まほーのランプ(皆プリンが大好きだ)(注、F/Fのみ


おまけ的な雰囲気で書いたF/Fのみの話です。
苦手な方はご注意ください。
















夏休み…という名の夏期講習期間。
世間の受験生にこの言葉が適用されるだろう。
いや、何を隠そう、隠してないけど俺、山口カケルもその中の一人だ。
何ら甘楽で受験生になっちまった。時の流れは実に速い…。
勉強嫌いの俺にとっては今は地獄だ!朝から晩まで勉強しなきゃという呪縛に縛られ続けるなんて…!
と、言いつつ勉強なんてあまりやってはいないけどな…。
いや、やろうとは思うんだけど右手さんが鉛筆もシャーペンも持ちたくないって言うから…。
まぁ、この前これ言ったらルナさんにめちゃくちゃ怒られた(もちろんおしおき付きでだ!)。

とまぁそういうわけで俺は今塾の帰り道。
明日からはしばらく塾も無いし気が楽だ。
部活も四日ほど前からもうすでに無くなってるしね。
え、お前は何部なんだ?

吹奏楽部さっ!!
ほとんどの部員が女子だからハーレム状態!!
…まぁそんなギャルゲーの主人公みたいにモテるはずも無く、無下に扱われてパシリにされているわけだが…忌々しい話だ。

しかしそれにしても暑い…。
早く家に帰ってクーラーの風をモロに受けよう。熱中症になるくらいなら冷房病になったほうがマシだ。
俺は足早に家路を辿る。しっかりと辿る!確実に辿る!!
そしたらもちろん家に着く、ほら到着だ。
うー暑い、とにかく早く家に入ろう…、
そう思いカギをドアに差し込んだその瞬間。
「…っ!?」
妙な悪寒。家の中で何か良からぬことが起きている…確実にだ!!
俺の悪寒と=で繋がるもの…。
簡単な方程式だ、それはすなわち…。
俺の悪寒=ルナさん+リオさん+何かしらのトラブル…ということだ。
きっと家にはリオさんが来ている。何か問題が起きるってことは秀作は来ていない…。
…入りたくないな、絶対とばっちり食らうもん。
でもダメだ、この炎天下の中外にいるのは危険だ!!なんてったって暑いのは大の苦手なんだ…!
仕方ない、入るか。
俺は差し込んだままのカギを回し、ドアを開けた。

「た、ただいまー…」
入った瞬間、一瞬の静寂…そしてリビングの方から聞こえる微かな…、
「…なんだこのパチ…パチ…って音」
俺は恐る恐るリビングに近づいた。何で自分の家でこんなにビクビクしなくちゃいけないんだ?
リビングの前の扉のところへ来ると謎の打撃音は一層強く聞こえ…そして謎の罵声。
まさか大喧嘩に…!?
俺はごくりと息を飲み、そのドアを開けた…そしてそこに広がっていたのは。
「…うっ!?」


「もう、本当に悪い子なんですから…」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「う、うるせぇ!!お、俺は悪くない!!」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「リオ様?泥棒は犯罪なんですよー?」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「いぅぅっ…泥棒もクソもあるかっ!あんなもん一個で!!」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「あんなもんとは何ですかっ!!あとその言葉づかいを直しなさい!!」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「うるせぇよっ!ちくしょう!離せぇっ!!」

えー、ルナさんがソファーに座ってだね、リオさんを膝に乗っけて、その一応着衣のお尻を叩いていた。
リオさんは足をばたばたと動かして暴れている。
「ちょっ…なにやってんですか二人とも!!」
すると二人は一斉にこっちを向く。
「あ、マスター、お帰りなさいませ♪」
「か、カケル…!!」
「いやいやお帰りなさいとかじゃなくて…何やってたんですか…」
ルナさんはだいぶあっけらあっけらかんとしている。
「何って…リオ様が悪い子でしたのでおしおきしていたのですが…」
「お、俺は悪くないっ!!」
「よく言えましたね!!」
そういうとルナさんは自分の右手を振り上げ、
ぱちぃぃんっ!!
「いぁぁぁっ…こ、このばかルナっ!!」
「なんですって?もう一度言ってください♪」
「馬鹿って言ったんだよっ!!」
「リオ様…」
まずい険悪ムード!!
「まぁまぁまぁまぁ…何があったかを説明していただけません?」
「あ、はい…マスター。実はですね…」
「実は…?」
「先ほどの話です…、





