ぺちSS板
イタズラっ子、世にはばかれず(F/m)
夏休み終了まであと1週間。
暑さは依然厳しく、子供達の大半は、ためにためた宿題に追われている。
そんな最中、ほぼ全ての宿題を終らせていた平助は、コンビニからの買い物帰りで家の近所を歩いていた。すると、
「あれ?」
平助はふと立ち止まる。
「あんなとこで何してるんだろう・・・。」
平助の視線の先には、団馬とぺこぺこと頭を下げる舞子、それに団馬と同じサッカークラブに所属する隣のクラスの男の子とその妹、さらにはその母親がいた。
「本当にどうもすいませんでした。」
「いえいえ、大した事ないのにわざわざ来て頂いて。またうちの子供達と遊んでやって下さい。」
「ほら、団馬!もう一度ちゃんと謝りなさい!」
「・・・すいましぇーん。ごめんなしゃーい。もうしませんぷうきー。」
「こ、こら、そんな謝り方がありますか!」
「まあまあ、いいじゃないですか。元気があって。」
「団馬ー。また遊ぼうぜ!」
「団馬兄ちゃん、またねー!」
「おー!じゃあな、バーイ!」
「あっ、待ちなさい!じ、じゃ、これで失礼します。」
団馬は手を振りながらその場を離れると、舞子は申し訳なさそうにその後に続く。そして、その一部始終を見ていた平助は、状況を把握するために二人を追うのだった。
「おーい!おーい!」
「あ、平ちゃんだ。」
平助の声に気付き、団馬と舞子は足を止める。
「こんにちは、平助くん。」
「あ、舞子おばさん、こんにちは。ねえ、団馬くん。さっきあそこで何してたの?何か二人で謝ってたみたいだけど・・・。」
「そうなの。またやらかしたのよ、この子ったら。」
「えー、でもそんなに怒ってなかったじゃん。」
「あんたは黙ってなさい!まあ聞いてよ、平助くん。あのね、昨日サッカークラブの練習後に花火大会があってね。で、団馬はさっきの子、それにたまたま遊びに来てた妹さんと一緒に花火をしてたの。そうしたら、何を思ったか団馬は消火用の水が入ったバケツを急に振り回して・・・。」
「な、何か僕にもわかってきたよ。多分、そのバケツが手が滑ったとかなって、誰かがバケツごと水をかぶってずぶ濡れになったとか・・・。」
「ビンゴ!すっげえ、平ちゃん。名探偵だね。」
「黙ってなさいって言ってるでしょ!」
パシーン
ここで、舞子は団馬のお尻をズボンごしに思い切り叩く。
「いてぇー!」
団馬はぴょんぴょん飛び上がり、痛そうにお尻を両手で押える。しかし、そんな団馬を気にする様子もなく舞子は話を続ける。
「で、水をかぶったのが悪い事に妹さんの方だったから、もう大泣き。結局、花火大会は中止になって、おばさんはチームの監督から電話で厳重注意を受けたってわけ。だから、今日は直接謝りにきたのよ。」
「ふーん。」
団馬くんらしいなと、心の中で思いながら話を聞く平助。ついつい笑いそうになるのを何とかこらえる。
「ねえねえ、それよりもさ、帰ったら遊ぼうぜ!平ちゃん。」
