語尾アルぽーかー(F/m、m/F表現有)
眠らない街…、
人々は夜な夜な小さなコインを片手に目の色変えてゲームに挑む…。
ある人は札束を手に大成功を収め…、またある人は明日の金さえなくして途方に暮れていくのだ…。
人はこの場所の名をこう呼ぶのだ…「ラスベガス」。
まさしく命をかけた究極のゲームセンター…、それがここなのだ…。
そしてここから遠く離れた場所、「東京」。
そこにも究極のゲームに挑む二人の若者がいた…。
ふあぁぁぁ…眠い、休日だからといって夜更かししすぎたな…。
もう少し寝ていたいが…、今日はそういうわけにはいかない。
俺が休日に早起きする理由…なんとなく分かったよな?
そうだ、今日はロンロンさんに出かけようと誘われているのだ。
昨日の夜、「明日暇アルか!?暇ならカラオケでも行くヨロシ!?」…と留守電が入っていた。
近所なんだから言いにくれば良いのに…、めんどくさかったのかね?
まぁ良いや、ロンロンさんと出かけられるなんて嬉しいじゃないか。
…そういやロンロンさん、この間の恵美先生の発言に顔を赤くしてたけど…、少し意識してくれてるのかな?
…そんなことないか。ロンロンさんから見たら俺子供だもんな…。
あ、さてさて、そろそろ行くか。
ピンポーン…。
「あ、ナイトっ!いらっしゃいアルーっ!」
いつもどおり満面の笑みのロンロンさん。…可愛い、ごほんごほんっ!!
「ロンロンさん、朝早いっすよ…、こんな時間から歌ってたら飽きちゃいますって…」
「だって何時間歌っても同じ値段なら早く行ったほうがお得アルよ♪飽きたときのために色々持っていくアルから…」
「はぁ、そうですか…分かりましたよ」
俺は一応納得することにした。そうしないうとやってけない…。
「じゃあ…行きますか?」
俺はそう切り出した。
「そうアルね!」
ロンロンさんは再び歯を見せて笑っていた。元気な人だ…。
「しかしロンロンさん」
俺は歩きながらそう語りかける。ロンロンさんは頭にハテナがついたような顔でこっちを見た。
「何アルか?」
「カラオケ行っても…ロンロンさん歌えるんですか、日本の歌とか?」
「あたし日本の生活長いアルよ?結構知ってるアル。ナイトこそ、どんな歌歌うアルか?」
「あ…俺は、どっちかっていうと昭和の歌のが好きなんですよ、まぁ、最近のも歌いますけどね」
「あいやー…ナイト昭和好きアルかぁ…、オジサンみたいアルね♪」
「悪かったですね!」
「そんなに怒らなくても良いアルよ…とりゃっ」
「うあっ!」
びっくりした、その一言に尽きる…、ロンロンさんが俺の腕に抱きついてきたのだ。
「ちょっと…何してるんですかっ!?」
「機嫌直してくれるアルか…?」
ちょっ…そんな悲しげな上目遣いで見ないでください…。
「大丈夫ですっ!怒ってないですから!!」
するとロンロンさんは急に明るい顔をして、
「本当アルか!?良かったアルっ!!」
と、よりいっそう強く抱きついてきた。嬉しいとか以前に恥ずかしいからやめてください…。
「あ、着きましたよ」
「や、ホントアルね…、入るヨロシっ!!」
俺たちは小さなカラオケ店の中に入っていった…。
「おも〜い〜では〜、いつの日も〜……雨…」
ロンロンさんは拍手をしていた。
「ナイト、この人好きみたいアルね」
「はい、良いですよサ○ンっ!!」
かれこれ数時間、俺たちは歌い続けた。ロンロンさんは結構歌うまい…。
俺は…どうなんだろうね?
