ジェラシー(F/m)
秋風が吹き、山の紅葉ももうすぐ見ごろを迎える。夏の面影はすっかりと消え、季節の移り変わりの早さが感じられる。また、外を歩く人々の服装も長袖やコートを着ている人が大半であり、寒さもだんだん厳しくなってきた。
そんなある日曜日、百合は自宅のリビングにて一人の女性と紅茶を飲みながら談笑している。
「しっかし、晴美に会うのは本当に久しぶりね。」
「そうですね。先輩の旦那のお葬式以来だから・・・かれこれ5、6年ぶりですかね。あれから、私は仕事や育児に忙しくなったんで、なかなか時間ができなくて・・・。」
「そんなこと気にしなくていいわよ。ところで、絵美は相変わらずスタイルがいいわね。羨ましいわ。」
「それを言ったら先輩にはかないませんよ。スレンダー美人って感じで。私なんか、これでも少し太っちゃったんですよ。」
「でも、その太った分はほとんど胸にいってるんじゃないの?私よりふたまわりくらい大きいし、できることなら少しだけでも分けてほしいくらい。」
「そんなことないですー。顔や太もも、それに、お腹も結構きてますって!」
「ウフフフフ。」
こんな会話が交わされている。
彼女の名は山野晴美。百合の高校時代の1年後輩にあたる。
二人は共にバスケットボール部に所属し、それぞれ2、3年生の時にIHに出場し、主力として活躍した。さらに、絵美に至っては百合よりも5cmほど高い176cmの身長を武器に2年生ながらエースとして君臨した。
そんなこともあり、二人は大変仲がよく、先輩後輩というよりも親友といっていいくらいの間柄であった。
そして、晴美もまた結婚し、現在は1児の母親である。今回は、晴美の夫が子供を連れて行楽地へと遊びにいったため、その時間を利用しての懐かしの再会となった。
晴美は髪型はショートカットで少し茶色に染めており、グレーのVネックのワンピースを着こなし、ストッキングをはいている。さらに、ファッションとして、腰にはフリル付きのサロンエプロンを着けている。スタイルに関しては背が高くてグラマーな体型であり、同じく背が高くスタイルに多少自信がある
百合でさえもうらやむほどの姿であった。
一方、今日の百合は長い黒髪を後ろで束ね、白の薄手のセーターにデニムのタイトスカート、さらにベージュのエプロンを着けており、家の中とはいえファッションには多少気を使っているのがうかがえる。
「ところで、晴美の子供、だいぶ大きくなったでしょ?私は赤ちゃんだった頃見たきりだけど。」
「ええ。祐介は今年で8歳になりました。」
「ということは・・・小学2年生ね。男の子だと食べ盛り、遊び盛りで大変でしょ?」
「大変も大変ですよ!幼児の頃も大変だったけど、今はさらに自由に動き回って手が付けられないわ!物は壊す、悪戯はする・・・本当に悪ガキですよ!」
「フフフ。元気があっていいじゃない。」
「それはそうですけど、でも最近は悪戯がエスカレートしてきたもんだからこの前、床に正座させてお説教したんですよ。その時は泣いて反省しているように見えたけど、次の日にはまた元通りって感じで全く懲りてないんですよ。パパにも叱ってやってと言うんですけど、パパは私以上に甘々なんで・・・。」
「ふうん。晴美もちゃんと母親やってんのね。でもね、子供はちゃんと顔をあわせて悪い事はいけないと言って聞かせればある程度は理解してくれるわ。まあ、それでもダメな時は・・・親としてちょっと厳しいことをする決断も必要だと思うけど・・・。」
「へえ。さすがですね、先輩。そんなふうに考えられるなんて、まるで子供を育ててきた母親って感じですね。先輩、子供いないのに・・・。」
晴美は百合の言葉に感心する。すると、百合は晴美にとって驚きの言葉を口にする。
「子供?・・・いるわよ。」
「うえーーっ!!嘘?」
思わず大声をあげる晴美。百合はさらに話を続ける。
「え?え?どうして?まさか・・・再婚?隠し子?」
「馬鹿ねえ。そうじゃないの、話は最後まで聞いて。」
「あ、はい。すいません。」
百合に促され、晴美は落ち着きを取り戻す。
「子供っていっても・・・同じ町内の子よ。良男くんっていうんだけど、小さいころからよく家に遊びに来てくれるの。」
「へえー。良男くんていくつなんですか?」
「えーと、小学3年生だから9歳かな。だから祐介くんより1つ上ね。あの子、早くに両親を亡くしてね・・・今はおじいちゃんとおばあちゃんと3人暮らしなのよ。」
「両親がいないんですか・・・かわいそうですね。」