「だめよ!今日は、罰として寝る時間まで勉強だって言ったでしょ!」
「ぶー、罰なんて昨日嫌と言うほど受けたじゃん。俺、遊びてぇよー。」
「そう・・・じゃあ、まだ懲りてないみたいだし、帰ったらもう一度、昨日の続きをやりましょうかねぇー。」
そう言いながら舞子は、両手を重ねて指をポキポキと鳴らしてみせる。
「はっ!僕、反省しました。お母様、先に家に帰って勉強しています。じゃあ、平ちゃん。そゆことでー。」
団馬はあっという間に走り去ってしまった。
「ふぅ、しょうがない子ね。」
舞子は大きなため息を一つつく。
「あ、あの・・・舞子おばさん。昨日団馬くんが受けた罰って、もしかして・・・。」
「ん?そうよ、平助くんもよくわかってるでしょ。」
舞子のこの言葉を聞き、平助の脳裏に「お尻ペンペン」という恐怖のお仕置きがはっきりと浮かんだ。
「やっぱり・・・どうりで団馬くん、あんなにお尻痛がってたわけだ。」
「フフフ、本当はそこまでやるつもりなかったんだけど、迷惑かけたことを全然悪く思ってないどころか、言い訳までしまくるもんだから、ついね。」
「ハハハ、舞子おばさんが怒ると怖いから・・・。」
「まあでも、50回程度じゃあんまり効果がなくなってきたわ。もう、あんな風にピンピンしてるからね。だから、今度おいたが過ぎるときは、その倍ぐらい叩かなきゃいけないかもね。」
「ご、50回の倍って・・・100回!うひぇー!」
「あらあら、平助くんが怖がることないじゃない。」
「だって、僕だってそんなに叩かれたことないし・・・。」
「大丈夫、おばさんはいい子にはそこまで厳しくお仕置きしないから・・・多分ね。」
震える平助を安心させるかのような言葉を掛けながら、平助の頭を撫でる舞子。しかしながら、平助は舞子が付け加えた「多分」という言葉が少し引っ掛かっていた。
そしてしばらくして、舞子と平助はお互いの家の前に到着した。ちなみに家は隣同士である。
「さあ、これから団馬がちゃんと勉強してるかしっかり見張らないと。今日はビシビシしごくからね。」
「あの、あまり厳しくしないであげてね。舞子おばさん。」
「フフッ、平助くんは優しいわね。あんな子でも、そんなに気にかけてくれて。」
「エヘヘ・・・。」
「でもね、余計な事かもしれないけど、平助くんは逆に少しぐらい羽目を外した方がいいかもね。いつも普通に過ごしてちゃ、息が詰まるでしょ?まあ、団馬の場合はのびのびさせすぎて、ああなっちゃったけどね。ま、たまには自分からイタズラとかしてみたら?例えば、おばさんにだったら少しぐらいイタズラしても笑って許してあげるわよ。平助くんだったらね。」
「えっ?」
「おっと、団馬がダラダラしないうちに帰らないと。それじゃ、またね。」
「あ・・・。」
舞子は、手を振りながら小走りで家の方へ向かうと、その背中を見ながら平助も小さく手を振った。
「イタズラ・・・か。」
平助はしばらくその場でたたずんでいた。





