リアルお仕置きごっこリターンズ（エピローグ）
良男が小学校を卒業してから半年、百合は５つ上の同じ会社の人と再婚する。百合からその報告を受けて、良男は複雑な思いであったが、最後には百合の決断を尊重し、素直に祝福したのだった。
そして、その翌年には百合に待望の子供が授かり、その可愛い女の子は｢理沙｣と名づけられた。それからというもの、良男は百合の再婚後しばらくは百合の家に行くのを極力控えていたが、理沙が生まれてからはまた昔のとおり、百合の家をちょくちょく訪ねるようになった。また、百合の旦那との関係は最初はギクシャクしていたが、次第に打ち解けていった。
また、良男は中学を卒業してから高校、そして大学と共に地元の学校へと進学した。よって、定期的に百合の家へ行くことが可能な環境となり、良男は理沙をまるで妹のように可愛がった。一方、百合は本心は男の子が欲しかったのであったが、いざ初めて自分の子供を抱くと、そんな思いはすっかり消え、母親として愛情をたっぷり注ぎながら理沙をすくすくと育てあげていった。
そして、理沙が５歳になったある日、百合は初めて理沙に対してある行動を実行する。そう、お尻ペンペンのお仕置きである。百合のお尻ペンペンは数年のブランクがあったものの相変わらず強力であり、幼児の理沙では10回ほど叩かれただけで大泣きするほどであった。結局、このお尻ペンペンのお仕置きは、理沙が小学校を卒業するまで続けられ、良男もその間に目撃することもしばしばであった。
そして、そんな毎日が続く中、良男に転機がおとずれる。良男の就職先が決定したのだ。ところが、良男は地元での就職を希望して、地元に支店がある会社の試験を受けたのだが、会社は良男を地元の支店ではなく都会にある本店での勤務となった。それだけ良男が評価された証であるのだが、初めて地元を離れる不安からなのか、良男に笑顔はなかった。
するとさらに、ここで良男に悲劇が起こる。小さい頃から自分を育ててくれた祖母が亡くなったのだ。良男が高校生のときに祖父が亡くなってからはずっと二人で暮らしていたのだが、数ヶ月前から体をこわして入院し、ついに帰らぬ人となった。そして、祖母の遺言により財産は全て良男に贈与され、親族から物申す者もいなかった。しかし、そんなことは良男にはどうでもよかった。一人ぼっちになってしまい、思い出がたくさんあるこの地からますます離れたくなくなってしまった。
しかし、そんな悩んでいる良男を百合と理沙が精一杯励ました。そして、その二人の気持ちに応えるべく良男は地元を離れることを決めた。すると、良男はそう決めた矢先に驚きの行動に出る。なんと、大学卒業を目処に自分の住んでいる家と土地を売却し、百合の家の隣の空き地を買い上げたのだ。最初、百合はこの良男の行動の目的がわからないでいたが、その後、良男から、まじめに働いていつかこの地元に帰ってくる。そして、百合の家の隣に自分の家を建てて住みたいとの思いを聞き、百合はその良男の決意に深く感動し、良男を心から応援するのだった。
数ヵ月後、良男は大学を卒業して都会へと旅立つ日がきた。駅には、百合と来月から小学3年生になる理沙が見送りに来ていた。良男が電車に乗り込むと、理沙は大粒の涙を流しながら両手を振り、その隣で百合は自分の背丈よりも大きくなり、素晴らしい大人へと成長した良男に向かって笑顔で手を振った。そんな二人に良男は手を振ってこたえ、長く住んだこの地を後にした。
時はたって16年後の4月初旬・・・良男はついに所属会社の支店長として地元へと帰ってきた。百合の家の隣にある良男の土地にはすでに新居が完成しており、準備は着々と進められている。