「でもね、あの子はそれにもめげずに頑張ってるわ。小さくて、可愛くて、優しくて、素直でとってもいい子なんだから。」
「なるほど。先輩にとって良男くんは我が子のような存在なんですね。」
「うん・・・。前にね、良男くんに「百合おばさんがママだったらいい」って言ってくれたことがあるの。そのときは、涙が出るくらい嬉しかった・・・だから、私決めたの。良男くんの前では母親のような存在になってできる限りのことをしてあげようってね。」
しみじみと語る百合。それに対し、晴美は羨ましげにこう言った。
「・・・いいなあ。先輩にそんなに言わせるだけのいい子なんですね、良男くんて。ふぅ・・・祐介にも今の言葉を聞かせてやりたいわ。」
ため息をつきながら話す晴美を見てクスクスと笑いながら百合は再び話を始めた。
「ウフフ。だけどね、良男くんもまだ子供だから粗相をするときは少なからずあるわ。その時はね、きちんと叱って言い聞かせるんだけど・・・すごく反省が必要なくらい悪い子になっちゃったときは・・・お仕置きするの。」
「え?お仕置きって?」
「お尻ペンペンよ。」
「えー!お尻ペンペンってお尻を叩くんでしょ?実の子ならともかく、いくら母親代わりといったって少し厳しいんじゃないですか?」
もっともな意見を言う晴美に対し、百合はこう答えた。
「確かに私も最初はそう思ったわ。でも、こうなった原因は良男くんなのよ。」
「へ?」
「前にね、良男くんが自分の友達が母親からお尻ペンペンされてるのを見て、もし自分がされたら・・・っていう話を私にしてきたの。それならと思って私は良男くんに形だけでもしてあげようかってことになって、私の膝の上に良男くんをうつぶせにして、お尻を丸出しにしてペンペンしたの。あ、もちろん本気では叩かないわよ、そのときはね・・・。」
「・・・・。」
晴美は黙って百合の話を聞いている。
「で、しばらくして良男くんが言ったのよ。「百合おばさんならお尻ペンペンされてもいい。もし僕が悪い子になったら百合おばさんがママになっていい子になるようにお仕置きしてほしい」ってお願いされて・・・。私、嬉しくて嬉しくて・・・即OKしちゃった。」
「ふぇー。そんないきさつがあったんですか。」
「そうなのよ。そしたらね、そこで良男くんてば急に最近自分がしでかした悪い事を私に話し出したのよ。」
「え?なんで・・・ってまさか・・・。」
「そのまさかよ。良男くんは好奇心旺盛だから、魔がさしたんでしょうね。私の膝の上にお尻を出したままそんな事を言っちゃったら・・・私のやるべきことは一つよね。」
「で、それから先輩は良男くんに・・・。」
「そう。即お仕置き執行よ。反省するまで思いっきりお尻を叩き続けたわ。終わったときには、良男くんのお尻は真っ赤っ赤。顔をぐしゃぐしゃにして泣いてた。最初にしては厳しすぎたって私も反省したわ。」
「ひええー。最初からそんなことして嫌われませんでした?いくら仕掛けたのが良男くんだからって。」
「うん。私もそうなるのが一番怖かった。だけど、良男くんはそれでも「百合ママの前ではいい子でいたいって。お尻ペンペンは痛くて嫌だけど、また悪い子になったら百合ママにお仕置きしてほしい」って言ってくれたのよ。」
「ひゃー!しっかりしてる子だわ良男くんは。そんなこと小学3年生じゃ普通言わないですよ。」
晴美は驚きの声をあげる。
「そうかもね。ウフフフ。」
そう言うと、百合は一人で笑い始め、良男のことをしばらく考えていた。
(良男くん。今、何してるかな?こんな話してたら、会いたくなっちゃったなぁ・・・)
そんな話を聞いた晴美は、百合が一人で物思いにふけっている間しばし考えごとをした。すると、
「よし!決めた!」
突然、晴美は大声をあげると百合はびっくりして我に返った。
「え?なんなのよ、突然大声出して?」
「私もお尻ペンペンする!」
「は?」
「私も祐介が悪い子になったら、先輩みたいにお尻ペンペンすることにします。体罰は虐待ってみられるから今まで避けてたけど・・・よく考えたら頭や顔を叩くよりはお尻を叩く方が比較的安全だと思いますし。」
「まあ、そうかもね。お尻はお肉が多いから。」
「さあ、そうと決まったら早速実行!待ってろよ、祐介!」
晴美はそう意気込むと両手の指の骨を鳴らす。
「まあ、ほどほどにね・・・。私も人のことは言えないけど。」
晴美の意気込みに押されながら、百合はポツリと言った。
ところが、そんな晴美であったがなぜか急にテンションが急降下する。