そして翌日。昨日に引続き快晴。
平助はすでにパジャマから赤い半袖Tシャツとグレーのショートパンツに着替え、早朝から庭に咲いた朝顔に水をあげていた。
「おっはー、平ちゃん!」
そこに団馬が庭を囲んだブロック塀をよじ登り、ひょっこりと顔を出す。
「おはよう、団馬くん。今日は早いね。」
「へへ、今日はサッカーの試合だからな。早く行かんと。」
「ふーん、舞子おばさんは許してくれたの?」
「許すも何も、今日試合に負けたら家に入れないって言われてんだ。昨日は遅くまで勉強させといてよく言うぜ。だからもう眠くて眠くて・・・。」
「ハハハハ、頑張ってね。」
「おう!10−0で勝ってくらぁ。あ、母ちゃん今日は一人で暇らしいから、よかったら相手してやってよ。じゃ!」
「うん、またね。」
団馬は大きなバッグを担ぎながら、駅に向かって走って行った。
それから再び朝顔に水をあげていると、平助はブロック塀の向こうに舞子がいるのを見つけた。どうやら、庭の花壇の手入れをしているようで、平助の存在にはまだ気付いていない様子である。
するとここで平助は、昨日の舞子の言葉を思い出す。
(たまには自分からイタズラとかしてみたら?)
親に対してもイタズラをした記憶がない平助。しかし、舞子の後押し?もあり、ここで平助の持つ「好奇心」が発動する。
「舞子おばさんに、ホースで水をかけてみようかな・・・なんてね。」
団馬が女の子に水をかけてびしょ濡れにさせた話を思い出し、なんとなく舞子おばさんにも同じようなことをしてみようかと平助は水が出ているホースを持ちながら考える。だが、やはり悪気はないとはいえ、故意にそんなことをするのはどうかと自問自答する。そして、
「やっぱり、やめよっと。」
そう思い直し、平助が蛇口を締めようと足を一歩後退したその時、思いっきり足元のホースを踏んでしまう。
ビシャー
勢いのついたホースからの水は、一直線で舞子の後頭部に直撃する。
「キャー、つめたーい!」
舞子は驚き、大きな声で叫ぶが水はどんどん舞子の体にかかってくる。平助は慌てふためき、しばらく体が硬直してしまったため、その体勢のまま動かなかった・・・いや動けなかった。
「イャアーン!」
再度、舞子が叫ぶと、平助はようやく我に返り、蛇口を締めて水を止める。そして、そのまま家の中へと逃げるように入っていった。
それから1時間ほど経過しただろうか。平助は朝食も食べずに自分の部屋で毛布をかぶってうずくまり、
「どうしよう。」
「どうしよう。」
「どうしよう。」
この言葉だけ小声で連呼していた。するとその時、
パーパラッパーパララララララララー♪
平助の携帯電話の着信音が鳴る。ちなみに、このメロディーが鳴る時の相手先は3件あり、団馬と舞子の携帯そして、その二人の自宅である。そして、1分近くメロディーが鳴り響き、切れる様子がないため、平助は覚悟を決めて電話をとり、
「もしもし・・・。」
か細い声で電話に出る。
「もしもし、平助くん?私、舞子おばさんでーす。」
予想通りと言っていい、舞子の明るい声が聞こえてきた。
「ま、舞子おばさん、あ、あの、さっき・・・。」
「はいはい。お話は後にして、これからおばさんの家にこない?よく冷やしたスイカがあるんだけど一人で食べるのも味気なくてね。」
「え?」
「ま、とにかくいらっしゃい。そうそう、玄関はあけとくから中に入った時に悪いけど鍵をかけといてくれる?ちょっとやる事があって出迎えられないの。それじゃ、団馬の部屋で待ってるからね。」
「あ、舞子おばさん、ちょっと・・・。」
平助が話す間もなく、舞子は用件だけ伝えると電話を切ってしまった。
いつもと変わらない明るい舞子の声を聞いて平助は、
「もしかして、僕がやったって気付いてないんじゃ・・・。」
そう都合のいい解釈をしてしまうのだった。