今年で39歳となる良男は、十数年前に都会で知り合った女性と結婚し、今や一児の父である。しかし、残念ながら母親は子供を生んですぐに病気で亡くなってしまい、現在は父子家庭となっていた。しかし、そんな苦難の中、その男の子｢優太｣は父親に似て元気で明るい子へと育っていた。年は8歳でこの4月から小学3年生になる。そして、そんな二人を隣人となった百合と理沙は暖かく迎えてくれた。
百合はハツラツとしていて、とても還暦をすでに過ぎたようには見えないほど若々しくみえる。一方、理沙はというと大学を卒業して、今は地元の会社のOLとして働いている。今年の夏に25歳を迎えるが、その風貌は若き日の百合をほうふつさせるほどであり、背も百合と同じく170cmを超え、セミロングの黒髪が似合うスタイル抜群な美しい女性へと成長していた。しかし、こちらも残念なことに父親が5年前に他界し、今は百合と理沙の二人暮しとなっている。
｢おかえりなさい、良男くん。｣
｢おかえりー、良男兄ちゃん！｣
｢ただいま、百合ママ。それに理沙も。｣
百合と理沙がにっこりして声を掛けると、良男も笑みを浮かべながら返事をする。
｢それと・・・優太くん。ようこそパパの故郷へ。｣
｢あははー。優太くん、こんにちはー。すっごく久しぶりだけど、大きくなったねぇ。｣
良男のズボンを掴みながら、良男の後ろに隠れるようにモジモジしている優太に対し、二人は優しく声を掛ける。
｢ほら、優太！挨拶しなさい！理沙お姉ちゃんはずいぶん前に会っただけだから覚えてないかもしれんが、百合おばちゃんには何回か会っているだろ？｣
良男は少し厳しく注意すると、優太はおそるおそると百合と理沙の前に出てきた。
｢・・・こんにちは！｣
優太は大きな声で挨拶して、ペコリと頭を下げる。
｢はい、こんにちは。きちんと挨拶できたねー、いい子いい子。｣
そう言って、百合は中腰になり優太の頭を撫でる。
｢この子、きっと理沙に照れているのよ。前に理沙に会ったのは優太くんはまだ言葉が満足に話せなかった時だから、多分覚えていないわよ。」
｢ふうん。でも、こいつは人見知りはしない方なんだけどなぁ。だから転校すると伝えたときもいやな顔ひとつしなかったのに・・・何でかな？｣
｢それは、私が美人すぎると感じたからじゃない？｣
｢それはない。｣
｢ないわね。｣
理沙の言葉を同時にあっさりと否定する百合と良男。
｢何よ、二人して。冗談に決まってるじゃない、もう！｣
理沙は機嫌をそこね、そっぽを向く。
｢とにかく、また同じ町に一緒に住めるわけだから・・・またこれからもよろしくね、良男くん。｣
｢はい。よろしくお願いします。｣
｢おーい、優太くーん。学校がお休みの日は遊びにおいでね、理沙お姉ちゃんがいつでも待ってるから。｣
理沙はそう言いながら、優太に向かって手を振った。
｢・・・うん。｣
良男は小さな声で返事をする。
｢コラ。もっと大きな声で返事しろ。｣
｢いいのよ、良男くん。今日来たばかりでまだ優太くんも戸惑っているのよ。まだ少し時間が必要かもしれないけど、きっと大丈夫。ねえ、優太くん。学校に慣れてきたら遠慮なくおばちゃんの家に遊びにきて、いろいろお話しましょうね。｣
｢うん！｣
百合の言葉に今度は大きな声で返事をする良男。
｢あーん。私のときと全然態度が違うー。｣
｢大丈夫よ、理沙。少しずつ接していけば優太くんもきっとなついてくれるわよ。｣
｢そうだといいんだけど・・・。｣
こうして、良男と優太の新たな生活がスタートした。
良男は、支店長として多忙な日々が続き、一方、優太は持ち前の明るい性格から新しい友達もでき、学校にもすっかり慣れていた。そして、休みの日や良男が仕事で遅くなる日には、優太は百合の家に行き、食事したり遊んだりして過ごすようになった。最初の頃は、百合にばかりくっついていた優太であったが、理沙の元々子供好きで優しい性格に次第に心を開き、1ヶ月過ぎた頃には理沙の方にべったりするようになり、ついには理沙の膝の上に座るなどして