「とは言ったものの・・・よくよく考えたら私、お尻ペンペンしたこともされたことも一回もないんですよねぇ。」
「そうなの?」
「だから、そんな私がいきなり祐介にお尻ペンペンできるのか不安になってきちゃいました。」
「だ、大丈夫よ。私もテレビでしか見たことなかったから見よう見まねでやったし。」
「でもですねぇー。・・・うーん。」
「・・・・。」
再び考え込む晴美。無言になる百合。そして数分後、晴美の方から話し始める。
「先輩!お願いがあるんですけど。」
「え、何よ。急に改まって?」
「先輩が良男くんにお尻ペンペンするところ、見せてくれませんか?」
「な、何ですって!?」
思いのかけない晴美の頼みに驚く百合。
「今後の子供の教育のために。お願い、先輩。」
晴美は両手を合わせてさらに百合に嘆願する。
「だめよ、そんなこと。第一、良男くんに対していきなり、「お尻ペンペンします」なんて悪い事をしてない子に言えるわけないでしょうが。」
「わかってます。でも、そこをなんとか・・・。」
「んー、もう。無理言い過ぎよ、晴美は。」
晴美の真剣な態度に、だんだんと心動かされる百合。普通に考えれば無茶なお願い。百合は考える。悪い事をしてない子に対しては無理であっても、こちらで悪い事をさせちゃうように仕向ければ・・・。
晴美は考え込んでいる百合の顔をしばらくじっとみつめていた。そして、
「・・・わかったわ。」
「え?本当ですか?」
「うまくいくかはわからないけど、なんとかしてみましょう。」
「お願いします。先輩!」
「ならば、これから準備でもしましょうかねぇ。」
百合は良男への罪悪感を持ちながらも、後輩の頼みにこたえるべく、「お尻ペンペン作戦」の実行に取り掛かった。
百合は晴美にその作戦を説明する。まずは家にいるであろう良男を呼びだす。そして、百合の家にきた良男に対し、百合は自分はこれから少し出掛けてくるからと言って家の中で待っててもらう。リビングにはおやつをテーブルに置き、百合は私が戻ってきたら一緒に食べようと良男に念を押す。そして、良男は我慢できずにつまみ食いをする。それを帰ってきた百合が指摘する。良男、謝る。しかし、百合は約束を破ったことは許しませんという流れで、お尻ペンペン開始。そして、それをリビング脇のクローゼットに前もって隠れている晴美がその光景を目に焼き付ける・・・というものである。
「しかし、引っ掛かるんでしょうかね?こんな子供だましなんかに。」
「うーん。まあでも、良男くんはしっかりしてるけど、まだまだ子供だから・・・大丈夫よ。多分。」
「そうだといいですけどね。」
「よし、さっき良男くんに電話したら、ちょうど僕も行きたいと思ってたって言ってOKもらったし、そろそろ来るだろうから・・・晴美、すぐに隠れてもらえる?」
「はい、わかりました。」
そう言うと、晴美は少し狭く感じるクローゼットに入ると内側から扉を閉め、その隙間からリビングの風景を覗けるように調整する。
「先輩、いいですよ。」
「じゃあ、これから良男くんがくるけど決して物音は立てないように。見つかったらおしまいだから。」
「わかってます。」
晴美は少しドキドキしながら、暗いクローゼットの中でじっと待っていた。
「良男くん、いらっしゃい。」
「こんにちは、百合おばさん。」
玄関で元気よく挨拶する良男。走ってきたのか、からだから白い湯気がでている。チェックの長袖シャツに紺色の半ズボンを着た元気な男の子である。
「来てもらって悪いんだけど、おばさん、ご町内のお家に少し用事があって行かなければならないから、中で少し待っててくれる?すぐ戻るから。」
「うん。わかった。」
「あと、リビングのテーブルの上におやつを置いといたけど、おばさんが帰ってきたら一緒に食べようね。」
「うん!」
何も知らず元気にうなずく良男。百合を見送った良男は早速家の中へと入っていった。
洗面所で手を洗った良男は、リビングに入り椅子に座る。テーブルにはおやつとして晴美が手土産として持ってきたドーナツとポテチがお皿の上に盛られていた。
(おいしそう・・・)
良男はそう思いながら、落ち着かない様子でおやつを見つめていた。
(あの子が良男くんか・・・からだの大きさはうちの祐介と同じくらいかな。おやつに気をとられてモジモジする姿がすっごく可愛い。これならつまみ食いも時間の問題かな・・・)
晴美はそんな感想と期待をもって良男をじーっと見ていた。
しかし、そんな晴美の思惑とは裏腹に、良男は最初こそチラチラおやつを見ていたが、そのうちに全く目にも止めなくなり、ほおづえをつきながらボーッとしだすと、ついには少しも動かなくなった。そして、そんな状態が10分以上続いた。