「いらっしゃいませリオ様…」
「おぉ、手厚い出迎えを感謝するぜ」
秀作君がご家族でお出かけのため、暇つぶしがてらリオ様がお越しになられました。
私はリオ様にお茶を出そうと思いまして台所へ向かったのです。
「ふんふふふ〜ん♪…あ、お風呂のお水出しっぱなしでした」
あ、誠に勝手ながらお風呂を掃除させていただきましたよ?」
「あ、ありがとうございます」
「え〜、それでですね、

「ふぅ…溢れていなくて良かったです」
そして何を思うでもなく台所に戻ったときです。
「もぐ…もぐ…ん〜これ美味いなぁ♪」
リオ様が台所にいました。
「なにされているのですか?」
「あぁ、ここにあったプリンもらったぞー」
「…プリン…?」
「ああ、これ…」
そこにはすでに空っぽのプリンのカップが…!!
「…リオ様…」
「ん…どうした…?」
「わ、私のプリンをぉぉぉぉ!!!」」
「またプリンですかっ!?」
「またとはなんですか!!私にとってはマスターと同じくらい大切なプリンです!!」
この発言は喜ぶべきだろうか?悲しむべきだろうか?
「それでですね、そこからが本番です…、

「ちょ…そんなに怒らなくても…」
「お黙りなさい…人の冷蔵庫開けてしかもその中身を勝手に食べてしまうなんて…」
「う、うぅ…で、でもそんなに大事なら「食べるな」って書いておけよ!!」
「黙りなさい!!」
「うっ…こんなルナ初めて見たぞ…」
「あなたにはおしおきが必要のようです…」
「おし…おき…?」
「秀作君やマスター同様に…お尻ぺんぺんのおしおきです!」
「ちょ、そんな子供じゃあるまいし!!」
「あなたのやっていることはお子様同然です!!」
「そ、そんなの…断るっ!!」
するとリオ様は人差し指を立てて腕を私の方へ振り下ろしました。炎弾を放つ動作です。
私はその瞬間に結界の魔法を…!
「$@*’¥&$%#’7!!」
ちゅどぉぉぉぉんっ!!
「くそっ…」
その気に乗じて逃げようとするリオ様。
「逃がしませんよっ!!」
今度は私が水弾の魔法を指先から放ちました。
「ちくしょうっ!!」
炎弾で応戦するリオ様、飛び散る魔法弾、バシュンバシュンという魔法の破裂音。
まるでチャンバラのように部屋中を動き回りながら魔法の打ち合い。
あ、ちなみに私たちの魔法で物が破壊されることはありませんので…」
「そんな命がけの死闘がこの部屋で行われてたんですかっ!?」
つ、付いていけんっ!!
「大丈夫です、死ぬことはありませんから」
「は、はぁ…」
「そしてその後はですね、

「やっ…はぁっ…!」
軽やかに動き回り巧みに魔法を放つリオ様。
「とぉっ…えいっ…」
私は出来る限り冷静に応戦しました。
「リオ様、いい加減諦めてはいかがでしょうか…?」
「とぁっ…うるせぇ、誰がお尻ぺんぺんなんて受けるか!」
「しかしすでに足がおぼついていませんよ?」
たしかにリオ様の動きは少しずつ鈍くなっておりました。
「あなたは魔法のキレは私よりも格段に良い…、しかし普段から魔法を鍛錬している私とそうでないあなた…どちらが勝ちますか?」
「う、うるせぇ…こうなりゃしかたねぇ…」
リオ様は両腕に力を蓄えました。…強力な魔法を出そうとしているということです。
「こ、こんなところでそんな魔法を…!?」
「$%2&’@*+,#$¥&%…」
もうすでに魔法放出の準備に取り掛かっていました。こうなれば私も同等の魔法で応戦するしかありません…。
「仕方ありませんね…%&#¥〜*:+!#$?¥…」
二つの強力な魔力がぶつかろうとしています。
流石に空気が少しだけ歪みだしました…そして。