甘えるほどになった。そして、理沙もそんな優太を心から可愛がっていた。
そして・・・そんな理沙と優太に運命の日が訪れる。
優太の学校も含むほとんどの学校が夏休みへと突入した7月のある日、優太は百合の家のリビングにこの日お休みをとって会社を休んでいた理沙と一緒にいた。ブルーの半袖と黒色の半ズボンを着て、いかにも夏らしい格好の優太。
一方、理沙はオレンジの半袖Tシャツに紺色のロングスカートさらに先ほどまで台所でおやつのクッキーを作っていたため、ピンクのエプロンを着けている。そんな二人は、向かい合って椅子に座り、クッキーを食べながら楽しそうに話をしていた。
ところで、百合はというと町内会の2泊3日の温泉旅行に行ったため、来週の日曜日まで帰ってくることはなく、良男は会社の都合でこの日から本社へ行かなければならず、同じく日曜日まで家には戻ってこない。すると、そのことを事前に知った理沙は優太に百合と良男が帰ってくるまで家に泊まることを提案し、優太は大喜びした。理沙がこの日休みをとったのもこのためであり、理沙は土日を含めた3連休を優太と共に過ごすこととなった。二人は様々な話題で盛り上がっていると、
｢ねえ、理沙お姉ちゃん。どうして、パパは百合おばちゃんのことを｢ママ｣って言っているの？｣
優太は理沙にふとこんな質問をする。
｢うん。それはね、良男パパは幼い頃にパパとママが亡くなってね・・・だからうちのママが良男パパの親代わりになってたんだって。｣
｢ふうん。｣
理沙の言葉に優太は納得する。
｢優太くんは・・・ママがいなくて寂しくない？｣
今度は理沙の方から優太に問いかける。そして、優太は少し考えてからゆっくりと話しだした。
｢うん。やっぱり少し寂しいけど・・・僕は全然平気だよ。パパがいるし、百合おばちゃんがいるし、それに・・・理沙お姉ちゃんもいるしね。｣
そう言うと優太は理沙の方を向いてにっこりと笑った。しかし、そんな笑顔の影に一瞬少し寂しそうな表情をしたのを理沙は見逃さなかった。
（そうよね・・・。普通だったら、まだまだママに甘えたい子供だもんね。悪い事聞いちゃったかな？）
しばらく沈黙する二人。何か考え事をしている理沙を優太は不思議そうにじっと見つめている。すると突然理沙は顔を上げ、優太の方を向いてこう言った。
｢優太くん。もし良かったらでいいんだけど・・・私が、優太くんのママになってあげようか？｣
｢えっ！！？｣
思いがけない理沙の言葉に驚く優太。理沙はさらに話を続ける。
｢あ、でも私が優太くんのママでいるのは、二人っきりのときだけね。良男パパや百合おばちゃん、それに他の人の前ではいつもの｢お姉ちゃん｣でいるけどね。｣
｢・・・・。｣
｢だから、今みたいなときは私が優太くんの｢ママ｣になっていろんなことをしてあげる。そのとき優太くんは、私を｢ママ｣だと思って好きなだけ私に甘えてもいいわ。｢お姉ちゃん｣のとき以上にね。｣
｢・・・・。｣
理沙の話を黙って聞く優太。その表情には嬉しさがもう隠しきれないでいるのがわかる。生まれてすぐに亡くなったママの存在を大好きな理沙お姉ちゃんに感じとれるかもしれないという期待をして・・・。
｢どうかな？優太くん。｣
｢うん！｣
理沙の提案に優太は二つ返事でOKする。
｢よかった。じゃあこれからもよろしくね、優太。｣
｢うん、ママ。｣
早くも二人の間では母と子の会話へと変化していた。すると、理沙は何か思い出したかのようにハッとした表情を浮かべる。
｢あ、そうそう、言い忘れたんだけど・・・。｣
｢何？｣
