ペンペン会D(28thペンペン会:禁断の道具編)


日も沈むのが早くなり、上着が欠かせないほどの寒さを感じるようになってきた。
町中に響きわたる石焼きいもの売り声が食欲をかきたて、秋の深まりと共に冬もそこまで近づいている。
しかし、そんな誘惑の声にも微動だにしない美しい女性が自分の家のリビングでたった一人、物思いにふけっていた。
「うーん、どうしようかなぁ。ついついネット通販で買っちゃったけど・・・。」
久子は椅子に座り、片肘をテーブルにつけて頬づえをついている。そしてもう片方の手には何やらしゃもじのようなものを持ち、小刻みに振り続けていた。
「涼平くんも多分びっくりするわよね。今日のペンペン会で、このパドルを使っておばさんのお尻を叩いてくれなんていったら・・・。」
そんな久子が何気なくつぶやいている一つの気になるキーワード・・・「ペンペン会」。
それは、久子とその息子である武彦の親友であり、幼なじみである涼平だけが知っている秘密の会。そして、その内容はというと互いにお尻ペンペンのお仕置きをしあうという普通に考えて他では絶対ありえない会合である。
30代後半の専業主婦の久子に、まだ11歳の小学5年生である涼平。涼平が久子にお仕置きとしてお尻ペンペンされるのはまわりからみても特に違和感はないが、久子が涼平にお尻ペンペンされるのは、どう考えてみても変であろう。
しかし、久子にとっては、お尻ペンペンのお仕置きに子供の頃から憧れていたため、偶然にその事を知られたとはいえ、子供の涼平にそうされることに全く抵抗感はなかった。むしろ神様が与えてくれたとっておきのご褒美であるととらえている。
一方、涼平は最初は嫌がっていたものの、久子の厳しくも温かいお仕置きに心を動かされ、今では恐怖を持ちながらもペンペン会を可能な限り受け入れている。
「パパは休日出勤だし、武彦はサッカークラブの練習試合で帰りは早くても夕方。絶好の機会だから涼平くんにお願いして久しぶりにペンペン会ができることになったけど、やっぱり躊躇しちゃうなぁ・・・パドルでのお仕置き。涼平くんも結構力強くなってきたけど、もう少し刺激がほしいのよねぇ、でも・・・うーん、ちょっと怖いなぁ、子供の力でもかなり痛いみたいだし。」
久子の手に持っていたのは長さ25cm、幅は約7〜8cmくらいであろう木製のパドルであり、一般家庭ではめったにお目にかけれない代物である。
涼平からのお仕置きには満足しているものの、自分が涼平のお尻を2〜3日まともに椅子に座れなくなるほど叩きのめし、膝の上ですすり泣いている涼平を見るたびに、自分も一度でいいからこんな風になってみたいと思うようになっていた。
「うん、悩んでも仕方ないわ!涼平くんが来てから考えましょう。もうすぐ約束の9時になるし、そろそろかな?」
久子は壁時計を見ると、ボルドーのVネックカシミアニットにグレーの7分丈スカート、その上にライトブルーのエプロンを着けた姿で、少しソワソワしながら涼平を心待ちにするのであった。





「・・・久子おばさん?」
「・・・・。」
「ねえ、久子おばさんってば!」
「え?な、何?涼平くん。」
「何じゃないよ。今の僕の話聞いてなかったでしょ。何ぼーっとしてたの?」
「あ、ごめんごめん。ちょっと考え事しちゃった。」
あれから数分後、明るい色をしたプリント柄の長袖Tシャツに膝小僧をちょっと隠す程度の黒いショートパンツを着た涼平が時間どおりにやってきて、ペンペン会直前での恒例となったおしゃべりを繰り広げていた。リビングでテーブルを目の前にして隣同士の椅子に座り、楽しそうに久子と話す涼平。しかし、久子はその話を聞きながらも頭の中は別の事を考えていた。そう、このパドルをどのタイミングで涼平に渡し、何回自分のお尻を叩いてもらうかを・・・。
