まほーのランプ(本当にキリストはクリスマスに産まれたのかについての考察)


クリスマスの夜、
世界中の良い子達の所へサンタのおじさんがやって来ます。
そして大きな袋からプレゼントを置いていってくれるのです。

…じゃあ悪い子には?

サンタのおじさんには若くきれいな娘がいました。
その娘(コ)の名前もサンタクロース。
だけどそのサンタさんは黒い服に灰色のエプロンをつけた黒いサンタ…。
そしてそのサンタは世界中の「悪い子」の所へやってくるのです…。

…痛いおしおきをするために…。

黒いサンタは悪い子のお尻をぺんぺんと叩くためにやってるのです。






「…なんですかこれ?」
ルナさんから差し出された可愛い女の人の描かれた絵本を見て俺はそう言った。
「絵本です」
「そんなのわかってますよっ!!」
なんでこんなに話がかみ合わないんだ?
「いや、人気あるみたいで買ってきたんですよ。
それにマスターも気に入るかなって…、ほら、お尻ぺんぺんの話みたいですし♪」
…そうですね。
というかこの絵本が人気あるのか…?
体罰はいけないんじゃないのか政府さんっ!!?
ま、このご時世に政府に頼るのも間違いなのかね?
…そんな世間話はどうでも良い。
「とにかく読んでみてくださいよぉ」
なにその甘えた声っ!!
「は、はいはい…」
ん…、ところでルナさんは俺以外の人間には見えないんじゃ…、
どうやって買ったんだ…?
まさかドロボ…考えない事にしようっ!!



「え〜と…」
サンタのお姉さんは悪い子の家を探して飛び回っていました。
「あ、あそこねっ!」
サンタのお姉さんの見る方向には家が一つ…。
お姉さんは飛んでいきました…。
「み〜つけたっ♪」
お姉さんはニコッと笑いました。
窓の中をのぞくお姉さん。
そこにはベッドで眠る男の子が一人…。
部屋の中はひどく散らかっていました。
「え〜とたしか…『開け開け扉よぽんっ!』」
お姉さんが呪文を唱えると窓が開きました。
「日本には煙突が無くて大変ね…」
お姉さんは男の子のそばに行きました。
「起きて…」
耳元で小さくそう言うと男の子は起き上がりました。
「ふぇ…?」
小学生くらいの男の子はお姉さんを見ると…、
「お、おねえちゃん誰?」
と寝ぼけたように言いました。
「私はサンタクロース、サンタのお姉さんよ♪」
すると男の子は、
「えっ、サンタクロースっ!?」
といって近づいてきました。
「うん、そうよ」
「じゃ、じゃあプレゼントくれるの!?」
男の子は目を輝かせて言いました。
「んん〜、実はね、あなたにあげるのはプレゼントじゃないの…」
「え、じゃあ…何?」
するとお姉さんは男の子をひょいと持ち上げ膝の上に乗せました。
「え、え…な、何?」
男の子は目をぱちくり。
「あなたにあげるのはね…おしおきよ」
「お、おしおきっ!?」
男の子は叫びました。
「な、なんでっ!?」
するとお姉さんは急に恐い顔をして、
「なんでじゃないでしょっ!!部屋も散らかし放題だし…」
「う…」
「お母さんの言う事聞いてないのも全部知ってるんだからねっ!」
「う、違うよぉっ!!知らないよぉ!!」
「いい加減にしなさいっ!!」
するとお姉さんは男の子のズボンとパンツをずるっと下ろしてしまいました。
「ひゃ、ひゃあっ!」
「さぁ、覚悟しなさいっ!!」
「や、やだぁ!!」
お姉さんは返事も聞かずに…、

ぱちぃんっ!!

「いやぁぁっ!!」
男の子は悲鳴をあげました。
「いたい、いたいよぉ…」
「反省しないとお尻ぺんぺん終わらないからね!」
「や、やぁぁ…」
ぱちぃんっ!
「ひぁぁっ!!」
お姉さんは痛がる男をよそにお尻をぺんぺんと叩きました。
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「痛いよぉ…ごめんなさいぃ…」
男の子はぐずぐずと泣きながら謝りました。
お姉さんはそれでも許してくれません。
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「いやぁぁ…もぉおしおきやだぁ…」
「おしおきは嫌だからおしおきなんだよ!?」
「で、でもぉ…」
ぱちぃんっ!
「でもじゃないでしょっ!」
お姉さんは男の子のお尻を10回も20回も叩きました。
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「痛いぃ…許してぇ…」
するとお姉さんは、
「なんでおしおきされてるか分かってる!?」
ぱちぃんっ!
「うぁっ…、ぼ…僕が…悪い子だからぁ…」
ぱちぃんっ!
「なんで悪い子なのっ!?」
ぱちぃんっ!
「部屋散らかしてたし…お母さんの言う事聞かなかったからぁっ!!」
ぱちぃんっ!
「そうだね」
ぱちぃんっ!
「じゃあもう悪い事しない?」
ぱちぃんっ!
「しなぃぃ…」
ぱちぃんっ!
「お母さんの言う事も聞く?」
ぱちぃんっ!
「聞くよぉっ!!」
ぱちぃんっ!
「よし…じゃあ…」
最後にお姉さんは力をこめて…、