｢優太がいい子のときはね、ママがさっき言ったとおり優太が望むことはできるだけしてあげるけど、もし、ママの言う事を聞かなかったり、いたずらとかしたりして悪い子になったときは、ママは許しません。悪さの度合によっては・・・厳しくお仕置きするからね。｣
｢え？｣
理沙のいきなりの厳しい言葉に少し怯える優太。すると、優太はおそるおそる理沙にたずねる。
｢・・・お仕置きって何をするの？｣
｢そうね。優太みたいな小さな子にはやっぱりお尻ペンペンが一番ね。｣
｢！！｣
優太は絶句する。
｢驚いた？でも優太の友達の中にも何人かは同じ事されてるんじゃないの？｣
｢うん。前に友達がママに叩かれたってお尻痛そうにしてたの見たことあるから・・・僕だったらいやだなぁと思ったことあるし。｣
｢あれ？その言葉を聞くと、もしかして優太はお尻ペンペンされたことってないの？｣
｢うん。｣
｢良男パパにも？｣
｢うん。パパにはたまに怒られたりするけど叩かれたことはほとんどないし・・・先生にもないし。｣
｢そう・・・。｣
｢ママは子供の頃、お尻ペンペンされたことあるの？百合おばちゃんとかに。｣
今度は逆に優太が質問すると、理沙を顔をしかめながらこう答えた。
｢それはもう・・・散々お尻をぶたれたわ。ママの膝の上でお尻むき出しにされて、私、ワンワン泣いちゃった。良男兄ちゃんにもその姿を見られたことが何度かあって、すごく恥ずかしかったことを今でも覚えてるわ。｣
｢へぇー。｣
｢まあそれでも、そのお仕置きがあって今の私があるのかなって思ってるわ。
そんなに悪い子にならなかったまま大人になることができたかなってね。｣
｢・・・・。｣
｢だから、優太にも立派な大人になってもらいたいから、もし悪い子になったらお尻ペンペンしてお仕置きしようかと思ったけど・・・どうしようかな？良男パパにも叩かれた事ないのに、私が優太をお尻ペンペンするのもどうかと思うし・・・誰でも痛いのは嫌だしね。｣
｢・・・・。｣
優太は無言で理沙の話を聞く。
｢ねえ、優太くん。やっぱり私、優太くんのママになるのやめようかな。私から言ったことなのに申し訳ないけど・・・。｣
｢お姉ちゃん｣に戻った理沙の言葉に対し、優太は即座に大きく首を横に振った。
｢僕、大丈夫だよ。確かにお仕置きされるのは嫌だけど・・・僕、お仕置きされないようにいい子になるから。だから、僕のママになってよ、ねえ、ねえ。｣
｢優太くん・・・。｣
優太は自分の気持ちをはっきりと理沙に伝えると、その言葉が理沙の迷いを吹き飛ばした。
｢ありがとう、優太。言い方は変だけど・・・私、立派な優太のママになれるように頑張るからね。｣
｢うん！｣
理沙の決意の言葉に優太は再び元気よく返事をする。
（ふぅ。でも、本当の本当に優太くんのママになれたら嬉しいんだけどなぁ。でも、良男兄ちゃんは昔と同じでまだ私を子供扱いしてるから、私のことどう思っているのかわからないし・・・道はかなり険しいかな？）
そう思いながら笑みを浮かべて優太を見つめる理沙。すると、優太は物思いにふけっている理沙に対し、こんな質問をした。
｢ねえ、ママ。｣
｢・・・え、な、なあに？｣
理沙は少し驚いて返事を返す。
｢・・・お尻ペンペンって、どれ位痛いの？｣
｢えっ？｣
思いもよらない優太の言葉に一瞬言葉を失う理沙。
｢だって、ママは昔、百合おばちゃんにお尻ペンペンされていたんでしょ。僕はされたことないから全然わからないし・・・。｣
｢・・・うーん。｣
腕組して考え込む理沙。
｢・・・・。｣
考え込む理沙をじっと見つめる優太。そして、
｢わかったわ！優太。｣
｢え？何が？｣
いきなりの理沙の大声にびくっとする優太。
｢これから、お尻ペンペンしましょ。ママが優太にね。｣