ちなみにパドルは涼平にすぐに見つけられないように久子の胸元に隠されており、大きな胸の谷間にがっちりと挟まっていて簡単には外れそうにない。
そんな自分の胸元を気にしながらも何とか平静を保ち、久子は涼平に話しかける。
「今度はちゃんと聞くわね。もう一回聞かせて。」
「うん、あのね。この前学校で身体測定があったんだけど、背が全然伸びないんだ。どうしてかな?武彦くんは1ヶ月で2cmも伸びてるのに・・・。」
「そうねぇ、あの子はよく食べるからね。それに、パパもおばさんも背が高いから遺伝ってことも考えられるかな?」
「ふーん、でも僕もいっぱい食べてるけどなぁー。体重は少し増えてたけど・・・僕のパパとママが背が低いから悪いのかな。」
「こらこら、涼平くんのために頑張ってるお父さんと外国で一生懸命働いてるお母さんを悪く言わないの。人それぞれ成長期は違うんだから、涼平くんにもぐんと大きくなる時が来るわよ。そのために好き嫌いしないで何でも食べて、よく運動して・・・。」
「えー、でも・・・僕、パプリカ嫌いー。」
「パプリカ?」
「この前給食で出た。赤いピーマンみたいで気持ち悪い・・・。」
「あらあら、武彦は大好物なのに。それにパプリカは黄色やオレンジ色のものもあって栄養満点なのよ。」
「うぇー、そうなの?ピーマンは緑が一番いいや。それで僕、食べないで残しちゃったもん。」
「まあまあ、いけない子・・・そんな事するから大きくなれないのよ。よーし、そんな好き嫌いをする子には、これからたっぷりお仕置きして真っ赤なパプリカみたいなお尻にしてあげるから。」
「ひぃー!ごめんなさいっ!!」
こんな感じで久子は、ペンペン会での涼平へのお仕置きの理由を見つけ出す。他の家庭であればお小言か軽く叩かれる程度で済まされる事でも、ペンペン会では厳しくお仕置きされる。現在の公式ルール(久子作)では、丸出しのお尻に久子からの平手打ち80回だ。
涼平もこれまで20回以上も久子の膝の上でお仕置きされてきているが、当然お仕置きの痛みに慣れているわけはなく、無駄だとわかっていても久子にお仕置きを宣告されると、つい許しを求めようとしてしまうのであった。
「でも、その前にいつものようにしっかりとおばさんにお仕置きしてね。涼平くんへのお仕置きはその後よ。」
そう言いながら、久子は立ち上がるとテーブルに両手をついて前かがみになる。そして、胸元にあるパドルに目をやり、
(最後の10回になったら、思い切って渡そう・・・)
そう心の中でようやく決心すると、
「じゃあ、涼平くん。お願い!」
久子は明るい声でこう言うと、涼平は小走りで久子の側まで来て、久子の左側に立つ。そして、慣れた手つきでスカートを戻ってこないようにサッと捲くりあげ、ベージュのパンティをお尻が完全に剥き出しになるところまでゆっくりとおろす。
「・・・・。」
久子の大きなお尻を黙って見つめる涼平。もう何度もやっているせいか、初めての時とは違って全く動揺している様子はない。
「久子おばさん、これから叩くよ。」
「ええ、思いっきりやってね。」
そう一言ずつ言葉を掛けあうと、涼平はまだまだ可愛さが残る小さな右手を高く振り上げた。





パシッ!ピシン!パチン!ピシャン!パチーン!
パチッ!ピシッ!ピシャッ!パシッ!パシーン!
「・・・つっ!・・・うっ!・・・いっ!・・・くっ!・・・ひっ!」
涼平は力の限り頑張って久子のお尻を叩く。久子は叩かれるたび声をあげて痛みに耐える。しかし、いつもと同じく表情には余裕が見られ、まだまだという感じである。とはいえ、回数が50回を過ぎ、久子のお尻は見た目では痛々しいくらい赤く染まっており、涼平のお尻を叩く技術は少しずつではあるが進歩している。
ピシャン!ピシャン!パシン!パチン!ピシッ!