「お、おじゃまします・・・。」
平助は言われたとおり玄関の鍵をかけ、おそるおそる舞子の家の中へと入っていく。
階段をのぼり、団馬の部屋の前。すると、
バーン、バスッ、バシッ
部屋の中から、乾いた音と言うよりは少し鈍い音も混じった音が聞こえてくる。何かを叩いているような音・・・平助は首をかしげる。一応ノックをしたが返事がないので、そーっとドアを開けてみる。すると、平助の目の前に衝撃的な光景が現れる。
ビシッ、バーン、バフッ
何とそこには、白のブラウス、タイトスカート、エプロンという白ずくめでいかにも涼しげな姿をした舞子が椅子に座り、その膝の上には団馬のサッカーボールが置かれ、スカートとエプロンではっきりとは見えないが、そのボールを閉じられた両腿のくぼみと手で押さえつけ、何度も何度も力を入れて叩いているのだった。
「はーい、平助くん。待ってたわよ。」
「な、何してるの?舞子おばさん・・・。」
「あ、これね。ほら、前に平助くんが自分が悪い事したと思って反省するために、自分で自分のお尻を叩いたことあったじゃない。今回は、その逆というか・・・おばさんが一人でお尻を叩く方を演じてみたの。サッカーボールをイタズラっ子のお尻と想定してね。ほら、こんな感じで。」
バチッ、バシッ、バーン
舞子は、平助に見せるようにもう一度膝の上にあるボールを思い切り叩いてみせる。平助が前にやった行為をセルフスパとすれば、この舞子の行為はその逆の逆セルフスパか?かなり表現が難しいところだ。
バァーン
トン、トン、トン・・・
舞子の平手打ちの勢いで、ついにサッカーボールが膝の上から落ち、そのまま部屋の隅へと転がっていく。
「あらら、ボールがあっちにいっちゃった。でも、まあいいわ。これでウォーミングアップが済んだようなもんだし、次は可愛いお尻をここに乗せちゃうからね。」
「!!!」
舞子の言葉に平助は驚き、思わず息を飲み込む。
「平助くんでしょ?朝、おばさんに思い切りお水をかけたのは・・・おかげで服がびしょびしょになって、お着替えしたんだから。」
「・・・・。」
「うまく逃げ隠れしたと思ったかもしれないけど、団馬に比べりゃまだまだ甘いわね。あの子のイタズラはたまに証拠がつかめないときがあって、怒るに怒れないときもあるのよ。ま、ほとんどは白状させて謝らせるんだけどね。」
「・・・・。」
「確かに昨日はああ言ったけど、イタズラがばれた時は素直に「ごめんなさい」の一言ぐらい言ってほしいな。そしたら、あんな程度のイタズラじゃ、おばさん叱るつもりは全くないんだから。」
そう言いながら黙って話を聞いている平助の顔を見て、にっこりと笑って見せる。そう、逆セルフスパも含めて舞子は平助を叱るための目的で呼んだわけではない。イタズラをしたらしたで、きちんとけじめをつけてほしいという事を伝えるために呼んだのだ。そして、平助は舞子の言っている事を当然理解していた。
(えへへ、ごめんね。舞子おばさん。)
いつもの口調で、こう言ってしまえば全てが事なきを得ていつもと同じ日常に戻る。だが、それがわかってても平助の心の中で何かが引っ掛かっていた。そう、先ほどの舞子が行っていた逆セルフスパで使っていたボールと自分のお尻がなぜか重ね合わさってしまい、脳内から離れない。そして、そんなことを知る由もなく平助をじっと優しい目で見つめる舞子。
すると、ようやく平助がとった行動は正に予想外なものとなった。
「ううん。僕、知らない。僕、そんなことしてないよ。」
わざとらしくそっぽを向きながら、イタズラを否定する平助に舞子はあ然とする。
「こ、こらこら、今さら何とぼけているの。おばさんちゃんと見てるのよ。家の中へ逃げる平助くんの背中と、庭に無造作に置いてあった水浸しのホースをね。」
「え、何の話?やっぱり僕、わかんなーい。」
舞子に次から次へと問い詰められても、平助の態度は変わらない。まるで団馬のおとぼけぶりを見ているようだ。だが、そのうちに舞子は平助の思惑がはっきりとわかってくる。今回のイタズラでの平助なりの勇気を持ったけじめのつけ方を・・・。
そして舞子は、やれやれといった表情をしながらも、平助に向かってこう言い切った。
「仕方ないわ。平助くんの口がそんな嘘ばかり言うんだったら、今度はお尻に聞いてみるしかなさそうね。」
「!」
平助は当然ながら動揺してみせるが先ほどの時ほど驚いてはいない。舞子の行動は、平助にとって想定内の事であったのだろう。