｢・・・・！？｣
優太は絶句する。
｢だってそうでしょ。こればかりは自分が経験しなきゃわからないことだしね。それに、最初に
お尻ペンペンの痛みを知っておけば、その後はいやでもいい子になるよう頑張れるもんね。優太もそう思わない？｣
｢え、あ、でも・・・。｣
｢これも優太のためよ。だから、ね？｣
理沙は満面の笑みを浮かべながら、優太に問いかける。
｢・・・うん、わかった。｣
優太は小声で承諾の返事をした。お仕置きは怖くて嫌だと思いながらも、それ以上に良男ゆずりの好奇心旺盛の性格がそれを上回った。
｢うん！じゃあ、早速・・・。｣
理沙は椅子に座ったまま椅子を引き、テーブルから大きく離れて間隔をあける。
｢優太、こっちにいらっしゃい。｣
次に理沙は優太を呼ぶと優太は椅子から立ち上がると、理沙の側に近づき立ち止まった。
｢さっ、始めるわよ！｣
｢・・・うわっ！｣
理沙は椅子に座ったまま、おもむろに優太を持ち上げると優太はびっくりして思わず叫んだ。
そして、優太の130cmにも満たない小さなからだを自分の膝の上にうつぶせにした。優太の手足は宙に浮き、理沙に左手でからだを抑えられると、もはや身動きができない。
｢・・・・。｣
優太は次第に怖くなって少し震えている。しかし、そんな優太に構うことなく理沙は優太の半ズボンとパンツに手を掛けると、一気に膝の近くまで引きおろす。すると、ぺロンと小さくて可愛いお尻が理沙の目の前に現れ、優太は顔が少し赤くなった。
｢何よ、そんなに恥ずかしがることないでしょ。ママと何度もお風呂に入ってるくせに。｣
｢でも・・・。｣
｢フフフ。｣
モジモジする優太の姿に理沙は薄ら笑みを浮かべると、右手で優太のお尻を優しくなで始めた。
優太の顔は緊張した表情になり、理沙もまた真剣な顔つきに変わる。
｢さて、これからお尻ペンペンする前に・・・優太、少し聞いてくれる？｣
理沙は優太のお尻をなでながら話を始めた。
｢ママ、ふと思ったんだけど、せっかくこのお尻が痛い思いをするんだから、ちゃんとした理由つまりお仕置きされる理由があった方が優太にとっていいかなぁと思うの。そうすれば、ママも遠慮することがなくなるしね。｣
｢お仕置きされる理由？｣
｢そう。例えば、最近の優太の行動についてとかね。｣
｢え？｣
｢一週間くらい前だったかな？良男パパが言ってたわよ。優太のやつ、危うくおねしょしそうになったってね。｣
｢・・・！！｣
｢朝、すごい形相でトイレに駆け込んだそうね。その後、トイレに入ったらまわりがびしょびしょ・・・相当やばかったんだなって良男パパ笑ってたわよ。｣
｢・・・・。｣
｢そしたらね、こんなことはめったにないのになと思いながら台所に行ったらなんと、ジュースの空き缶が｢燃えるごみ｣用のゴミ箱に入ってたんだって。
昨日の夜までは冷蔵庫にあったはずだったんだって・・・変よねえ？｣
｢・・・・。｣
｢でも、結局良男パパはそれについては優太には何も言わなかったらしいね。
今度からは自分で気をつけるだろうって思ってるみたい。｣
｢・・・・。｣
優太は黙って理沙の話を聞いているうちにだんだんと顔が青ざめていく。
｢ねえ、優太。｣
｢な、何？｣
｢ジュースを飲んだの・・・一体誰だったんだろうねえ？｣
｢え、え、僕・・・知らない。パパが知らずに飲んだのかも。｣
｢そう？でも、もし飲んだのが良男パパだったら空き缶はちゃんとした場所に捨てると思うんだけどなぁ。｣
｢・・・・。｣
｢良男パパに言われたことあるでしょ？｢寝る前にジュースは飲むな｣ってね。｣
｢・・・・。｣
｢優太！｣
｢は、はい！｣
理沙が少し大きな声で優太を呼ぶと、優太は驚きながら返事をした。
｢もう一度聞くわよ。ジュースを飲んだのは誰かなー？｣