ピシン!パシッ!ピシャッ!ピシャッ!パチーン!
「・・・くっ!・・・いっ!・・・うっ!・・・ひっ!・・・いたっ!」
(・・・い、今のは結構痛かったわ、さすが涼平くん。よしっ、あと10回叩いてもらったらパドルを・・・)
多少集中力を欠いているのか、いつもより痛みに敏感な久子。そして、いよいよ久子の思惑が実行される時が訪れる。そして何も知らない涼平は、暖房のきいたリビングで額に汗しながら一生懸命になって久子のお尻を叩き続ける。
ピシャッ!ピシャン!パシーン!パシーン!パチーン!
ピシャン!ピシャン!パチーン!パチィーン!パシィーン!
「・・・ひっ!・・・きっ!・・・びっ!・・・いっ!・・・うぎっ!」
(・・・こ、これで70回目・・・今だわ!)
久子は勇気を出して自分の胸元に手を入れておもむろにパドルを握りしめる。ところが、
「ハアハア、これでお仕置きは終わり・・・あー、疲れた。」
そんな久子をよそに涼平はこう言いながらその場でへたりこんでしまう。
「え?あ、あれ?涼平くん、まだお仕置きは・・・。」
「へ?お仕置きはこれで終わりだよ、80回。」
「えーー!!うそでしょーー!!!」
久子は思わず大声をあげる。いつもとちがう気持ちでお仕置きを受けていたためか、珍しく数え間違えたらしい。
「うわっ、びっくりした!う、嘘じゃないよ。僕、ちゃんと数えてたもん。」
「そ、そうだよね。ちゃんとお仕置きしてくれたもんね。ごめんね、いきなり大声出しちゃって。」
「う、うん、別にいいけど・・・。」
涼平は突然の久子の言動に驚きながらも、特に不思議がることなく椅子に座って一息つく。そんな涼平を見て久子は無意識に下げられていたパンティをはきなおし、スカートを整えながら、
(うわぁ、しまった!せっかくのチャンスを棒に振っちゃったわ・・・久子のバカー!意気地なしー!)
自分のふがいなさをただただ悔やんでいた。それから何とか冷静になり、涼平にお菓子と冷たいジュースを差し出して労をねぎらうと、しばらくの間、楽しくおしゃべりをしていた。そして時間は刻々と過ぎ、
「さっ、ここにいらっしゃい。」
ついに涼平がお仕置きされる時間がやってきた。涼平は素直に椅子に座っている久子の膝の上にうつ伏せになると、久子はショートパンツと下着の白ブリーフのゴムを一緒に掴み、膝の上あたりまでずりおろして涼平のお尻を丸出しにする。
(さっ、久子。さっきのことは忘れてお仕置きに集中、集中!)
久子は心の中で自分にこう言い聞かせながら、涼平の小さな体をしっかり押えると、
「んもう、言う事は一人前になってきたくせに、まだまだ幼稚園児みたいに食べ物の好き嫌いなんかしたりして!そんないけない子はおばさんがしっかりと懲らしめてあげます!!」
語気を強めて叱りつけ、即座に右手を振り上げた。
「うわーん!久子おばさん、許してぇー!!」
涼平の渾身の叫びは当然受け入れられることもなく、リビング内にむなしく響くだけであった。





バシーン!バチーン!バシィーン!バチィーン!バチィーン!
ベチーン!ベシーン!ベシィーン!ベチィーン!ベチィーン!
「・・・ひぃぃ!・・・ぎぇぇ!・・・ぎぃっ!・・・びぃっ!・・・うぎぃ!」
先程とは明らかに叩く音と悲鳴の大きさと質が違い、誰もが耳を塞ぎたくなるようなお仕置きが続けられている。
容赦なくお尻を叩く久子に、それに必死で堪える涼平。
非常に厳しいながらも真剣な久子の眼差しからは内に秘めた深い愛情が感じられ、それを涼平もわかっているのか決して手でお尻をかばうことなく、久子からの愛のムチをお尻に受け続けている。
ベシーン!ベチーン!ベシィーン!ベチィーン!ベチィーン!