「さっ、来なさい!」
舞子が手招きして、平助に命令するが平助は首を振る。
「だって・・・僕、本当にやってないもん。」
この期に及んで平助がしぶとく抵抗するのを見て、一瞬困惑する舞子であったが、平助の思惑のさらに深い部分を舞子はすぐに感じ取った。
「平助!」
舞子はついに立ち上がり、怯える平助に近づくと、その平助の頬を力一杯つねりあげる。
「い、いぎゃー!」
平助は頬を上に引っ張りあげられるようにつねられたため、自然と背伸びする体勢となる。そしてそのまま、つま先立ちで連れて行かれ、強引に舞子の膝の上にうつ伏せにされた。
それから、あっと言う間にショートパンツとブリーフを膝上まで下ろされ、お尻が丸出しになる。こうなると平助はもう目を閉じて、じっと身をちぢみこませるのみ。もう逃げることができない処刑台に乗せられた気分であろう。
「全く、この子はどこまで嘘をついたら気がすむの?こんなとんでもないイタズラっ子には、たっぷりお仕置きです!たとえ今さら本当のことを言ったって絶対許しませんからね!!」
引っ越してきて間もないうちに町内では美人ママで知られる舞子の顔は鬼のような形相となり、キッと平助を睨みつけながら怒声をあげる。そして、すぐさま右手を高く振上げ、まさに恐怖の時間の始まりを迎えるのだった。
バシーン!バチーン!バシッ!バシッ!バシィーン!
「ひいーっ!ひいぃーっ!ぎいっ!びいっ!ぎえぇーっ!」
8・・・9・・・10・・・11・・・12・・・
先ほどの「逆セルフスパ」とは明らかに異なる誰もが耳を塞ぎたくなる音が団馬の部屋いっぱいに広がっている。
次から次へと振り下ろされる舞子の激しい平手打ちに平助のお尻が悲鳴をあげ、平助は歯を食いしばって必死に耐える。すでに「逆セルフスパ」で体をならしていたせいか、最初から力一杯でお仕置きする舞子。そのためか、前に30回叩かれても泣かなかった平助の目には早くも涙が浮かんできた。
ビシッ!バチッ!バシーン!バチーン!バチィーン!
「うぎゃあぁーん!うわぁーん!うわぁぁーん!」
「平助!泣くのはまだ早いわよ!お仕置きは始まったばかりなんだからねっ。」
25・・・26・・・27・・・28・・・29・・・
ここでついに平助は泣き出した。だが、当然の如く舞子の手は止まらない。さらには叱責も加えながら平助のお尻に痛みを与えていき、そのお尻はだんだんと色濃く染まっていく。
バチーン!バシーン!ベチーン!ベチーン!バッシィーン!
「うえぇぇーん!びえぇぇーん!ご、ごめんなさいっ!ごめんなさーい!もうしないから許してえぇー!」
「・・・やっと素直になってきたわね。でも嘘をついたのはとっても悪い事なんだからっ!まだまだ許しませんよ!」
48・・・49・・・50・・・51・・・52・・・
50回を超えたところで、ようやく平助は自分の非を認めた。しかしそれでも舞子は、お仕置き前の宣言どおり平助を許すつもりはさらさらない。平助が膝の上で暴れようとしても、舞子は平然として平助の体を押さえつけ、自分が平助のお尻を叩きやすい位置に調整しながら、さらに厳しく平助のお尻を叩き続ける。
ビシィーン!バシィーン!ベチィーン!バチィーン!バッシィーン!
「ひぃぃぃーっ!うえぇぇぇーん!ごめんなしゃーい!ごめんなしゃーい!ごめんなひゃーい!!」
71・・・72・・・73・・・74・・・75・・・
一体いつになったら平助は許されるのだろうか?何度も何度も許しを求める平助に対し、今度は一転して黙々と力を緩めることなくお仕置きする舞子。
大げさな擬音を使えば、すでに「ぼわんぼわん」に腫れあがった真っ赤な平助のお尻。あの団馬でさえ、これだけの回数を叩かれ、こんな状態のお尻にさせられたことはない。平助の我慢も、すでに限界を超えていたが、顔を涙でぐちゃぐちゃにしながらなんとか頑張っている。
それからお仕置きは80回・・・90回を超え、そして・・・。
バッチィィーン!!
「ぶぎぃぃぃーっ!!」
100の大台となる渾身の一撃が平助のお尻に炸裂し、平助が叫ぶと同時に舞子は平助を膝の上から抱き上げ、しっかりと自分の胸に抱きしめた。左手は平助の背中をポンポンと叩き、右手は平助のお尻をそっと撫でてやる。
平助はその舞子の温もりに癒されながらも緊張の糸が解けたためか大声で泣き続け、舞子はただ黙って平助を抱きしめていた。