｢え、あの、その・・・。｣
戸惑う優太に対し、理沙はさらに追い討ちをかける。
｢寝る前にジュースを飲んだのは・・・優太ね？｣
｢・・・・うん。｣
優太は観念してコクリと力なくうなずいた。
｢そう・・・。｣
理沙はそれを確認すると、優太のお尻をなでるのを止め、そのまま手をお尻に添える。
｢・・・・。｣
｢・・・・。｣
理沙と優太の間にしばし沈黙が走る。そして、
｢優太！！｣
｢は、はい！！｣
理沙は語気を荒げて大声を出すと、優太はすぐに大きな声で返事をした。
｢パパの言うことは聞かない、おまけにママに嘘をつく・・・本当に悪い子ね！パパは見て見ぬふりをしたみたいだけど、ママは絶対許しません！今日は、たっぷりとお尻ペンペンして、悪い子のお尻を真っ赤っ赤にするからね！｣
そう言うと、理沙は優太のお尻に添えた右手を高々と振り上げた。優太はそんな理沙の言葉に震え、身をちぢめたその瞬間・・・
バシーン！
｢・・・びぃ！｣
理沙の細くしなやかな手が優太のお尻に勢いよく振り下ろされ、部屋中に響く高い音。即座に優太の悲鳴が続く。
バシッ！ビシッ！バシン！バシン！ベシン！
｢ひいいいーっ！！｣
力強い平手打ちが間髪入れず優太のお尻に炸裂すると、みるみるうちに赤く染まっていく。理沙はもちろんお尻ペンペンのお仕置きをするのは今回が初めてであるが、さんざん百合にお仕置きされたことを思い出しながら、き然とした態度で優太のお尻を叩いている。この理沙の堂々とした姿を見ると、見事に百合のDNAを受け継いでいるのが感じとれる。
一方、優太も良男の｢好奇心旺盛｣というDNAを受け継いだことにより、今の状況になった訳であるが、初めてのお尻ペンペンの痛みに目に涙を浮かべ、叩かれるたびにお尻をくねらせ、必死の形相で耐えている。
ビシッ！バチッ！バチン！バシン！バシン！
｢うひぃぃーん！痛ぁーい！痛ぁーい！｣
｢全く・・・いつからこんなに悪い子になったの？｣
ベチッ！バチン！バチン！バシッ！ビシツ！
｢ママはこんな子に育てた覚えはありません！｣
ベシッ！バシン！バシン！ビシン！ビシッ！
｢きちんと反省できるまで、お尻ペンペンだからね！｣
バシッ！バチッ！バチン！バシーン！バチーン！
｢う、う、うえぇぇーん！！｣
理沙はさらに強く優太のお尻を叩きだすと、優太は大声で泣き出した。しかし、理沙はまだまだ手を止めようとはしない。優太は足をバタバタして暴れようとするが、理沙はがっちりと優太のからだを膝の上で押さえつけ、涼しい顔でお仕置きをしている。
バシッ！バチン！バチン！バシーン！ベッチーン！
ビシッ！ベチッ！バチィ！バチーン！バシィーン！
ベシン！バチッ！バシン！ビシィーン！バチィーン！
バシッ！バシッ！バチン！ベシーン！バッシーン！
もう50回ぐらいは叩かれただろうか。しかし、理沙はほとんど疲れをみせることなく優太のお尻を厳しく打ち続け、優太のお尻はズキズキとする激しい痛みと共に見事なまでに真っ赤に腫れ上がっていた。
｢びえぇぇぇーん！！もう、許してぇー！！｣
｢だめよ！まだまだ反省が足りません。いいこと？ここまではママの分、そしてこれからパパの分をママが代わりにお尻ペンペンするからね！｣
｢え、えぇーっ？し、しょんなぁー！｣
｢悪いのは優太でしょ？パパが何も言わないのをいいことに勝手な事ばかりして！｣
｢で、でも・・・｣
｢口答えは許しません！！｣
バチィィーン！バシィィーン！バッチィィィーン！
｢ひいいぃーん！ママ、ごめんなさーーい！！｣
こうして30年前と同じ時期そして同じ場所で再び、元気な新しい苗（ｍ）と愛情をたっぷり含んだ新しい肥料（Ｆ）のもと、とびっきり熟した2つのトマトが赤々と実ったのだった