バチーン!バシーン!バシィーン!バチィーン!バチィーン!
「・・・ううぅ!・・・ううぅ!・・・うわぁぁん!びあぁぁぁん!うぎぁぁぁぁーん!」
60回ほど叩かれたところで、涼平はとうとう大声で泣き出した。ペンペン会初期の頃は、20〜30回程度で泣き叫んだものであったが、今ではこれだけ耐えられるようになっていた。仮に武彦を含め同級生が同じ目にあったとしても、到底ここまで耐えられる子供はいない。ほとんどの子供は20回すらもたないのではないかと断言できる。それだけ涼平が小さい体ながらも、ここまで精神力が強くなったという証である。
すでに涼平のお尻は当たり前のごとく真っ赤に腫れあがっており痛々しい限りであった。しかしながら、まだまだそのお尻をさらに叩くべく、久子の手は振り上げられる。すると、これまでずっとお仕置きに集中してきた久子だったが、涼平のお尻を見てふとある事を思いついてしまう。それが、後々大後悔へと繋がるのを知らずに・・・。
バチィーン!バチィーン!バチィーン!バチィーン!バチィーン!
バチィーン!バチィーン!バチィーン!バチィーン!バチィーン!
ここで何と、いつもはお尻の左右そして真ん中周辺を規則正しく叩いてお仕置きする久子が、なぜか涼平のお尻の右の山にだけ平手打ちを集中砲火させる。すると涼平はたまらず右手でお尻をかばってしまう。
「こら、何お尻をかばおうとしてるの!ちゃんとお仕置きを受けられない子には、残り10回はこれを使ってお仕置きするからねっ!」
そう言って久子は涼平のかばい手を左手で掴んでそのまま体ごと押さえつけると、すぐさま木製のパドルを胸元から取り出した。涼平は何がどうなっているのかわからず涙があふれている目を白黒させる。
「いくわよ!」
久子は掛け声と共にパドルを持った手を思い切り振り上げた。そして、涼平のお尻に強烈な一撃が炸裂する。
バッチィィィーン!!
「・・・☆○△×!!」
とびきり大きなお尻を叩く音と言葉になっていない涼平の叫び声が、家を貫かんばかりに響きわたる。
(うわぁー、凄い音ね・・・)
それでも久子は臆することなくき然とした態度でお仕置きを続けた。
バッチィィィーン!!バッシィィィーン!!ビッシィィィーン!!ベッチィィィーン!!
ビッチィィィーン!!ベッシィィィーン!!バッチィィィーン!!バッシィィィーン!!
「・・・☆○△×!!・・・×☆○△!!・・・×☆○△!!・・・×☆○△!!」
凄まじい音と喉が枯れそうなほどの叫び声。涼平は両足を空中でこれまでにないほどバタバタさせて暴れているが、久子は力一杯押さえつけ、しっかりと涼平を自分の膝の上に固定させる。
ヴァッチィィィーンッ!!!