「しかしそろそろ歌もなくなってきましたよ…」
「ん〜、そうアルね…ちょっと待つアル…」
ロンロンさんは自分のかばんを探り出した。そして、
「あ、そうだ、トランプあるからなんかしないアルか?」
「トランプですか?良いですけど…何します?」
「…そうアルね、ババ抜きや七並べは二人じゃつまらないアルし…、あ、じゃあ「ポーカー」はどうアルか?」
ポーカー、アメリカのカジノで行われる三大トランプゲームの一つ…。
五枚の手札の柄をそろえる、どことなくマージャンとかと似てるかな?
たしか、一度だけ手札を入れ替えることができて、
弱いほうから順に、そろわない「ノーペア」、二枚のカードがそろう「ワンペア」、二枚が二組そろう「ツーペア」、三枚のカードがそろう「スリーカード」、五枚が連続する「ストレート」、五枚がすべて同種の「フラッシュ」、ワンペアとスリーカードが一気にそろう「フルハウス」、四枚のカードがそろう「フォーカード」、ストレートであり、フラッシュである「ストレートフラッシュ」、ストレートフラッシュの中のA、10、J、Q、Kである状態である「ロイヤルストレートフラッシュ」だったな…。
「良いですよ、やりましょうよ」
「じゃあ、どうせなら何か賭けるヨロシ!!」
「賭ける…?お金はもうほとんど無いですよ?」
「違うアル、あたしたちで賭けるといったら「アレ」しかないじゃないアルか」
「アレ」…?
「ま、まさか…?」
「そう、「お・し・り」アルっ!!」
こうして究極のゲームは始まった…。
ルール
・参加金は1ゲームお尻ぺんぺん10発。
・ベットの上限はなし、相手と自分のベット数、そして参加金を足した数叩かれる。
・サレンダー(降参)有、その場合は相手の指定数と参加金分のみ叩かれる。
・拒否権はなし!!
…なんとまぁ理不尽なルールだ。
「さてナイト…始めるアルよ、掛け金を決めるアル…」
不敵に笑うロンロンさん。かなりノリノリなようだ。…仕方ない、こうなりゃ勝つしかない…。
叩くのは不安だ、でもな、叩かれるのはもっと嫌だ…。負けてたまるか。
「…手堅く3で」
「つまらないアルなぁ…あたしは7賭けるアル、ちょうど20アルね」
「…分かりました。カードを引きますよ」
俺はカードを引いた…。
手札はハートとスペードの4、あとはバラバラだ…。
この時点でワンペアが成立している。二枚捨てるか…三枚捨てるか…。
俺はロンロンさんの顔をうかがった。
依然として不敵な笑みを浮かべ、舌をぺロッと出していた。
…二枚か…三枚か…はたまた勝負に出て四、五枚を捨てるか…。
…決めた…、俺はバラバラの三枚のカードを捨て、また三枚を取った。
…こいっ!!俺はゆっくり目を開けた……来たっ!!
「オープンっ!!フルハウスっ!!」
ロンロンさんは悔しそうな顔をしていた。
「あいやー…、ストレートアル…」
俺は一つガッツポーツをした。
「勝ちですね…」
「む〜、仕方ないアル…ほら、叩くアル」
そういうとロンロンさんはその綺麗で丸いお尻を出した。
「ろ、ロンロンさんっ!?」
「おしおきの時はお尻出すものアル…」
「で、でもここ…外、なんですよ?店員入ってきたらどうするんですかっ!?」
「だ、だったら早く叩くヨロシっ!!」
そういうとロンロンさんは俺の膝の上に乗っかって来た。
目の前にある女の人の尻…マジか…勘弁してくれ。
俺は一つ息を飲み、腕まくりをした。こうなればさっさと20回叩いてしまうしかないっ!!
「いきますよっ!!」
ぱちぃぃぃんっ!
