全く抵抗することなくじっとしている。そして、その様子を見て舞子は次の行動に移る。 ズルリ 舞子は平助の半ズボンとブリーフに手を掛け、おもむろに太腿のあたりまでずり下げて再び平助のお尻を露にした。先程行なったセルフスパにより、ほんのわずかであるが赤く染まっている。そして、平助はここでも無抵抗のままだ。 「平助くん、ここまでのところどうかな?自分でお仕置きしたときと比べて。」 舞子が真顔で尋ねる。 「や、やっぱり全然違う・・・かな。」 「そう。」 平助は漠然と答え、舞子は素っ気ない返事をする。だが本当は、平助は色々な事が頭に浮かんでいた。 座布団より舞子の膝の上から伝わる温もりが気持ちいい、さっきは一人でお尻出したけど今度は女の人にお尻を出されて見られることが少し恥ずかしいなどがあるが、この雰囲気ではさすがに正直に言えない平助であった。 そして、お仕置きの準備が大方進んだところで舞子は右手を平助のお尻にそっと置き、再度口を開く。 「あ、そうそう。言い忘れてたけど、お仕置きする理由はもう一つあるのよね。ま、でもそれは平助くんもすでにわかってることだけど・・・。」 「へ?」 思いもよらない舞子の言葉に平助は首を傾げる。 「とぼけても駄目。それだったら、なぜおばさんが家に帰ろうと部屋から出ようとした時に引きとめたの?おばさんにイタズラを謝るため?それだけじゃなかったでしょ?」 「あ!そ、そのー、えっと・・・。」 「思い出したみたいね。でも恐らく、お仕置きが終わった後に平助くんはその事をすごく後悔することになるから。」 「・・・・。」 「ここではっきり言っておくわよ。お尻ペンペンのお仕置きは子供にとってすごく厳しくて辛いものなの。遊びじゃないの。これからおばさんがこの手で、この可愛い平助くんのお尻を力いっぱい何度も何度も叩いて、最後には痛くて当分椅子に座れず、パンツもはけないくらいお尻が真っ赤に腫れあがることになるのよ。どんなに泣こうがわめこうが、おばさんが平助くんが心から反省したと感じるまでお仕置きは終わりません。だから、好奇心だけで安易に考えちゃだめなのよ。わかる?」 「・・・・。」 平助は、舞子のお小言を聞き、恐怖に震え、返事ができないでいた。そして、さっきまで頭の片隅にあった「一度だけでいいから、舞子おばさんにお尻ペンペンされたい」という思いは、この瞬間に心から消える。舞子を引きとめたのは、この思いが大きかったことも理由の一つであったのだ。 そして、平助が事の大きさを理解したと察知した舞子は、震える平助のお尻をゆっくりと撫でる。 「大丈夫。ちゃんと反省すれば、すぐ終わるから。だって、平助くんはとってもいい子なんだからね。」 舞子がそうささやくと、平助の震えは不思議と消えていった。そして、 「それじゃ、始めるわ。」 舞子は平助のお尻を撫でるのをやめ、助の体をしっかりと押さえながら、静かに右手を振り上げる。そして、平助は恐怖を払うかのように思い切り目をつぶっている。舞子にとって予定外であったが、団馬に続いて平助へのお尻ペンペンのお仕置きが始まった。 バシーン! 「ひぃっ!」 舞子の強烈な平手打ちにより、セルフスパとは比べものにならない痛みが平助のお尻を襲う。平助は初めてのお尻ペンペンのお仕置きでの痛みと驚きにより、最近では出した覚えのない大きな声をあげる。 バシーン!バシーン!バシーン!バシーン!バシーン! 「ひぃっ!ひいっ!ひいっ!ひいっ!びいっ!」 さらに続けざまに舞子の平手が振り下ろされ、叩かれるたびに平助は体を跳ね上げようとする。しかし、ガッチリと舞子の膝の上に固定されているため、両足のみがビクッ、ビクッと力なく動くだけであった。さらに、平助のお尻は小さいながらも、まるでお餅のような弾力があり、鋭い音を立てて舞子の手を跳ね返す。そのためだろうか、舞子の手にダメージがほとんど残らないようであり、最初から全力で叩けるという徐々に力を強くしていく団馬へのお仕置きとは全く異なり、平助にとってはより辛いものになっている。 バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! 「うえぇぇーん!痛いよー!痛いよー!」 ついに平助は大声で泣き出した。しかしまだ、舞子は10回程度しか叩いていない。