「・・・★□∀#※!!!」
最後の一打を受けて涼平はさらに大きな悲鳴を上げ、目からは止めどなく涙が溢れ出す。ここでようやく久子は我にかえると、真っ先に自分の目を疑った。
「わ、わたし・・・なんて事を・・・。」
自分の膝の上で大泣きしている涼平のお尻は無残に真っ赤に腫れ上がっているばかりでなく、双方の山のてっぺん辺りに青黒いあざが一つずつ、ぽっかりと浮き出ていた。これまでもあざができんばかりのお仕置きは数回あったが、ここまでくっきりとみえるくらいのあざができたのは涼平にとって初めてであった。
「うえぇぇぇーん!!!」
「ごめんね、ごめんね、涼平くん!すぐに冷やしてあげるからね!!」
久子は即座に涼平を片手で抱き上げると一目散に台所に向かい、ボール一杯の氷水とタオルを準備した。それから久子は椅子に座り、お仕置きの時と同じく涼平を自分の膝の上にうつ伏せにすると、その火照ったお尻にキンキンに冷えたタオルをのせてあげた。
「・・・えーん、痛いよぉー、お尻痛いよー、グスン、グスン・・・。」
涼平はようやく落ち着いてきたが、まだ泣きやむまでにはいかない。久子はそんな涼平に対し、頭を撫でてあげながら、
「本当にごめんね、おばさん調子に乗りすぎたわ。道具を使って子供のお尻を叩くなんて・・・。」
心の底からこう謝るのであった。さらにここで再びパドルを手にすると、
「実はね、今日は涼平くんにこのパドルを使っておばさんをお仕置きしてほしかったんだ・・・。別に涼平くんからのお仕置きに満足してないわけじゃなくて、1度くらいは涙が出るくらいまで痛い思いして反省したかったなぁーって思っただけなの。だけど見事にタイミングを逃したもんだからあきらめたんだけど、せっかく用意したんだからどんな形であれ試しに使ってみたくなって・・・それでつい魔がさして涼平くんに・・・。ごめんね、本当にごめんね!!」
「・・・・。」
ついには頭を深々と下げ、目からうっすらと涙を浮かべる久子。するとすでに泣き止み、久子の顔をずっと見上げていた涼平はそんな久子に対し、
「・・・ううん、久子おばさんが謝ることないよ。悪い事をした僕が悪いんだもん・・・好き嫌いしたり、お仕置きされているのに手でお尻をかばったり・・・僕の方こそごめんなさい・・・。」
「・・・涼平くん。あなたって子は・・・。」
久子は涼平の言葉に感激し、思わずそっぽをむいて必死で涙を堪えようとする。泣いている顔を見せて涼平に余計な心配を掛けさせたくないためのとっさの判断であり、涼平は不思議そうにその様子を見つめている。そしてそのままの状態で時間だけが過ぎていく。すると、
「涼平くん。まだ痛いだろうけど、一旦お膝からおりてくれる。あと、パンツもちゃんと履いてね。」
「え、うん。」
久子の言う事を聞き、涼平はゆっくりと久子の膝からおりると、痛がる声をあげながらも何とか下着とショートパンツを履く。久子はそれを最後まで見て確認すると、スッと椅子から立ち上がり、回れ右をした。涼平の方に背中を見せる体勢である。
「へ?何してるの、久子おばさん?」
「いいから黙って見ててね。」
何と久子は自分のスカートを捲り上げ、パンティをおろし、涼平の目の前に叩かれて間もない赤く染まったお尻をさらけ出した。涼平は驚きのあまり、その場でぼう然としている。
「涼平くんがおばさんを許してくれたのは嬉しいけど、おばさんは自分をまだ許してないから。もしおばさんが涼平くんの立場だったら間違いなくお尻百叩きってところね。だから・・・。」
「だから?」
「これであと20回、おばさんのお尻を叩いてくれる?」
そう言うと、久子は涼平にあの木製のパドルを差し出した。涼平は頭の中が混乱しながらも、久子にそっと近づき、パドルをしっかりと手にしてしまう。
「え・・・あ・・・あ・・・。」
「じゃあ、お願いね。涼平くん。」
久子は涼平にパドルを渡すと早速、椅子を両手でしっかりと掴み、前かがみになって涼平がお尻を叩きやすい体勢をつくる。
「ま、待ってよ、久子おばさん。僕、そんなことできないよ。」
涼平の言葉を聞くと、久子は涼平に向かってにっこりとした顔を見せるが目は真剣そのもの。久子の決意は固い・・・そう悟った涼平は、
「うん・・・それじゃあ、軽く叩くからね。」
涼平は迷いながらも叩く体勢を整える。
「だめよ!思い切りやってちょうだい。手加減一切無用・・・それがペンペン会で学んだことでしょ?」
「でも・・・。」
「でもじゃないの。お返事は?」
「・・・う、うん。わかった・・・。」
久子にそう押し切られると、涼平は腹をくくり、パドルを高く振り上げる。
久子はいつになく目を閉じて歯を食いしばり、これから自分に与えられる衝撃に備える。そして・・・
ビッチィーン!!ベッシィーン!!バッチィーン!!バッシィーン!!バッシィーン!!