それから時はたって、午前10時。
思わぬ展開で朝早くからお尻ペンペンのお仕置きをされた平助は、ようやく落ち着きを取り戻し、団馬の部屋でおやつのスイカを美味しそうに食べていた。
「どう、美味しい?」
「うん!冷たくてすごく甘ーい。」
「よかった・・・でも、この体勢じゃやっぱり食べづらくない?」
「ううん。だって、痛くて当分座れないから、このままの方がいい。ほら、種も上手く飛ばせるよ。」
「はいはい、わかったわ。おばさん、ちゃんと平助くんがお膝から落ちないように押えとくから慌てないでゆっくり食べるのよ。おかわりもありますからね。」
「はーい!」
お仕置きが終わった後も、平助はまだ舞子の膝の上にいた。痛々しい平助のお尻は冷やされたタオルで覆われ、うつ伏せの状態で平助はスイカを食べている。床は多少スイカの汁で汚れてはいるものの、床に置かれた器に平助は口から種を飛ばし入れ、子供らしからぬ芸当を見せる。
「ところでさ、平助くん。一つ聞いていい。」
「うん。」
「朝のイタズラ・・・実は不可抗力なんでしょ?」
「いっ!」
「だって、そうじゃなかったら逃げてないでしょ。もし本当にイタズラなら、平助くんだったらすぐに謝ってるわよ。ホースをうっかり踏んで、水がおばさんにかかったもんだからパニックになって逃げたってのが本当のところじゃない?」
見事なまでに舞子に図星を突かれた平助。平助は何とか動揺を隠そうとするが、それは無理な話であった。
「ち、違うよ。あのイタズラは昨日から考えてて、あまりに上手くいっちゃったから思わず逃げただけだもん。それに、僕、ふ、不可抗力なんて言葉知らないもん。」
「フフフ、また嘘ついて・・・でも今日はたくさんお仕置きしたし、もうその話はやめにしましょ。だけど、またおばさんを本気で怒らせるような嘘はついちゃだめよ。息子以外の子を厳しくお仕置きするのはすっごく辛いんだからね。」
「・・・うん、絶対しない。僕、痛いの大嫌いだから、もう舞子おばさんのお膝には絶対乗らないもん。」
「はい、よろしい。だけどもしものために、おばさんのお膝の上はいつでも平助くんのためにあけておくからね。」
「うん!」
「こらっ、そこで返事しちゃだめでしょ。」
「ヘヘヘ・・・。」
平助はポリポリと頭をかいて照れ隠しする。
「さてと、平助くん。おかわりは?」
「うん、食べる。」
「それじゃ、ついでにお尻のタオルも冷やし直すとしますか・・・って、まあ見事なスイカ。」
舞子は平助のお尻からタオルを取ると、痛々しく真っ赤に腫れたお尻が顔を出す。
「もう、舞子おばさんたら!プンプン!」
「アハハ、ごめんごめん。でも本当に熟れたスイカみたいね。カブトムシとかいっぱいきそう。」
「ブー、またそんな事言ってー!」
「はいはい、そんなに怒らないでよ。悪かったってばっ。」
「ふんだ・・・今度、舞子おばさんのエプロンのポッケにカブトムシ入れてびっくりさせてやる・・・。」
「ん?今、何か言った?」
「べ、別にー。」
「もしそんなことしてみなさい。今日よりもっと熟れたスイカを作ってやるんだからねっ!」
「うえぇー!」
怖さで震える平助を一旦膝から下ろし、スイカを取りに行く舞子。そんな平助を見て舞子は笑いながら、
「冗談よ。」
軽く一言言うと部屋のドアを開け、台所へと向かった。はたして舞子の声は平助に聞こえていたのだろうか?