それでも、平助のお尻はかなり赤く染まっており、誰が見ても痛そうに見える。そして、舞子は平助が泣き始めても少しも動揺することなくお仕置きを続ける。 バチーン!バシーン!バチーン!バシーン!バチーン! バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! 「びえぇぇーん!びえぇぇーん!もう許してぇー!」 涙で顔をクシャクシャにしながら厳しいお仕置きに耐える平助。しかし、まだまだ舞子の手は止まらずに黙々と平助のお尻を叩いている。 舞子はこのお仕置きを始める前に決めていたことがあった。それは、お仕置き中に平助くんを叱責しないこと。なぜなら、愛情を込めてお仕置きすれば、団馬の時のような叱責をしなくても、平助くんだったら自然と思いが伝わって、より心から反省をしてくれる・・・そう信じたかったからだ。 こんないい子は本当はお仕置きしたくないと心の片隅に思う中、これがせめてもの舞子の優しさであった。 しかし、お仕置き前に舞子が言った心を鬼にするという言葉の意味を、平助がお尻に叩き込まれるのはこれからが本番であった。 バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! バチーン!バシーン!バチーン!バシーン!バチーン! バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! バチーン!バシーン!バチーン!バシーン!バチーン! バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! 「うえぇぇーん!びえぇぇーん!うわぁぁぁーん!」 平助の泣き叫ぶ声が部屋中に大きく響く。部屋には舞子と平助の二人きり。舞子の膝の上で平助は、すでに真っ赤になったお尻を容赦なく叩かれ、もだえ苦しんでいる。だが、舞子はさらに厳しい目を持って平助を反省させるべく、手を振り上げる。 バチーン!バシーン!バチーン!バシーン!バチーン! バシーン!バチーン!バシーン!バチーン!バシーン! バチーン!バシーン!バチーン!バシーン!バチーン! 「うぎゃぁぁーん!ごめんなさーい!ごめんなさーい!!ご、ごめんなひゃ、ひゃーい!」 平助はとうとう声がかすれるほどの大声で舞子に許しを求めると、舞子はようやく平助の思いが伝わったのか、お尻を叩く手を止めた。というよりは、お仕置きに集中しすぎてようやく我に返ったと言った方が正しいかもしれない。その証拠に、平助の無残に赤黒く腫れあがったお尻を見て、自らやりすぎを感じてしまっていた。 「平助くん、ごめんね!おばさん、ちょっと厳しくしすぎたわ!もうとっくの昔に反省してたのにね!ごめんね、ごめんね!」 舞子は平助を膝の上から解放し、思い切り胸に抱きしめると、お仕置き中とはガラリと変わって、せきを切ったように平助に申し訳ない気持ちを言葉にした。すると、 「舞子おばさん、ごめんね。もうしないから・・・。」 「・・・平助くん。」 その一言で舞子は救われた気分になり、目から涙がポロリとこぼれ落ちた。 そしてしばらく時間が過ぎ、ようやく平助の部屋に平穏な空気が戻っていた。 舞子は再び平助を自分の膝の上にうつ伏せにし、お尻を冷やすだけ冷やした後、お薬を優しく丁寧に塗っていた。 「ふぅ、平助くんちに軟膏があってよかったわ。うちのはさっき使い切っちゃったからね。」 「へへへ、団馬くんもお尻真っ赤になってるもんね。」 「んー、でも大した事ないわ。あの子のお尻は丈夫だし、明日になれば意外とピンピンしてるわよ。」 「えー、うそー、あんなに痛そうだったのに。」 「フフフ、そんなもんよ。でも平助くんは違うわよ。多分最低でも2、3日は痛みはとれないんじゃないかしら。幸い明日から土日なのは不幸中の幸いね。」 「うん。もしかしたら、学校行けなかったかも・・・。」 「もしそうなったら、おばさん責任感じちゃってたわー。」 「ほんとにー?こんな厳しいお仕置きしといてよく言うよ。」 「フフフ、確かに這ってでも学校行かせたかもね。」 「えーん、舞子おばさん怖いよー。」 「フフフフ。」 ようやく笑顔が戻った二人。舞子はそんな平助の笑顔に和みながらも、平助に対しての罪悪感が残っていた。