バッチィーン!!バッシィーン!!ビッシィーン!!ベッチィーン!!ビッチィーン!!
ビッチィーン!!ベッシィーン!!バッシィーン!!バッシィーン!!バッチィーン!!
バッチィーン!!バッシィーン!!ベッチィーン!!ビッチィーン!!ビッシィーン!!
「・・・きぃぃ!!・・・あぁっ!!・・・ひぃぃ!!・・・いぃっ!!・・・あぁーん!!!」
涼平は無我夢中でパドルを久子のお尻に左右まんべんなく振り下ろし続けると、久子は今まで経験したことのない痛みにまるで少女のような声をあげる。
子供の力なのにとてつもないパドルの威力。目からは涙が浮かび、椅子の上にポトリポトリとこぼしてしまうほどであった。
きっかり20回、涼平は久子のお尻を叩くとすぐにパドルを手から離し、テーブルの上に置いてあった氷水の入ったボールにタオルを入れ、よくしぼってから久子のお尻にそっとのせた。久子のお尻にも涼平よりは薄いものの同じような青黒いあざがいくつかできてしまい、久子は自分の痛々しいお尻をタオル越しにさすると、笑みをこぼしながら、
「これで涼平くんのお尻の痛さが少しわかった気がするわ。フフフ。」
「へへへ・・・思い切り叩いちゃってごめんなさい。」
「こらこら、涼平くんは謝っちゃだめー。そんな子はこうだぞ。」
久子はそう言って側にいた涼平を優しく抱きしめる。涼平は久子の大きな胸に抱かれながら心地よさそうにしばらくじっとしているのだった。





あれから2時間ほどたっただろうか。時計はすでに正午を過ぎ、まわりの家ではもうお昼ごはんの時間である。しかし、ここ久子の家ではさっきまで十分にお尻のケアを涼平からしてもらった久子がお返しとばかりに自室のソファーに座って自分の膝の上に涼平の真っ赤なお尻をのせ、そのお尻にじっくり時間を掛けて薬を塗っていた。
「お薬が塗り終わったら、お昼ごはんまでおばさんのベッドでしばらく休んでてね。夕方までにできるだけ治しておかないとね。」
「夕方には武彦くんが帰ってきちゃうもんね。」
「まあでもお互いのお尻を武彦に見せなきゃ大丈夫だけどね。でもおばさんはともかく涼平くんはまだ歩き方が変だから不審がられるかも。」
「そうだね。なんだかんだ言っても、久子おばさんのお尻は鉄みたいに頑丈だから。」
「言ったなぁ、こいつぅ。ウフフフフ。」
「アハハハハ。」
互いに笑いあう二人。さらに会話は続く。
「結局二人はペンペン会で80回ずつ。そのうち涼平くんはパドルで10回、おばさんは道具を使った罰としてさらにパドルで20回。正直パドルには懲り懲りね、もうたくさんだわ。」
「うん、すごく痛かったもん。死ぬかと思った。」
「大げさねぇ・・・って言うおばさんもちょっとだけそう思ってたりして。あんな凄い痛みを感じたのは初めてかも。」
「僕、お仕置きは嫌だけど・・・お仕置きされるんだったら久子おばさんの手でお尻叩かれる方が全然いいもん。叩かれてるときは痛いし怖いけど、久子おばさんの手って優しくてあったかいから。」
「フフッ、そんなこと言っておばさんを喜ばせても何も出ないわよ。おばさんだって涼平くんの小さくて可愛い手が大好きなんだから。という訳で・・・。」
そう言いながら久子は胸元から再びあれを取り出す。
「あれ、それって?」
「そっ、おばさんと涼平くんを散々苦しめた忌まわしきパドルよ。私たちのお仕置きにこんなものは必要ないから、こうしてやるのよっ!」
バキッ!