(あちゃー。こりゃ無理そうだねぇ。先輩、子供をナメ過ぎ。でも、うちの子だったら間違いなく引っ掛かるのになぁ・・)
晴美は狭くて暗いクローゼットの中で下を向き、落胆した。
そして、ようやく百合がリビングに入ってきた。
「ただいま、良男くん。遅くなってごめんね。おなかすいたでしょ?ちゃんといい子になって待っててくれたかな?」
「うん。」
「ほんとにー?我慢できなくてつまみ食いしてたんじゃないのー?」
「ううん。ちゃんと待ってたもん。」
「ふーん。」
百合は良男を茶化しながら、おやつの方に目を向けた。すると、ドーナツは出掛ける前の個数と同じであり、ポテチの盛りも変化が無いように見える。
(あらららら。何もかわっていないみたい・・・)
百合はそう思いながら、再度確認すべくクローゼットの方へそそくさと向かった。その行動を不思議そうに見ている良男。
そして、クローゼッの中にいる晴美に小声で話し始める。
「ちょっと。良男くん、何も食べなかったの?」
「全然。ちっとも。」
「うわー。とんだ計算違いだわ。」
「ていうか、最初から無理だったんですよ。こんな姑息な手段じゃ。」
「何よ。あなたのためにやったことでしょ。」
「まあ、頼んだ手前さっきは何も言いませんでしたけどね・・・ところで次の策はあるんですか?」
「・・・ないわよ。」
「ふーっ。・・・とんだ見切り発車でしたね。」
「何ですって!」
こんな口ゲンカが行われている中、百合の背後から声がした。
「百合おばさん。一人で何しゃべってるの?」
「うわっ!!」
「うわっ!!」
いつのまにか自分の後ろに立っている良男の声に驚く百合。そして、その百合の声にびっくりした晴美はクローゼットの中で思わずバランスを崩す。
「きゃー!」
叫び声と共にクローゼットの扉が開き、晴美が百合と良男の前にバターンと倒れこんできた。百合は頭を抱え、良男は突然の出来事にポカーンとしている。
「えへへへ。こんにちは、良男くん。」
晴美は笑いながら良男に声をかける。
「お姉ちゃん、誰?」
当然の疑問。百合が慌ててフォローする。
「あのね、この人は晴美っていって・・・おばさんの後輩で友達なの。」
「ふーん。でも、どうしてこの中にいたの?かくれんぼ?」
良男の子供らしい言葉に対し、苦笑いを浮かべる二人。すると、
「先輩、もういいです。こうなったら素直に白状しましょう。」
「・・・そうね。これ以上困惑させたら良男くんに悪いもんね。」
こうして二人はこれまでのいきさつを良男に話すことにした。
あれから時間は過ぎ、リビングでは良男が黙々とおやつのドーナツを食べている。良男の向いの椅子には百合。隣の椅子には晴美が座り、良男になにやら話しかけている。
「ごめんね。良男くん、ごめんね。」
「ひどいや。ひどいや。百合おばさん。」
百合は手をあわせて何度も謝るが、良男はまだ怒っており、顔をプーッとふくらませながらやけ食いするかのようにおやつを食べ続けている。
「良男くん。百合おばさんを許してあげて。元はといえば私が悪かったんだから・・・ね?」
「・・・・。」
「ね。お願いだから・・・。」
そう言って、良男の頭を優しく撫でた。
「・・・うん。」
良男は大きくうなずく。
「ありがとう、良男くん。いい子ねぇー。」
晴美はさらに頭を撫でてやると、良男に笑顔が戻ってきた。
(さすが晴美。子供を上手にあやすのは一枚上ね。それにしても、良男くんたら・・・私があんなに謝ってもなかなか許してくれなかったくせに、何?あの変わりよう・・・)
良男が許してくれたのは嬉しかったが、何か心がもやもやしている百合。そして、この後百合にとって信じがたい事態が発生する。
「じゃあ。私、そろそろ帰らないと。」
晴美は腕時計を見ながら、百合に言う。
「あら?もっとゆっくりすればいいのに。」
「はい。でも、家にやり残した仕事もあるし・・・。」
「そう?じゃあ、家の前まで見送るわ。」
百合は立ち上がり、リビングの出口に向かって歩き出す。そして、晴美は良男に話しかける。
「良男くん、今日はごめんね。私の変なお願いに振り回させちゃって。」
「・・・・。」
「祐介はちゃんと教育して、良男くんみたいないい子になるよう私、がんばるからね。」
「・・・・。」
晴美は黙って話を聞いている良男の頭を再び撫でる。
「さてと・・・。」
晴美が椅子から立とうとする。しかし、その瞬間、良男は晴美の着ているワンピースの袖を引張った。