平助にとって初めてのお尻ペンペンのお仕置きを、実の息子より厳しくして必要以上にお尻を痛めつけてしまったことに。 舞子はこれに懲りて、もう息子以外の子供をお仕置きするのはやめようと心に決め、舞子は平助に再び話しかける。 「ねえ、平助くん。」 「何?」 「お尻ペンペン痛かったよね。」 「うん。痛かった・・・お尻が焼けちゃうと思ったもん。」 「フフッ、平助くんのパパとママはお尻ペンペンしないんだよね。」 「うん。それに、怒られたことがあまりないし。」 「それは、平助くんがいい子だからなんだよね。」 「そ、そうなのかな。僕は、別に・・・。」 「でも、おばさんから見て平助くんはいい子よ。でも、だからこそおばさんから一つ注意するわ。もう小さな事で自分を責めたり・・・自分をお仕置きするのはやめなさい。変な事に好奇心の強い子も考えものよ。」 「へ?」 「さもないと、またおばさんがお尻ペンペンのお仕置きをするかもね。でも、もうその心配はいらないだろうけど、フフフ。」 「・・・・。」 「どうしたの?」 「・・・ううん、なんでもない。イタタタ。」 「あらあら大変。1日でも早く治るように、たくさんお尻を撫でてあげるね・・・どう、気持ちいい?」 「うん。すごく・・・。」 雨の止まない梅雨の一日。ようやく日が暮れ、平助の一生忘れられない時間が終わりを遂げた。 それから、2週間後。 「こらっ、団馬!またイタズラしてっ!」 Tシャツ、ジーンズ、オレンジのエプロン姿の舞子が怖い顔で家から外に飛び出して来た。 「へーんだ。今度はカエルじゃないんだからいいじゃんかー。」 「そんなわけないでしょ!母ちゃんのお気に入りのハンドバッグにクワガタを何匹も入れて!」 「いいじゃん。クワガタかっこいいし、ねー、平ちゃん。」 「え?あ、あははは・・・。」 「もう許しません!待ちなさい、団馬!」 「ここまでおいでー、あっかんべー。」 団馬は舞子を挑発し、遥か遠くに走っていった。 「もう、逃げ足は特に速いんだから。ねえ、平助くん。」 「うん、そうだね。団間くんにも困ったもんだね、ハハハ。」 「どうしたの?何か様子が変だけど。」 「う、ううん、何でもないよ。それじゃ、団馬くんもいなくなったし家に帰ろっかな。パパも夜まで帰ってこないし、一人で部屋で宿題やーろっと。バイバイ、舞子おばさん。」 「あ、ちょっと平助くんてばっ!」 平助は、なぜかチラチラと舞子を何度も横目で見ながら、自分の家へと戻っていった。 そして、30分後。 ガチャリ 「・・・やっぱり。」 舞子は平助の部屋のドアを開けると、驚いた事に2週間前の光景が復活していた。そう、またまた平助のセルフスパであった。椅子に座布団を置いてうつ伏せ、そしてお尻だけ丸出しにして自らお尻を叩く。もう前回みたいに舞子の姿に慌てることはなく、子供ながら堂々としていた。どれだけ叩いたのか、お尻は前のセルフスパの時よりも若干赤くなっている。 「・・・どういうことかな?平助くん。」 「うん、だって、今日クワガタ取りに行こうって誘ったの僕だもん。だから・・・。」 「さっきのイタズラは平助くんも悪いと言いたいの?」 「うん!」 平助は元気に返事をする。すると、舞子は大きくため息をしながら平助に近づくと、平助は即座に椅子から下り、座布団を全部放り投げ、お尻丸出しのままで、その場に前だけをTシャツで隠しながらちょこんと立っている。 「・・・そうね。クワガタを捕まえてくれたことで団馬のイタズラに協力したし、宿題もしていない。それに、玄関のドアの鍵をまたかけ忘れて・・・っていうかわざとでしょ、もし泥棒が来たらどうするの?おまけに、これだけの事をして反省の色が全く見られないわ!さっ、そんな悪い子はどうなるんだっけ?」 舞子は目の前の椅子に座ると、ポンと自分の太腿を叩く。すると、平助は自分から舞子の膝の上にうつ伏せになり、お尻が再び舞子の目の前に現れる。2週間前の痛々しいお尻はすっかり完治し、健康的なお尻に戻っていた。 しかし、もうこれ以上言葉はいらない。舞子のするべきことはただ1つ・・・。 バチィーン!バシィーン!バチィーン!バシィーン!バッチィィーン! 「ひいぃぃーっ!ごめんなしゃーい!もうしましぇーん!うえぇぇぇーん!」 凄まじい乾いた音と大きな泣き叫び声が交錯し、いつまでもいつまでも平助の部屋の中に響きわたっていた。 |