「・・・・!!」
何と久子は木製で丈夫であるはずのパドルを、両手を使って見事にへし折ってしまう。それを間近で見て驚き、あ然とする涼平。
「さてこれはゴミの日にでも出してしまいましょう・・・ってところで涼平くん。おばさんから一つお願いがあるんだけど・・・。」
「な、何・・・。」
「今日のおばさんを見てわかったと思うけど、たまにおばさん暴走してしまう事があるから、このままじゃちょっと嫌だなって涼平くんも思うでしょ。だから、そんな悪いおばさんにはもっと厳しいお仕置きが必要だと思うから・・・要するに、来年からでいいからペンペン会のお尻ペンペンを思い切って100回にしましょう!まあでも、おばさんは授業参観日でのペンペン会で一度経験してるし、涼平くんも2日間で100回叩かれた事があるしね。それに涼平くんも来年には6年生になるし、最上級生として気を引き締めるためにもいいと思うんだけど・・・ちょっと唐突すぎるかな?」
「・・・う、うん・・・いいよ。」
「そうよね、やっぱりそれはゆっくりと考えてもらうほかない・・・って、マジなの、涼平くん!」
予想外の涼平からの承諾に久子は再度涼平に確認すると、今度はコクリとうなずいた。それもそのはず、涼平の脳裏には久子がパドルをへし折った光景が鮮明に残っていたため、久子の頼みを断るとあの凄まじいパワーでまた何かされるんじゃないかという恐怖があったからだ。しかし、久子はそんな涼平が抱く恐怖を知る由もなく、心から喜ぶのであった。
「さってと・・・今日は色々あったけど、お腹も減ったことだし出前でピザでも取ろっか!」
「・・・え?わーい、ピザ大好きー!」
やはりまだまだ子供なのか大好物の食べ物に反応し、先程までの恐怖がすっかりと消え、喜びを露にする涼平。ちなみにまだ涼平は久子の膝の上でお尻丸出し状態のままである。
「フフフ、ここのピザには名物があるのよ。」
「名物?」
「そうよ、[野菜嫌いの子も大好きになれる野菜たっぷりカラフルピザ]ってのがね。」
「野菜たっぷり・・・カラフル・・・も、もしかして・・・。」
「はいその通り、パプリカがたーっぷり入ってるピザよ。チーズにも合うし見た目もすっごく綺麗なんだから。」
想像した通りの答えを聞き、涼平は背筋をぞくぞくさせる。
「・・・あ、いけない!僕、これから用事が・・・。」
「ふーん。朝来たとき、今日は1日ヒマだって言ってたのに?」
「え?それは、その・・・アハハハハ。」
「こらっ、涼平くん!」
「は、はいっ!」
「パプリカから逃げちゃだめ!だからお仕置きされたんでしょ?」
「でも・・・。」
モジモジする涼平に対して久子は、
「どうやら来年からじゃなく、今すぐお尻百叩きのお仕置きをしなくちゃいけないみたいねぇ。」
そう言いながら怖い目で涼平を睨みつけると、スッと右手を振上げ、あざが残る真っ赤なお尻目掛けてその手を振り下ろそうとした。すると、
「わー!待ってぇー!!僕、パプリカ大好きー!!!」
慌てふためく涼平の大声に久子は寸前で手を止め、そのままお尻を優しく撫でる。
「もう、素直じゃないんだから。いい子いい子。」
今度は一転して笑顔になった久子を見て涼平は、
(あー怖かった・・・でも、もし僕が何も言わなかったら本当にお仕置きされてたのかなぁ・・・ハハハ・・・)
そんな疑問を感じつつ、自分もつられて笑顔になってしまうのだった。





その後、パプリカ入りのカラフルピザを美味しそうに食べる涼平とその様子を見て嬉しそうな久子。どうやら食わず嫌いだったようであり、その味に満足した涼平は、久子の膝の上で痛むお尻を優しく撫でてもらいながら、時間の許す限りたっぷりと甘えていたそうである。