「あれ?どうしたのかな、良男くん。」
晴美は不思議そうな顔をして隣の椅子に座っている良男を見る。そして、良男は椅子から降りて晴美の横に立った。
「あのね・・・晴美お姉ちゃん。」
「なあに?」
晴美はにっこりしながら良男の話を聞く。
「僕・・・今だけ・・・祐介くんになろうか?」
「え?どういうことかな?」
「つまり・・・晴美お姉ちゃんが・・・僕を・・・祐介くんだと思って・・・お尻ペンペンする・・・ってこと。」
「えー!」
「えー!!」
恥ずかしそうに言った良男の言葉に対し、驚く晴美。そして、それ以上に驚く百合。
「だってね、見るよりは実際やった方がよくわかると思ったから・・・僕。」
「それは確かにそうだけど。本当にいいの、良男くん?」
「うん・・・晴美お姉ちゃんは百合おばさんの友達だし・・・とても優しいから・・・。」
良男はモジモジしながら話す。そんな良男を見て晴美は良男の優しさを感じ取った。そして、
「それじゃ・・・私、お言葉に甘えちゃおうかな。いい?」
晴美の言葉に対し、良男はコクリとうなずいた。
その時、百合はそんな二人のやり取りをただ黙って見ているだけであった。
「じゃあ、良男くん。頼むわ。」
そう言うと、晴美は良男を自分の左側へ誘導した。どうやら晴美は左利きらしい。
次に、良男は晴美の膝の上にうつ伏せにさせられる。その時、バランスを崩して思わず手足を空中でバタバタした良男であったが、晴美はその良男のからだを右手でしっかりと押さえ、体勢を整える。
「お尻・・・出していいよね?」
晴美の質問に、良男は恥ずかしそうにうなずく。
晴美は良男の半ズボンとパンツに手をかけ、ゆっくりと膝のあたりまで下ろした。すると、小さくて白い二つのお尻の山が
あらわになった。
「うわー。めっちゃ可愛い。」
晴美の感激する声に顔を赤くして照れる良男。
「こんな可愛いお尻を叩いているなんて、先輩も鬼だなぁ。」
そう言いながら、晴美は良男のお尻を優しく撫でる。そして、ひとしきりお尻を撫でた後、
「ところで良男くん。いつも百合おばさんに何回叩かれているの?」
「え?うーん・・・30回くらい。」
「そう?なら、私も30回叩くからね。いい?」
「・・・うん。」
晴美の言葉にうなずく良男ではあるが、晴美のお尻ペンペンの威力は未知数であるため、寸前になって怖がってきているのが表情から見受けられる。
晴美は一つ深呼吸をし、肩や腕をぐるぐる回した。準備がひと通り終わると良男に向かってこう言った。
「祐介!」
「え?」
「いつも悪戯ばかりして!そんな悪い子にはママがお尻ペンペンします!」
そう言い終えると、晴美は左手をゆっくりと振り上げた。
ぺチン。ぺチン。パチン。
晴美の平手が良男のお尻を打ち続ける。
「今日という今日は許さないからね!」
ピシン。パシン。ペチッ。
晴美に叱責されながらお尻を叩かれる良男。お尻から小さな音が奏でている。
パン。パン。パシン。
休むことなくお尻を打つ晴美。しかし、音からでも想定できるが、晴美は本気で叩いていない。口では叱りつけながらも、良男に対して遠慮しているのがわかる。お尻も白から薄いピンク色に染まる程度であり、百合のお尻ペンペンの威力を知る良男にとっては余裕で耐えられるレベルといえる。
すると、20回叩いたところで良男の方から晴美に話しかける。
「晴美お姉ちゃん。」
「ん?」
「あのね、もっと強く叩いていいよ。僕、まだ大丈夫だから。」
「えー?でも・・・。」
「これだと・・・祐介くん、何度も悪戯しちゃうよ。」
「・・・・。」
しばらくためらいを見せる晴美であったが、ついに、
「わかったわ。」
決断した晴美の言葉を聞くと良男は晴美の膝の上で身を縮め、衝撃に供えた。
「いくわよ!」
晴美は今までより高い位置まで左手を振り上げた。そして次の瞬間・・・
バッチィィーン!
「ぎええー!」
もしかしたら外まで聞こえたのではないか思えるくらいの大きな音が部屋中に響き渡り、良男も想定外の痛みにより声にならない声を上げた。
バチィーン!バシィーン!バッチーン!ベチーン!
間髪入れず精一杯力を込めた連打がお尻に打ち込まれる。先ほどまで薄いピンク色をした良男のお尻は、急激に赤く染まりだした。
「ひいーっ!痛いーっ!」
良男は涙目になって耐える。良男はふと思った。晴美お姉ちゃんのお尻ペンペンはもしかしたら百合ママのより痛いかもしれない・・・と。
ビシィーン!バシィーン!ベチィーン!バチィーン!バッシーン!