「とぉらぁぁぁぁぁっ!!」

「負けませんよぉぉぉぉっ!!」

ぶつかり合う二つの強力な魔力線、辺りは真っ白な光に包まれ…、
衝撃的な爆音がこの部屋にこだましました。

「はぁ…はぁ…ルナ…」
「お呼びですか?」
「…っ!!」
「もうお疲れでしょう?」
「うるせぇっ!!疲れてなんかっ!!」
リオ様はもう一度私に人差し指を向けましたが、
「無駄です、身体は平気でも魔力はそこを尽きてますから…」
「そ、そんなっ…うぉっ」
私はリオ様の腕を掴み、ソファーの方へ向かいました。
「や、やめろ!!離せぇっ!!」
「リオ様?私にはまだ魔力が残っております。魔法で拘束してもよろしいのですよ?」
「うっ…」
私はソファーに座り、リオ様を膝の上に乗せました。
「やっ、やめろっ!!やめろよっ!!」
「悪い子は…こうですよっ!!」
ぱっちぃぃぃんっ!!
「いっ、いったぁぁっ!!」


…というわけで今に至ります」
…なんだそりゃ…。リオさんはリオさんで勝手に冷蔵庫開けるなって話しだし、ルナさんもルナさんでプリン一個でそんなに怒るなって話しだし、第一人の家で何やってるんだって話しだし、あなたたちの魔法怖すぎるよって話しだしry
「と、いうわけでリオ様、おしおき再開ですよ」
「やっ、やめろっ!離せよっ!!」
「いけませんっ!」
ぱちぃぃんっ!
「いぃっ…」
いやいや、可哀想にリオさん、まぁ、リオさんにも悪いとこありますから…我慢してください。
「まったく、少しは反省してください」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「いって…だ、誰が反省なんかするか!!」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
「ちゃんとごめんなさい出来ないと終わりませんよー?」
ぱちぃんっ!ぱちぃんっ!
リオさんはルナさんをキッとにらんだ。
「子ども扱いするなばかルナっ!!」
するとルナさんはぴたりと手を止める。
「…なんだよ?」
「反省がないようですね…」
「あ、当たり前だ!!」
「仮にも大人の女性ですし…これはやめてあげようと思っていたのですが…仕方ありませんね」
そういうとルナさんはリオさんのズボン状のアラビアンな着物に手をかけた。
…すなわち「お尻だしましょーね♪」ってことだ。
「ひっ…ちょっ…お前っ」
これは…目をそらすべきだろうか?
「マスター、恥ずかしいのもおしおきになりますから…ちゃんと見ていてくださいね」
あ、久々に心読まれた。
「や、やめっ…ふざけんなよぉ…!」
「リオ様、こうすれば少しくらい反省していただけますよね?」
「や、やだ…やめろ…」
ルナさんは首を横に振り、リオさんのそれを優しく脱がした。相変わらずの神業テク。ほんのりピンクがかった丸くて綺麗なお尻が露出する。
「やっ…だめ…」
う、いつにも無く女の子っぽい声のリオさん、頬は赤く、少し涙目になっている。
普段の行動からは羞恥心なんて持ち合わせていないように見えるけど、やっぱり女の子なんだな。
…すこしかわいい…もとい可哀想だ。
ルナさんはリオさんのお尻に手を置き、
「リオ様、いきますよ…覚悟してくださいね」
「や、やめ…だめ…カケル…見るなあ…」
「いや、あの…自分、ルナさんに逆らえないんで…」
どっちがマスターだか…。
「リオ様…!」
「や、やめろよぉ…」
「いけませんっ!!」
次の瞬間、ルナさんは右手を振り上げて、
ぱちぃぃんっ!
「いったぁぁっ…さっきより、痛い…」
「当たり前です!今は生身のお尻をぺんぺんしてますから」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ひっ…いたいっ…ばか…やめろよ」
リオさんはさっきよりもおとなしくなったがまだ足をぱたぱた動かしている。
「足のお行儀が悪いですよ?」
そう言ってルナさんはリオさんの太ももを軽く、
ぺちんっ…、
「ひぅっ…」
「お行儀よくしなさい…」
普段は絶対にルナさんの言うことを聞かないリオさんだが、このときばかりは足を動かすのをやめた。
「良い子です、このままごめんなさいを聞きたいのですが…」
「だ、誰がいうかぁっ…」
「じゃあもう少しおしおきが必要ですね」
「や、やめっ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いったい…ひっく…えぐ…」
こ、これは珍しい、リオさんの涙。
恥ずかしさからか、痛さからか…気持ちはわかる…。
「あの…ルナさん、プリンなら買ってあげますから…そろそろ許してあげては?」
「マスター、いけません。今回は盗られたことだけに起こっているわけではなく、ちゃんと教養を身につけてもらいたいのです」
ルナさん…、
「もちろん、盗られたことにもすごーく怒ってますけどね♪そうでもないと魔法の打ち合いなんてしませんから」
「…はは」
「じゃあリオ様っ!!続けますよ!!」
「ひっ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いたぁ…ひっく…やだぁ…やめろよぉ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「それじゃあずっとおしおき終わりませんよ?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「いぁぁっ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「人の冷蔵庫勝手に開けたり…勝手に物盗ったりしちゃいけませんよね?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「ひっうう…わかってるよ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「じゃあ…いうことがありません?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「……………」
ぱちぃぃんっ!
「ひぅっ…」
「ごめんなさいは?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「言えますよね?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
リオさんは悔しそうに唇を噛んでいたが、それ以上におしおきが痛かったか、それとも本当に罪悪感が沸いたのか、
「やぁぁ…悪かったよぉ…ごめんなさいぃ…!」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「もう、しませんね?」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「し、しないからぁ…ごめんなさいぃ…」
ぱちぃぃんっ!ぱちぃぃんっ!
「よし、では次の一回でおしまいです」
「ほ、ほんと…だな?」
「もちろんです、いきますよ!」
ルナさんは手を振り上げ、リオさんは目を瞑った。