ぱちぃぃぃんっ!!

「いたぁぁぁぁっ!!」

「おしおきは終わりよ♪」
そういってお姉さんは男の子を下ろしてあげました。
「うぇぇ〜ん」
でも男の子は泣き止みません…。
「ほら、泣かないで?」
「ぐすっ…ぐすっ…」
するとお姉さんは…。
「ほら、これ…」
といって一つの包みをあげました。
「な、何…?」
お姉さんはくすっと微笑みました。
「プレゼントよ♪」
「え…でも僕は悪い子だから…」
「なに言ってるの…」
「え…」
「おしおきが終わればあなたは良い子よ?」
お姉さんは男の子の頭をなでなでしました。
「ほ、本当?」
「えぇ…」
お姉さんはもう一度プレゼントを渡しました。
「あ、ありがとうっ!」
するとお姉さんは少し慌てて、
「もう時間だわ、次のところへ行かなきゃ」
といい、窓の外へ飛んでいきました。
「またね、来年は私に会わないように…」
「うぅん!僕は良い子でもお姉さんにきて欲しいなっ!」
お姉さんは頬を赤らめました。
「もうっ…」

サンタクロースは大忙しです。





「良い話だけど…なんか尻が痛いです」
いや、本当に嫌いじゃないよ!!
だけどなんか痛い…。
ルナさんのせいだ…。
ルナさんが毎日のようにお尻ぺんぺんするからだ…。
「それはマスターが毎日おしおきされるようなことしてるからです♪」
例の如く聞いていたか…。






さて、今日はクリスマスイヴだ。
街は赤や緑で彩られ、なかなか心ときめく物がある。
というのも俺は一年の中でもクリスマスは大好きなのだ。
なんかこう…街が明るくなって、ウキウキするし…。
プレゼント貰えるしね♪
しかしクリスマスが好きなのは俺だけじゃない。
ルナさんも大のクリスマス好きだ。
「世界中回っているけど皆クリスマスの時が一番幸せそうにしている」らしい。
しかも今年の夜は両親共に仕事で遅くなるとのこと。
両親には気の毒だがおかげで俺はルナさんと二人っきりのクリスマスイヴを過ごせるわけだ。
実にありがたい、アーメン…。

と、まぁそういうわけで俺は部活をサボって(これはルナさんの許可済)街を歩いてる…。
というのもルナさんにプレゼントを買うためだ(これはルナさんには秘密だ)。
さてさて、何かいいものは…。
…ん?
「おーい、カケルー!!」
この声は…。
遠くに見える人影…。
「あぁ、リオさん」
「よぉ〜、カケル。メリークリスマスっ!!」
相変わらず元気だな…。
「悪かったな」
「人の心を読むのはやめてください」
「へへっ、わりぃわりぃ…」
「なにししたんですか?秀作もつれずに…」
「いや、シュウのプレゼント探しにな」
なるほど、
「夢を壊さないのも役目ですか?」
「まぁな、そういうお前は何してんだ?」
「あ、自分もプレゼント探し…」
…ルナさんのとは言えない…///
「ルナのか…」
「だから人の心を!!」
「今のは直感…」
「…バレました?」
「バレバレだ…、うそつきはお尻ぺんぺんだぜ?」
「すみませんでしたっ!!」
お尻ぺんぺんはごめんだからな…。
「で、あげるものは決めたのか?」
「いえ、何が良いとおもいます?」
「どうだろうなぁ…アイツの喜びそうなものねぇ…」
悩むのも当然だ。
ルナさんは基本的に自分の願望を言わない人だから…。
「でもな、大事なのは気持ちだってシュウがいってたぜ?」
つくづく秀作良い子だ…。
でもなかなかそうもいかないんだよなぁ…。
「まぁ、参考にします」
「あぁ、じゃあなぁ」
「ではっ!」
遠くなるリオさんの影を見終わると俺はまた歩き出す事にした。

んん〜、あれか…いやこれか…。
ダメだ、全然わからないっ!!
とにかく何かルナさんの喜ぶもの…、
喜ぶ…、
あ…。
これ…よくないか…?