「痛いっ!痛いっ!ごめんなさいっ!!」
良男は何も悪い事をしていないのにもかかわらず晴美に大声で謝った。
それだけ晴美の平手打ちが強力なのだろう。そして、お尻ペンペンはこれでちょうど約束の30回に達した。しかし、晴美はそれにかまわずさらに手を振り上げようとする。
「晴美!!」
ここで今まで黙って見ていた百合が大声で叫んだ。すると、晴美は我に返り、叩く手を止めた。
「やりすぎよ、晴美!良男くん、泣いてるでしょ。」
「え?あああ・・・!」
膝の上には、ぐったりとしている良男の姿があり、お尻は真ん中にかけて真っ赤に染まっていた。
「良男くん、ごめんね!ごめんね!私、つい夢中になって・・・。」
そう言うと、晴美は必死で良男のお尻を撫で続けた。しばらくお尻を撫でていると、
「晴美お姉ちゃん。これで・・・いい?」
良男の気づかいの言葉に対し晴美は、
「いいもなにも、本当にごめんね。でも、良男くんのおかげで少し自信が持てたわ。本当にありがとう。」
晴美は良男を見て笑うと、良男も同じように笑みで返す。
晴美は良男のお尻の痛みが和らぐまで、しばらくの間お尻を撫でていた。
そして夕方になり、家の前で晴美を百合と良男は見送りをする。
「先輩、今日はありがとうございました。」
「また近くまでこれたら遠慮なく寄ってね。今度は祐介くんを連れてね。」
「ええ。そうしたいと思います。」
晴美はしばらく百合と話した後、今度は良男に話しかける。
「良男くん。君には、本当にお世話になったわね。」
「・・・・。」
「お尻、大丈夫。痛くない?」
「うん、大丈夫。もう少ししたら良くなると思うから。」
「ウフフ。強い子。」
晴美は良男の前で中腰になり頭を撫でる。
「祐介が良男くんみたいにいい子になったら、ここに連れて来るから。そのときは一緒に遊んであげてね。」
「うん!」
良男は元気よく返事をする。
「ウフフ。可愛い。」
晴美は良男の額に垂れている髪をかき上げると、その額に軽くキスをした。
「・・・・!」
良男の顔が真っ赤になる。
「あらあら、顔がお尻より赤くなっちゃった。」
微笑む晴美に対し、良男は頭をポリポリかいて照れている。
「・・・晴美。じゃあまたね。」
百合はそんな二人のやりとりに割って入るかのように、晴美に一言いうと足早に家の中へ入っていった。
先ほどまでとは全く違う百合の態度。かなり不機嫌になっているようである。
良男はそれに全く気が付かなかったが、晴美は百合の表情や言動からある程度推測できた。
「あちゃー。私、先輩を怒らせちゃったかな?」
「え?どうして?」
「良男くんはいいの。これはこっちの話だから・・・ところで良男くんは、百合おばさんのこと好き?」
「え?うん。大好き!」
晴美のいきなりの質問に正直に答える良男。
「もう一つ聞くね。百合おばさんは良男くんにとってどんな人?」
「えっとね、優しくて温かくて・・・ママのような人!」
さらに百合に対しての直線的な気持ちを伝える良男に対し、晴美は呟いた。
「フフフフ。これなら全く心配いらないかな。」
「え?何が心配いらないの?」
「何でもないわ。」
「ふうん。」
良男はどうして晴美がこれらの質問をしたかがわからず首を傾げていた。
そして、晴美はそんな良男に対して最後にこう言った。
「良男くん。ひとつ私と約束してくれる?」
「約束?何を?」
「百合おばさんの言う事を聞く事。百合おばさんに優しくする事。そして、百合おばさんを悲しませない事。どう?約束できる?」
「うん、約束する!」
「よし!約束の握手!」
晴美と良男は約束の証としてがっちりと握手をした。
「それじゃ、良男くん。百合おばさんによろしくね。バイバーイ!」
「晴美お姉ちゃん、バイバーイ!」
晴美は着ているコートをなびかせ、手を振りながら去っていき、それを良男は見えなくなるまで見送った。
良男は晴美を見送ると、すぐさま百合の家に入っていった。すると、リビング隣の台所のシンクの前に立っている百合を見つけた。そして、台所にきた良男は百合に向かって笑顔で話しかける。
「百合おばさん。晴美おねえちゃんがよろしくって言ってたよ。」
「そう・・・。」
百合は良男の方を向かず、背中を向けたまま返事をする。その元気のない声に良男は心配そうな顔をする。
「どうしたの。百合おばさん?」
そう問いかける良男であったが、百合はすぐには返事をせずに、お皿を2、3枚洗い始める。しばらくの間、重い空気が流れ、呆然と立っている良男。そして、ようやく百合が口を開く。
「やっぱり良男くんも、若くて綺麗なママの方がいいわよねえ。」
「え?」