思っていた以上の力で叩いてしまった。
「やぁぁぁぁっ!!」
ロンロンさんは目を丸くし、身体を反らした。
「あ、すみません、強すぎましたね…」
「い、良いアル…は、はやく終わらせてほしいアル…」
ロンロンさんは顔を赤くしていた。
「あ、はい…一気に終わらせますね…」
俺はもう一度手を上げた。
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
やっと半分…、叩くたびに少しずつであるが確実にロンロンさんのお尻はピンク色に染まっていき…、そのたびにロンロンさんは身体をくねらせ、悲鳴をもらした。
「ひぅぅ…痛いアルぅ…」
「痛いって…言い出しっぺはロンロンさんですからね?」
ぱちぃぃんっ!
「ひゃうっ!…うぅ…分かってるアル…」
「俺はこんなことしたくないんですから…」
ぱちぃぃんっ!
「ひぁぁっ!…ナイト、キーさんアルからな…」
「そういうこと言わないでくださいっ!!」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いぁぁぁっ!ナイト…結構Sアル…」
「いいかげんにしてください…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ひゃあああっ!ごめんなさいぃ…」
「ほら、最後ですよ?」
「は、早く…」
「はいはい…」
俺は再び手を振り上げ…、
ぱちぃぃぃぃんっ!!
「やあぁぁぁぁぁぁっ!!」
ロンロンさんは大きく悲鳴を上げた…。
「おしまいですよ?」
ロンロンさんは俺の膝から降りてお尻をさすった。
「うぅ…痛いぃ…ナイトっ!!もっかい勝負アルっ!!」
「本気ですか…?」
「当たり前アルっ!負けたままでは終われないアルっ!!」
「もう…分かりましたよ」
その後も俺たちは何度となくポーカーを続けたが、どうやらロンロンさんはまるでツイていないらしい…。
「ツーペアアルッ!」
「フラッシュです…」
「あ、あいやぁぁぁっ!!!」
ぱちぃぃんっ!!ぱちぃぃんっ!
「ひぁぁぁっ!痛いアルぅ…!!」
「フルハウスアルッ!!」
「フォーカードです…」
「な、なにぃぃぃぃっ!?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「やぁぁぁっ!もういやアルぅぅっ!」
「フラッシュアルッ!!!」
「フルハウスです…」
「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ふぁぁぁっ!おしおきいやアルぅ…」
「ワンペアア「ツーペアです…」」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!…、
「ロンロンさん…もうやめませんか?」
ロンロンさんのお尻はなんかもう大変なことになっていた…。
「ま、まだアルっ!!」
「じゃあ…次で最後ですよ?いくつ賭けます?自分は10で…」
「100アルっ!!」
俺は耳を疑った。
「…なっ!?正気ですか?」
「当たり前アルっ!今10とかだとなんか悔しいアルっ!」
「そうですか…、わかりましたよ」
俺は再びカードを引いた。
すべてハートで1、2、3、4、5…。
…はぁぁ…、いきなりストレートフラッシュか…。
捨てずとも完全に俺の勝ちだな。可哀想に…。
「では、オープンです…、スト…」
「ロイヤルストレートフラッシュアルっ!!」
…え?
「な、な…?」
ロンロンさんは満面の笑みだった。手札は確かに…ロイヤルストレートフラッシュだった…。
「あたしの勝ちアルっ!!」
ま、マジかっ!?
「さて…ナイト…、お尻出すアル…、しっかり120回、受けてもらうアル…」
ロンロンさんは今までの恨みを晴らさんばかりに俺を見た。そんな理不尽なっ!!