決めたっ!!

俺はそれを買うと時計を見た。
ルナさんは六時までには帰って来いと…。



七時ジャスト…。


うわぁ縁起良い…、



って、えぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇええええぇええぇぇえっ!!!!


やばいどうしようおこられるおしおきされ…、

とにかく帰らなきゃっ!!
全速力で俺は走った。
走れカケル、走れカケル!!(某有名小説より






家につくと俺はそーっと鍵を開けドアを開けた…。

ぎぃぃ〜…。

「待ってましたよマスタ《バタム!》」

怒ってるよぉぉ…。
どうしようどうしようどうしよう…。
ガチャッ!!
「え…?」
俺はドアが開く音と共に家の中に引き込まれた。
「マァスゥタァァァ〜!!!」
ルナさんはすごく恐い顔をしていた。
「ご、ごめんなさいっ!!」
「何がごめんなさいなんですかっ!?」
「も、門限破って…」
するとルナさんは少し顔を緩めて、
「とにかく来なさい」

居間で俺はルナさんの前に正座した。
「分かってますね…」
来た…。
「は、はい…」
「よし、来なさい」
…仕方ない、俺はルナさんの膝の上にうつぶせになった。
「クリスマスイヴといえども手加減はしませんよ」
そういうとルナさんは俺の尻を露出させた。
「…っ!!」
「良いですね…」
「は、はい…」
「行きますよ!」
一瞬の間…、そして…。

ぱぁぁぁんっ!!

「うぁぁぁっ!!」
痛い…、いつもの事だがとても痛い。
ぱぁぁんっ!
「うぁっ…痛い…、ルナさん…」
「痛くても我慢しなさいっ!」
ぱぁぁぁんっ!ぱぁぁんっ!!
「いぁぁっ…やだ…」
「やじゃありませんっ!!」
ぱぁぁんっ!!
ルナさんは無言に近い状態で俺を叩いた。
何度も何度も…、
痛いとかなんとかよりも、その冷たい態度が辛い。
奥歯を噛み締めても、つい涙が出てくる。
「ごめんなさぁい…ルナさぁん…」
ぱぁんっ!!
「泣いてもダメですっ!!」
ぱぁぁんっ!!
「私がどれほど心配したと思っているんですかっ!?」
ぱぁぁんっ!!
「ルナさん…」
ぱぁぁんっ!!
「うぁぁっ」
「また前みたいに居なくなっちゃったらどうしようかって…」
ぱぁぁんっ!ぱぁぁぁんっ!!
「ルナさん…、ごめんなさい…」
ぱぁぁんっ!!
「反省しなさいっ!!」
ぱぁぁんっ!!
「いぁぁっ…はい…」
ぱぁぁんっ!
「…一体何していたんですか!?」
ぱぁぁんっ!
「うっ…え…あ…こ、これを…」
俺は買ってきたプレゼントを差し出した。
「え…これは…」
ルナさんは包みを開いた。
「あっ…」

幸せのペンダント…、そういう名前だった…。

自分より人の幸せ…、

ルナさんはそんな人だから…。

「マスター…」

「プレゼント…」

「…まったく」
そういってルナさんは俺の尻を…、

ぺん…ぺん…。

「うぁっ…」
「そうならそうと、早く言ってくださいよ…」
「だ、だってルナさんがっ!」
「口答えするともっとぺんぺんですよ?」
「あ、いや…それは…」
俺は顔を隠した。
「フフッ♪」
「笑わないで下さい…」
「すみません、さて、ちょっと遅いですがクリスマスパーティにしましょう。
ごちそう作って待ってたんですよ?」
「本当ですか!?」
「えぇっ、ほら早くっ!!」
「え、あ、あぁっ!!」
ルナさんに手を引かれる俺…。
こうしていられるのも俺たちが出会ったから…。
もうすぐ今年も終わるけど…、

来年もどうか宜しく頼みますよっ!!














その夜。

マスター…、
おや、もう寝てしまっていましたか。
まったく…、驚かすものですね、クリスマスプレゼントなんて…。
フフッ、可愛い寝顔です。
…ちょっとならいいですよね…。





ちゅっ…。




「うみゃ…」

……っ!!

「くぅ…くぅ…」

ふぅ…。
危ない危ない…。


メリークリスマス、マスター…。
















あ、それから皆様も、メリークリスマスっ!!