百合の突然の言葉に全く理解不能の良男。百合はさらに話し続ける。
「晴美はいいわよねえ。スタイルもいいし、私なんかと大違いだわ。」
さらに自虐的な言葉を並べる百合。それに戸惑う良男。
「良男くんたら、晴美と話しているときなんかすっごく楽しそうだったし。」
「・・・・。」
「1つ年が違うと扱いも違うもんね。私は「おばさん」晴美は「お姉ちゃん」か・・・。」
「・・・・。」
「それに、晴美にお尻ペンペンされてたとき、私にされるよりもいいなって正直思ってたんじゃないの?晴美は昔から優しい子だったから・・・。」
「・・・・。」
百合の良男に対する意地悪な言葉の連発に、良男は何も言えないでいた。しかし、次の百合の言葉が良男の心を大きく揺さぶることとなる。
「おばさん・・・良男くんのママでいる自信がなくなっちゃった。良男くんのママとして良男くんに接するのは・・・もうやめようかなぁ。」
百合はそう言うと、悲しい顔をしてうなだれた。
そんな百合を見て、良男は何を思ったか急に百合の方に向かって走り出す。
「百合おばさーん!」
「え?」
突然の大声に百合は思わず振り向くと、良男が自分の腰へ思い切りしがみついてきた。
「他の人がママじゃやだぁ!他の人がママなんて絶対やだぁ!百合おばさんがママじゃなくちゃやだぁー!うわぁーん!!」
「良男くん・・・。」
良男は百合のエプロンに顔を埋めて大声で泣き出した。
「晴美お姉ちゃんと約束したんだもん。百合おばさんの言う事は聞きなさいって。優しくしなさいって。あと、悲しませちゃだめだって・・・。僕、ちゃんと約束守るから、ママをやめるなんか言わないでよー!うえぇーん!!」
「・・・晴美がそんなことを。」
そんな良男の言葉を聞き、呆然とする百合。そして、しばらくたってから百合は何かに吹っ切れたような顔をして、自分の腰にしがみついて泣いている良男を抱き上げた。
「良男くん・・・私が悪かったわ。良男くんの気持ち、わかってあげられなくてごめんね。」
そう言いいながら、百合は良男の背中をぽんぽんと叩いてあやしてやると、良男は鼻をグスグスしながら泣き止んだ。
「良男くん。心配しなくても、私は良男くんのママだからね。もう二度とママをやめるなんて言わないから。」
「うん!」
良男は大きくうなずくと、百合の首に甘えるように抱きついた。
そして、百合は良男をだっこして、しばらくの間その温もりに喜びを感じるのであった。
数分後、外も暗くなってきて、家庭では夕食の準備が始まる時間となった。
百合は柱時計の時刻を確認し、これまでずっとだっこしている良男に対してこう言った。
「良男くん。もう夕食の時間だけど、これからレストランに行くからね。今日は良男くんにとても悪いことしちゃったから、今日は良男くんのお願いをいっぱい聞いてあげる。何でも好きなものを食べていいし、デパートで欲しい物も買ってあげる。だから、何でも私に言ってね。」
「何でもいいの?」
「もちろん!」
そして、そんな百合の太っ腹な言動につられ、良男は即答した。
「じゃあ、お尻ペンペンして。」
「うん、お安い御用って・・・えー!」
良男の思わぬ発言に百合は思わず大声をあげた。
「だめよ、良男くん。今日はずっといい子だったでしょ?」
「うん、でもね、僕にお尻ペンペンするのは百合ママだけなのに、今日は晴美お姉ちゃんにお尻ペンペンさせちゃったから・・・。だから、そのぶん晴美お姉ちゃんよりもたくさん百合ママにお尻ペンペンしてもらわなくちゃと思って・・・。」
「・・・・。」
そう言うと、良男はさらに強く百合に抱きついた。
百合は良男の言葉に一瞬言葉を失ったが、すぐに良男に対して笑顔を見せた。
「普通なら・・・お尻ペンペンされなきゃいけないのは私の方なのにね。」
そう言いながら、しばらく良男の頭を優しく撫でる百合。そして、
「よし!今日は良男から愛情をいっぱいもらったから、今度は良男のお尻にママの愛情をいっぱい注いであげる!」
満面の笑みを浮かべながら話す百合の言葉に良男はだまってうなずくと、
百合は良男をだっこしたままリビングへと向かった。
バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!
外は薄暗くなり、家々では明かりが次々と灯るのが確認できる。
そんな中、百合の家のリビングからは再び乾いた音が聞こえてきた。そこには、先ほどまで晴美が座っていた椅子に今度は百合が座り、その膝の上には、
うつ伏せにされ、半ズボンとパンツを膝まで脱がされてお尻を丸出しにされた良男がいた。
バチッ!バシン!バシッ!バチン!バシーン!
