もう何度叩かれたかわからないよ。撫でられるだけで痛いのに、咲さんの『罰』は容赦なくお尻に降ってきてさらに鋭い痛みを浴びせてくる。痛くて、もうやめてほしくて何度も何度もお願いするけど、嫉妬に憑かれた咲さんはどれだけ謝っても許してくれなかった。
「浮気しないって約束破ったのは誰?」
「あれはっ、三坂さんがっ、日直だから声かけてきただけで‥‥痛ぁっ!」
「他の女の子とお話するなら私と一緒のときにしなさいって、前言ったと思うんだけど」
「ごっ、ごめんなさい! もうしないからっ、だからもうやめて‥‥あぁっ!」
うぅ、咲さんがこんなに嫉妬深い人だなんて思わなかった。絶対に浮気しないこと、破ったらお仕置きするから素直に受けること、この二つを約束する代わりに付き合ってくれた咲さん。浮気なんて絶対しないからお仕置きとか関係ないと思ってたのに、まさか他の女の子を見つめたり話したりするだけで浮気になっちゃうなんて。
嫌でも女の子に声をかけられればその日はお仕置き。放課後にお尻を散々叩かれて、二度と浮気しないって誓わされる。もう僕のお尻は、付き合った日からずっと真っ赤に染まったままだった。
「ほら答えなさい。凛くんは誰のもの?」
「咲さんのものですっ! ひぁぁっ!」
「そ、凛くんは私だけのものなの。だからいい? もう二度と浮気はしないのよ」
「はいぃっ、僕は咲さんだけですっ! 浮気は絶対にしませんからぁ! いたぁぃっ!」
僕は必死で懺悔の言葉を口にするけれど、それでも咲さんはまだまだお仕置きの手を止めてくれそうにはなかった。