ぱっちぃぃぃんっ!

「いっ、いったぁぁっ…!!」
耳をふさぎたいほど悲痛な悲鳴、しかし、
「はい、おしまいです♪」
非常に強い癒し効果のある笑顔をルナさんは見せた。
リオさんは本当に珍しくひっくひっくとしゃくりあげながら泣いていた。
その笑顔のまま、リオさんを見つめるルナさん。まるで女神だな。
「ほらほら、痛かったですか?」
「あ、当たり前だろっ!」
「はいはい、でももう泣かないでください…ね?」
ルナさんは膝に乗ったままのリオさんのお尻をなでていた。
…ん…リオさん、こっちを見てる。
「どうしました?」
精一杯の優しい声。
「カケル…お、お前…俺の尻…みただろ?」
「いや…まぁ…すみません」
「いや、良いんだ…でも…」
「でも…?」
「罰として…お前にも撫でて欲しい…頭でいいから」
「はいっ!?…そんなのルナさんに頼めば…」
するとリオさんは少し照れたように、
「いや、俺…こうやって怒られたこと無かったし…だからこうやってルナみたいなやつに撫でてもらったりすることもなかった…。
だから…カケルみたいな奴にも…撫でられてみたい…」
「良いじゃないですかマスター、たまには」
俺は何か妙にむずがゆく、だけど穏やかな気持ちになった気がした。
「…はいはい」
リオさんの頭に手を置き、軽くその手を動かす。

「よし…よし…、よく我慢しましたね」

リオさんは可愛いネコのように「うみゃあ」と声をあげた。
…可愛いな。


普段は男のようなランプの精、リオさん。
だけどたまには女の子らしくしたい時もあるのかもしれない。
普段出来ないから、その分ずっと女の子らしくしたいのかもしれない。
ま、俺は男だからわからないけどな。

「さて、マスター、リオ様、プリン買いに行きましょう?」
「おっ、行きましょうよ」
「へへっ、もちろん付いていくぜ!!」
「リオ様は自分で買って下さいね♪」
「な、なんでだよ?」
「だって私のプリン食べたじゃないですか」
「えぇ〜、ひっでぇ…ルナのケチっ!!」
「リオ様…」
「ひっ…嘘です!!」
「まったく…ま、私も冗談です。ちゃんと買ってあげますよ」
「マジ!?やったぁ!!」
「プリンでそんなに騒がないでください!!」

まったく、皆プリンが大好きだ。















「なぁカケル…」
「…はい?」
「ルナの弱点調べといてくれ…」
ダメだこの人…。
「二人とも?なんの話しですか?」
「「いえっ!!なんでもないです!!」」