ヴァルマー
2010年07月03日(土) 23時15分27秒 公開 ■この作品の著作権はヴァルマーさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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お茶Kさん はじめまして!お茶Kさんからもまさか感想が頂けるとは本当に感謝です。 もう30分起きてればよかった・・・。 当然、こっちもお茶Kさんの作品は見させて頂いてます。ぺち絵もSSもグー! 叱られたことがない良い子は絶対誰かに一度は叱られたいと思ってるはず。 そんな勝手な思いを持ち、勝手に妄想して書いてます。喜んでもらえてとても 嬉しいです。 新作ぜひ頑張って下さい!ではまた、失礼しました。 |
ヴァルマー(復旧コメント) | ■2010-09-15 14:54:17 | ||
読んで即感想なお茶Kです♪ はじめましてヴァルマーさん。 過去作のF/mシーンも何度かこっそりと拝見して楽しませていただいてます。 今回も母性愛たっぷりなスパシチュをとくと堪能させていただきましたw 団馬くんみたいな悪い子くんがお仕置きされるのは当然とは言え‥‥w 良い子くんまでぺちんされちゃうシチュエーションの運びがGOODでしたっ。 まさかセルフスパとはw 良い子くんならではのシチュですね(笑) その後の舞子さんと平助くん二人の関係もなんだかほわほわしちゃいそうな感じで…w こんならぶらぶ恋愛とは一味違った母子めいた関係も大好きです♪ 心温まる作品をどうもありがとうございましたっ。眠っていたお茶Kも早く新作を……!! |
お茶K(復旧コメント) | ■2010-09-15 14:54:06 | ||
お二方、感想ありがとです! >ウィツさん 感想はこんなに早く頂きながら、返しはちょっと遅くなりすまんです。 実際子供がセルフスパしてれば、大人の見解はお仕置き願望のある子と思う よりは、この子何してんの?と思う方が多いはず。いつの時代も世知辛い? 団馬(とんま)は、少し抜けてる子を表現したかったんで思いつきで・・・。 最後に別サイトですが、とーえんの誓いはそろそろですか?圧力圧力。 >アカトさん 書ける時はこんな感じですが、書けない時は途中で削除の連続! この数ヶ月は手を掛けるがピタッと止まってばっかりでした。妄想はいくつも でるのにうまく文にできんって感じで。まあだからといって、投稿できたもの =ちゃんとできてる、とは言えませんけど。(とりあえず自己満足) 私は昔カエルとクワガタは好きでした。でもイタズラに使った事はないかな。 エプロンは相変わらず強引にさりげなく。あと、平助くんはセルフよりも やっぱり綺麗な大人の女性からの本物に心奪われた様子。まだまだ野望は 続くかも。 ではでは、長文失礼しました。どうもー! |
ヴァルマー(復旧コメント) | ■2010-09-15 14:53:57 | ||
お!投稿ありがとですー!そしておひさ! …この量を2日でダーッと書いたとかすげぇ…! 団馬くんがものっそい悪い子で舞子ママンは大変そうだw 舞子ママンと同じく、私もカエルがメチャメチャ嫌いなんで…考えただけでも涙目になります。なんて酷いことを…! (加えて虫の類もほぼ全てニガテなんで、バッグがクワガタだらけだったらガチで卒倒する自信がある) 舞子ママン強く生きろ!あとさりげにエプロン装着もGOOD! んで平助くんは…ぺちっこになってしまった様子!てかセルフスパがバレるのはえぇw ぺちられ癖(?)がついたようで、もうお膝から逃げられないなこれは!確定事項! ではではー! |
アカト(復旧コメント) | ■2010-09-15 14:53:44 | ||
ややっ!ヴァルマーさんお久しぶりですっ!! 誰より早くコメントするぞと力んでおりますっ!! 平助君は自分らがちびっこのころの象徴ですねwwww こんな風に願いが叶うなら自分は毎日セルフスパをry 関係ないけど団馬ってすごい名前wwww ではではっありがとうございましたっ!! |
ウィツ(復旧コメント) | ■2010-09-15 14:53:29 |