「ろ、ロンロンさ…あぁっ!」
ロンロンさんは俺の服を引っ張り、ひょいと膝の上に乗せた。
「うぁっ!」
「覚悟するアル…」
俺の意見も聞かないでロンロンさんは俺のズボンと下着を脱がした。ひんやりとした独特の感じが襲う。
「じゃあ…叩くアルよ…」
「ちょっ、ま…」
その時だった…。
「すみません、ドリンクのおかわりは…あ…」
俺たちと店員の目が合った…。空気が止まる…。
「す、すみません…、ごゆっくり…」
店員はそそくさとドアの外へと消えていった…。
「い、い、いぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
俺は叫んでいた。
「な、ナイト…、落ち着くアル…」
「落ち着けないですよ!!見ず知らずの人にこんなとこ見られてっ!!」
あの店員に、俺はどう見えたのだろうか?姉に怒られておしおきされてる弟にでも見えたか…考えただけで恐ろしい。
「ま、まぁまぁ…ちゃちゃっとおしおき済ませちゃうアルからな?」
この期に及んでもおしおきはするのか…。
「早くしてください…」
「分かったアル…♪」
一瞬、風を切る音が聞こえた。
ぱっちぃぃぃんっ!
「うぁぁぁぁっ!!」
いったい…、俺はロンロンさんを見た…異様にノリノリだった。
「悪い子はお尻ぺんぺーんアル〜♪」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いったぁぁっ!!ロンロンさん…痛いですよぉ…第一俺は悪い子ではないですっ!!」
「それもそうアルね、ま、負けたアルから仕方ないアル♪」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ひぁぁぁっ!ロンロンさんのいじわるぅぅ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いじわるじゃないアルよ♪」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ぐぅぅぅぅ…」
120という数は想像以上に長かった。何十回か叩かれて、気がつけば俺は足をばたばたと動かし、身体をくねらせていた。
「いたぃぃぃっ…もうやですぅぅ…」
「こーら、暴れないアルっ!」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ひぁぁっ…ごめんなさいぃ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「うあぁぁぁっ!」
「ほら、あと少しアルよ?頑張るアル」
ぱちぃぃんっ!
「は、はい…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「良い子アル…」
「良い子なのにお尻叩くんですか…?」
ぱちぃぃんっ!
「だってナイト、あたしのお尻叩いたあとになでなでしてくれなかったアル」
ぱちぃぃんっ!
「そんな理不尽な…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ほら、あと10回アルから、数数えるヨロシ…」
「そ、そんなの…はずかしいです」
「数えないと終わらないアルよ?」
ぱちぃぃんっ!
「うぁっ!そんな…い、いち…」
「よしよし、えらいアル」
ロンロンさんは俺の頭をなでた。
「ん…」
「今回はさっきなでてくれなかったこと、特別に許してあげるアル」
ぱちぃぃんっ!
「ひぁぁぁっ!…に…」
ぱちぃぃんっ!
「んあぁっ!…さん…」
ぱちぃぃんっ!
「くぅぅ…、よ、よん…」
ぱちぃぃんっ!
「ひぅぅ…、ご…」
「よしよし、あと5回アル」
ぱちぃぃんっ!
「んっ…ろく…」
ぱちぃぃんっ!
「うぅっ…なな…」
ぱちぃぃんっ!
「は、はち…」
ぱちぃぃんっ!
「いぁぁっ!…きゅう…」
「ほら、最後アルよっ!!」
「は…はい…」
ぱっちぃぃぃぃんっ!
「うぁぁっ…じ、じゅうっ!!」
「はい、終わりアル…がんばったアルね♪」
ロンロンさんは俺にぎゅっと抱きついた。
「ろ、ロンロンさん…」
「ふふっ…しばらくこのままが良いアル…」
「…ロンロンさん」
俺はすっと手を伸ばし、ロンロンさんの頭をなでた。
「な、ナイトっ!?」
「頑張りましたね、ロンロンさん…」
「はぁぁ…楽しかったアルね」
「痛かったし、恥ずかしかったですけどね」
「会計のときもあの店員さん、気まずそうな顔してたアルな」
ロンロンさんは苦笑した。
「本当ですよ…」
「ふふふっ、さて、今日は暗くなっちゃったアルから…早く帰らないとアルね」
「そうですね…」
俺が先に歩こうとしたとき、
「待つアルっ!!」
「…え」
ロンロンさんが俺に優しくキスをした…。
「あたし、真剣に…ナイトのこと好きアル…」
びっくりした、その一言に尽きる。