さらに翌日。3日連続快晴。
「あー、いい天気。」
平助は2階の廊下の窓を開け、朝の太陽の光と風を浴びて気持ちよさそうな顔をしている。
「でも、お尻は最悪だ・・・イチチチ。」
昨日の夜から何とか父親にばれないよう平助は痛みをこらえ、平静を装い、そして早朝になって仕事に行ったとたん、パジャマのズボンとブリーフを膝まで下げ、現在お尻丸出し状態だ。衣服がこすれて痛かったのがこれでようやく解消される形となる。
でも、さすが舞子の必殺お尻百叩き。団馬より先にその犠牲になった平助のお尻はもう何日かは痛みが消えそうにない。
「あれ?」
平助は窓の外を見ていると、何やら声が聞こえてくる。
「こらー、団馬!またこんな事してっ、待ちなさい!」
「べーだ!ここまでおいでー!」
すると、舞子と団馬が家の周辺で追いかけっこをしていた。平助や近所の人にとっては週に1回は必ず見かける正におなじみと言ってもいい光景である。
「あーあ、団馬くんまた何かやったな・・・。」
平助はその成り行きをしばらく見守っている。
「アハハ、舞子おばさんたら走る格好といい、もう捕まえにいくってよりも走る気マンマンだね。それに、あの顔は全然怒ってなさそうだから、捕まえて拳骨ってとこかな。全く、団馬くんに昨日の舞子おばさんの顔を見せてあげたいよ・・・。」
平助は嘆くように一人でしゃべっていると、
「おーい、平助くーん!」
半袖Tシャツ、スパッツ姿の舞子は平助の存在に気付いたのか、走りながら平助に向かって手を振った。
そんな舞子に対し、平助はなぜか恥ずかしそうに下を向きながら手を小さく振り返す。
舞子が振っている右手は、昨日自分のお尻を叩いた手。
走って揺れている大きな胸は、昨日お仕置きの後に自分を抱きしめてくれた胸。
むっちりとした太腿は、昨日ずっと自分がうつ伏せになってて激しい痛みと心地よい温もりを味わった太腿。
昨日の出来事が次々に頭に思い浮かび、舞子を直視できないでいた。
舞子からは2階の窓から顔を出している平助のお尻は当然見えない。だが、かなり気にかけてる様子であり、最後はウインクで平助に合図すると、団馬を町中まで追っかけていった。
「舞子おばさん・・・後で家に来てくれるんだ。やったー!」
平助は思わず顔をほころばせながら、窓を閉めようとする。すると、
ブーン
「わっ!」
外からいきなり大きなカブトムシが飛んできた。平助も初めて見たと言っていいほどの大きさである。そして、それをサッと平助は捕まえると、
「すごいなー、これを団馬くん・・・いや舞子おばさんに見せたら面白いだろうなー、へへへ。」
そう言った途端、平助はここで昨日の舞子の言葉をふと思い出す。すると、
ズキンズキン
「いたーい!!」
平助のお尻がなぜか激しく痛み出す。まるで平助に何かを伝えるために・・・。
「このカブトムシ・・・お尻が治るまで隠しておこっと。」
平助はお尻をさすりながら、ゆっくりと階段を下りていった。
ヴァルマー
2010年07月25日(日) 16時07分07秒 公開
■この作品の著作権はヴァルマーさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これで最後です。
もう飽きた方はすいません。
よろしくお願いします。