そして、百合は何度も右手を振り上げて良男のお尻を叩き続ける。
「・・・うっ、・・・ひいっ!」
叩かれるたびに声を上げる良男。しかし、今回のお尻ペンペンは、お仕置きとしてのお尻ペンペンと違い、百合は怖い形相ではなくむしろ穏やかな顔つきで黙々とお尻を叩いている。こう見ると、このお尻ペンペンは百合と良男にとってお仕置きというよりスキンシップ的な要素が強いことが感じられる。とはいえ、叩く強さについては極端に力を抜いているわけではなく、叩く音は相変わらず部屋中に大きく響き渡り、良男のお尻も叩かれるたび赤く染まっていく。
バシッ!ビシッ!ビシン!バチッ!バチーン!
お尻ペンペンの前に百合は回数を「70回」と良男に宣告している。これは、
晴美よりもたくさんということに加え、晴美からの30回を合わせると100回に
なり、キリがいいからという単純な理由から決められた。これにより、
良男は二人がかりではあるが初めての「お尻百叩き」を受けることとなった。
悪い事をしてないのにこんな仕打ちを受けている良男は可愛そうであるが、良男にとってはそんなことは関係なく、今は百合から注がれる母の愛情に喜びを感じながら、良男はお尻の痛みに耐えているのであった。
お尻ペンペンはついに60回に達した。良男のお尻は全体的に真っ赤になっているが、お尻の真ん中のあたりはさらに濃い赤になっているのがうっすらとわかる。これは、先ほど晴美により強く叩かれたところである。
良男のお尻の状態を確認しながら、百合は一呼吸置くとすぐに右手を高く振り上げた。
「良男!ママは晴美には絶対負けないからね!」
そして、良男にこんな言葉を放つと百合は右手をお尻めがけて振り下ろした。
バッチィーン!バチィーン!バシィーン!バッチーン!ベッシーン!
今までにないかもしれない強烈な平手打ちが何度もお尻に落ちる。
「びぇぇぇぇーん!」
良男はすぐさま泣き出した。そして、同時に良男はさっき百合ママが叫んだ言葉の意味を理解した。今の百合ママのお尻ペンペンの威力だったら、確かに晴美お姉ちゃんには負けない・・・と。
ビシィーン!バシィーン!ベチィーン!ベシィーン!バッシーン!
「うえぇーん!痛いよー!ママ、ごめんなさーいっ!!」
晴美のときと同じく、百合に対しても激しい痛みについ謝ってしまう良男。
そして、その瞬間、百合は叩く手をピタリと止めると、すぐに良男のお尻を撫でた。
「良男、ごめんね。よくがんばったね。いい子いい子。」
良男は百合から声を掛けられるとすぐに泣き止み、ほっとした表情を浮かべた。
良男のお尻は最後の10回の威力がよほど大きかったのか、晴美が叩いた部分が全くわからなくなり、熟れたリンゴみたく真っ赤に腫れ上がっていた。
「ところで、良男。ママと晴美のお尻ペンペン、どっちが痛かった?」
ここで、良男のお尻を撫でながら、百合は良男に唐突な質問をする。
「へ?えーと・・・同じくらい・・・」
良男はしばらく考えた後、返事を途中まで言いかけると、
「同じ?あららら、まだ愛情が足りなかったのかしら・・・。なら・・・。」
そう言うと、百合は少し引きつった表情で再び右手を高く振り上げた。すると、良男はピーンと殺気を感じた。
「わー!わー!同じじゃないです!ママの方が痛かったです!」
「やっぱり、そうでしょ。だめよ、ちゃんとはっきり答えなきゃ。」
必死の形相で言い直す良男。百合は機嫌を取り戻し再び良男のお尻を撫でた。
しばらくそのまま二人の母子としての時間が過ぎていく。そして、
「ねえ、ママ。」
「なあに?良男。」
良男の呼びかけに対し、お尻を撫でながら優しく声を掛ける百合。
「あのね、僕、これから絶対いい子になるから、ずっと僕のママでいてね。」
「ウフフフ。いきなり何を言ってるの。当たり前でしょ。」
「僕をおいて、いなくならないでね。」
「どこにもいきません!それに、この家はもう良男の家でもあるんだから。」
「あとね・・・あとね・・・。」
「なあに?」
「百合ママ・・・大好き!」
良男はそう大きな声で言うと、すぐさま下を向いてモジモジしだした。晴美に対しても同じ事を言った良男だったが、さすがに本人の前ではかなり照れくさかったのか顔がお尻と同じくらい真っ赤になっていた。
良男からの言葉に嬉しさを噛みしめながら、百合はお尻を撫でるのを一旦止めると、からだを屈めて自分の顔を良男のお尻に近づける。
「良男・・・大好き。」
百合はそう小声で言うと、良男の真っ赤なお尻に優しくキスをした。しかし、良男はずっと下を向いたままだったため、それに全く気がつかず、くすぐったさだけがお尻に残ったのであった。
秋が深まるこの時期に、百合と良男の母子の絆はさらにさらに深まった。