この作品の感想をお寄せください。
>アカトさん
感想をもらえるだけでありがたいのでどうか気にせずに。

逆セルフスパは正直こんな表現でいいのかなと思いながら書いてました。
参考にしたのはご存知と思いますがあの「マジックおしり」ですね。
子供の頃、あの続きをにわかに想像していたものです。

ご察知の通り、平助くんの可愛いイタズラはこれで終わりそうにありません。
今後の平助くんと舞子ママンの行方は果たして・・・。

ではでは、ありがとうございました。猛暑、残暑には十分にご注意を。
(昨日まで38度強の熱に苦しんだ体調管理不十分の輩より)
ヴァルマー(復旧コメント) ■2010-09-15 14:58:31
「こんなに遅く感想を送る管理人だって? そんなもの、本当にあるのか…?」
「これじゃ、俺…投稿をやめたくなくなっちまうよ…」
という風に言われても仕方ない管理人が通ります。
…マジスイマセン…。


平助くんが順調にキーな道を歩んでる気がしてならぬw
でもこの夏なら、水でびしょ濡れになってもすぐ乾くからいいんでね? と考えてしまったり。最近あまりにも酷暑すぎるし…。
そして逆セルフスパ(?)がありそうでなかったw 今まではあったとしても、素振りぐらいだもんなーw
今回はいじっぱり(?)しちゃって、キツーく百叩きされてしまった…というのに、タイミングよくカブトムシが…!
これはあれか。ぺちの神様が「平助くんや、これでイタズラしてペンペンされなさい」と言ってるんだろうか。そして平助くんもお尻のヒリヒリが無くなったらする気満々なのがすげぇw

いつも投稿ありがとですー!
ではっ!
(ちなみに冒頭のはスパロボKよりミストさんセリフ改変)
アカト(復旧コメント) ■2010-09-15 14:58:17
>お茶Kさん
こちらこそ感想ありがとうございます。
いい子もいつもいい子じゃ疲れるって観点で書いてみました。
でもここまで厳しいお仕置きだともうこりごりと思うかも・・・まあ真相は
本人のみぞ知るというところでしょうか。
あと逆セルフスパ(カーさん側の仮想お尻ペンペン)を確かに目の当たりに
してもそっと覗いて見ていても子供ならビビリまくりですね。他の人から見れば変な行動ですけどww。

>ウィツさん
いろいろ気を使って頂いてすいません。
少しでも楽しんでもらえたら何よりです。ありがとうございます。

おっ、この超蒸し暑い最中に光明が!
頑張ってー!頑張ってー!

ではではお二方、お体には気をつけて。
ヴァルマー(復旧コメント) ■2010-09-15 14:58:04
おそくなってしまった申し訳ないっすっ!!
ななっ、飽きたなんてめっそうもないっ!!

今までいい子だった平助くんが悪い子しちゃうなんてっ!!
なんというヴァルマーさんくおりてーwwww
なんいうかヴァルマーさんのセンスには驚かされてばかりですっ!!

三作お疲れ様でしたーっ!!


ところでこの前ぷれっしゃぁをかけていただいたとーえんの誓いですが…、
なんとか夏の間に完成させようとry
ウィツ(復旧コメント) ■2010-09-15 14:57:51
むむっ、舞×平ストーリー第3弾がっ!?
ふと舌を巻き巻きしちゃうほどの執筆速度‥‥! 本作も和みたっぷりな感覚(?)で読ませていただきましたw

今回は「平助くんが悪い子くんになっちゃった?」なお話ですね。
いつもとは一味違って、妙に怖い舞子さんとか頑固な平助くんとか、とびっきり厳しいお尻の叱り方とか新鮮味たっぷりな展開で楽しめました♪
時には悪い子になって叱られたいのは子どもキーくんの性なのかな?(笑)

しかし逆セルフスパとは。一風変わった新スパの登場ですねw
目の前で擬似お尻をペンペンされるキーくんには効果絶大かも?
すごい音に思わずお尻をかばっちゃいそうになったりで。あぁ、想像するだけでお尻が痛くなってきそう‥‥(ビクビク)

それでは、3作投下、どうもお疲れ様でしたっ!
お茶K(復旧コメント) ■2010-09-15 14:57:40